はじめに:建設現場の安全と「記録の重要性」
建設現場では日々多くの作業が並行して進み、同時に常に「危険」と隣り合わせの作業環境にあります。重機の稼働、高所作業、協力業者との連携など、さまざまなリスクが存在するなかで、労働災害を未然に防ぎ、事故時の責任を明確化するには「映像」と「音声」による記録が極めて有効です。
特に2025年からの労働安全衛生法改正では、熱中症対策や作業者の状態把握義務など、現場管理者の責任がさらに強化される方向にあります。そこで注目されているのが、「録音・録画機能付きのボディカメラ」です。
ボディカメラが建設現場で注目される理由:
- 労災発生時の状況証拠を音声付きで記録
- 危険行動・ヒヤリハットの再発防止と教育
- 遠隔臨場(国交省推進)の代替手段
- 技術者不足時の遠隔指導・技術継承
- 不当クレーム・カスハラ対策
ボディカメラを選ぶ際のチェックポイント
チェック項目 |
理由 |
解像度(フルHD以上) |
映像が鮮明で事故の詳細が把握しやすい |
録音機能 |
会話・周囲音を記録し状況説明が明確に |
バッテリー稼働時間 |
6〜10時間以上で長時間作業に対応 |
防水・防塵(IP66〜IP68) |
屋外作業にも対応、壊れにくい |
GPS搭載 |
位置情報も記録でき現場管理に有効 |
クラウド連携 |
データの即時バックアップ・遠隔確認が可能 |
建設現場向け!録音・録画対応ボディカメラ8選(2025年版)
以下の8製品は、建設現場での安全管理や遠隔支援において特に評価の高いモデルです。それぞれの特徴を紹介します。
VALTEC AIボディカメラ
LTE対応・GPS・IP68防水・クラウド連携対応。法人向けの高耐久モデル。
解像度: 2560×1440 / 1920×1080 / 1280×720(全て30fps)
防水: IP68
特徴: LTE通信・GPS・クラウド連携対応、顔認証
推奨用途: 遠隔臨場、技術指導、資材管理、防犯
価格: お問い合わせ(無料モニタキャンペーン実施中)
VALTEC ボディカメラ詳細
Zepcam T2+
官公庁でも導入実績多数の信頼性重視モデル。Wi-Fi対応。
解像度: 720p / 1080p切替
バッテリー: 約10時間
特徴: 警察・防災向けに多く採用、クラウド連携
推奨用途: 緊急対応、夜間現場監視
価格: 10万円台〜
製品ページを見る
Transcend DrivePro Body 30
暗視対応・長時間バッテリーが特長。小規模現場にも最適。
解像度: フルHD+暗視
バッテリー: 12時間
特徴: 回転クリップ/Wi-Fi接続/32GB内蔵メモリ
推奨用途: 長時間作業、教育映像の撮影
価格: 4万円前後
公式サイトを見る
Hytera VM780
Androidベースの高機能モデル。LTE・Wi-Fi・4K対応。
解像度: 最大2160p(4K)
通信: LTE / Wi-Fi / GPS搭載
特徴: Androidベースでカスタマイズ可能
推奨用途: 高機能を求める大規模現場
価格: 12万円前後
製品詳細はこちら
Reveal Media D5
録画中が一目でわかる前面ディスプレイ搭載。抑止力が高い。
解像度: フルHD
特徴: フロントディスプレイで録画中を明示
防水・防塵: IP65
推奨用途: ハラスメント対策、安全啓発
価格: 8万円〜
製品ページはこちら
Boblov M7 Pro
高解像度とコストパフォーマンスが魅力。LED搭載。
解像度: 1440p対応
バッテリー: 10時間
特徴: 高コスパ/LEDライト付き
推奨用途: 中小建設業者、個人現場管理者
価格: 約3万円
詳細を見る
BOYA BY-CM6
音声記録に特化。会話の記録に最適。
解像度: フルHD
録音性能: 高感度マイク搭載
