2025年7月2日
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建設現場では日々多くの作業が並行して進み、同時に常に「危険」と隣り合わせの作業環境にあります。重機の稼働、高所作業、協力業者との連携など、さまざまなリスクが存在するなかで、労働災害を未然に防ぎ、事故時の責任を明確化するには「映像」と「音声」による記録が極めて有効です。
特に2025年からの労働安全衛生法改正では、熱中症対策や作業者の状態把握義務など、現場管理者の責任がさらに強化される方向にあります。そこで注目されているのが、「録音・録画機能付きのボディカメラ」です。
ボディカメラは「ウェアラブルカメラ」とも呼ばれることがあります。
ボディカメラ | ウェアラブルカメラ | |
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用途 | 遠隔との情報共有、警備、工事現場での記録、映像として証拠を残す場合など。 | スポーツ、アウトドア、旅行などでの映像記録。 |
特徴 | ・音声記録に対応。 ・耐久性が高い。 ・インカム機能がある。 |
・小型で軽量なものが多い。 ・一般消費者を対象とした製品が多い。 |
ボディカメラもウェアラウブルカメラと同じく扱われることがあるため、本記事では、主に録画や音声記録のできるカメラを紹介しています。
チェック項目 | 理由 |
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解像度(フルHD以上) | 映像が鮮明で事故の詳細が把握しやすい |
録音機能 | 会話・周囲音を記録し状況説明が明確に |
バッテリー稼働時間 | 6〜10時間以上で長時間作業に対応 |
防水・防塵(IP66〜IP68) | 屋外作業にも対応、壊れにくい |
GPS搭載 | 位置情報も記録でき現場管理に有効 |
クラウド連携 | データの即時バックアップ・遠隔確認が可能 |
以下の8製品は、建設現場での安全管理や遠隔支援において特に評価の高いモデルです。それぞれの特徴を紹介します。
製品名 | 解像度 | 録音 | 防塵・防水 | 通信 | GPS | クラウド対応 | 価格帯 | 特徴 |
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VALTEC AIボディカメラ | フルHD | あり | IP68 | LTE / Wi-Fi | あり | あり | 法人向け | リアルタイム遠隔管理、録音・録画・GPS搭載 |
Zepcam T2+ | 720p / 1080p | あり | IP66相当 | Wi-Fi | あり | あり | 約10万円〜 | 官公庁・消防採用実績多数 |
Transcend DrivePro Body 30 | フルHD | あり | IP67 | Wi-Fi | なし | 一部あり | 約4万円 | 暗視対応、12時間バッテリー |
Hytera VM780 | 最大4K | あり | IP68 | LTE / Wi-Fi | あり | あり | 約12万円 | Android OS搭載、柔軟なカスタマイズ |
Reveal Media D5 | フルHD | あり | IP65 | Wi-Fi | あり | あり | 約8万円〜 | 録画中を明示、抑止効果あり |
Boblov M7 Pro | 1440p | あり | IP66 | Wi-Fi | なし | なし | 約3万円 | 高コスパ、LEDライト搭載 |
BOYA BY-CM6 | フルHD | 高感度マイク | IP65相当 | なし | なし | なし | 約2万円 | 音声記録重視のシンプルモデル |
FeiyuTech WG2X | フルHD | あり | IP65相当 | なし | なし | なし | 約3万円台 | ジンバル内蔵、ブレない映像 |
建設現場での安全対策は、単なる「注意喚起」だけでなく、「記録による証拠と可視化」が求められる時代になっています。録音・録画対応のボディカメラは、作業者と現場の安全を守るだけでなく、教育・遠隔管理・品質保証など、業務全体を支えるインフラとしても活用できます。
ボディカメラで「守る現場」から「見せる現場」へ。これまでの建設現場は、現場監督の「目と耳」に依存していました。しかし、録音・録画対応ボディカメラを活用すれば、目撃証言ではなく「映像記録」で現場を証明できる時代です。
安全、品質、信頼の向上はもちろんのこと、法改正対応や働き方改革、教育効率にも直結するこのツールを、今こそ活用すべきではないでしょうか。
価格や機能だけでなく、自社の現場環境や導入目的に合ったモデルを選び、現場力の底上げを目指しましょう。