特徴: 音声重視の現場向け、シンプル操作
推奨用途: 工事記録・会話記録重視の現場
価格: 約2万円
メーカー公式ページ
FeiyuTech WG2X
ジンバル内蔵でブレのない映像が撮れる。映像教材用にも。
特徴: アクションカメラ型でジンバル内蔵
用途: 映像がブレにくく、美しい映像記録が可能
推奨用途: PR映像・マニュアル作成
価格: 約3万円台
商品ページを見る
製品名 |
解像度 |
録音 |
防塵・防水 |
通信 |
GPS |
クラウド対応 |
価格帯 |
特徴 |
VALTEC AIボディカメラ |
フルHD |
あり |
IP68 |
LTE / Wi-Fi |
あり |
あり |
法人向け |
リアルタイム遠隔管理、録音・録画・GPS搭載 |
Zepcam T2+ |
720p / 1080p |
あり |
IP66相当 |
Wi-Fi |
あり |
あり |
約10万円〜 |
官公庁・消防採用実績多数 |
Transcend DrivePro Body 30 |
フルHD |
あり |
IP67 |
Wi-Fi |
なし |
一部あり |
約4万円 |
暗視対応、12時間バッテリー |
Hytera VM780 |
最大4K |
あり |
IP68 |
LTE / Wi-Fi |
あり |
あり |
約12万円 |
Android OS搭載、柔軟なカスタマイズ |
Reveal Media D5 |
フルHD |
あり |
IP65 |
Wi-Fi |
あり |
あり |
約8万円〜 |
録画中を明示、抑止効果あり |
Boblov M7 Pro |
1440p |
あり |
IP66 |
Wi-Fi |
なし |
なし |
約3万円 |
高コスパ、LEDライト搭載 |
BOYA BY-CM6 |
フルHD |
高感度マイク |
IP65相当 |
なし |
なし |
なし |
約2万円 |
音声記録重視のシンプルモデル |
FeiyuTech WG2X |
フルHD |
あり |
IP65相当 |
なし |
なし |
なし |
約3万円台 |
ジンバル内蔵、ブレない映像 |
ボディカメラ導入の効果と活用シーン
- 現場の「見える化」と安全パトロールの効率化
事務所にいながら、現場作業員の視点で作業状況を把握でき、巡回の手間や見落としを減らせます。
- 証拠映像の保全で「言った言わない」を防止
事故やクレーム発生時も、音声付きの記録映像が真実を証明します。
- 若手教育・技術継承への応用
熟練者の作業を録画して教材にする、遠隔でリアルタイム指導するなど、教育コスト削減にも寄与。
注意点と導入時のチェックリスト
- チェック項目:内容
- プライバシー:従業員・現場関係者への撮影通知・同意
- データ保管:クラウド・SDカードなどの保存ポリシー整備
- 通信環境:LTE/Wi-Fiエリアの通信テスト
- 運用ルール:「いつ・誰が・何のために使うか」の明文化
まとめ:記録は最大の安全対策
建設現場での安全対策は、単なる「注意喚起」だけでなく、「記録による証拠と可視化」が求められる時代になっています。録音・録画対応のボディカメラは、作業者と現場の安全を守るだけでなく、教育・遠隔管理・品質保証など、業務全体を支えるインフラとしても活用できます。
ボディカメラで「守る現場」から「見せる現場」へ。これまでの建設現場は、現場監督の「目と耳」に依存していました。しかし、録音・録画対応ボディカメラを活用すれば、目撃証言ではなく「映像記録」で現場を証明できる時代です。
安全、品質、信頼の向上はもちろんのこと、法改正対応や働き方改革、教育効率にも直結するこのツールを、今こそ活用すべきではないでしょうか。
価格や機能だけでなく、自社の現場環境や導入目的に合ったモデルを選び、現場力の底上げを目指しましょう。