2025年10月7日
介護施設において、入居者の安全やご家族の安心を守るために「監視・防犯カメラ」の導入はますます重要になっています。
転倒や徘徊といった事故の防止、不審者の侵入対策、スタッフと利用者間のトラブル防止など、カメラの役割は防犯だけでなく「見守り」や「業務改善」にも広がっています。
一方で、「介護施設に監視カメラや防犯カメラは本当に必要?」「費用はどのくらい?」「プライバシー問題は大丈夫?」といった疑問や不安を抱える施設管理者の方も少なくありません。
本記事では、介護施設における監視・防犯カメラの必要性、導入メリット・デメリット、設置場所のポイント、費用相場までをわかりやすく解説します。さらに、最新のAIカメラによる見守り強化の仕組みについてもご紹介します。
これから介護施設で監視・防犯カメラの導入を検討される方は、ぜひ参考にしてください。
目次
近年、介護施設における監視・防犯カメラの導入は急速に広がっています。その背景には、介護現場を取り巻くさまざまな課題があります。
まず、高齢者の安全確保です。厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」によると、介護施設内での転倒事故は年間約4万件以上報告されており、最も多い事故原因とされています。職員が常に全ての入居者を目で見守ることは難しく、監視カメラを設置することで転倒の早期発見や徘徊防止につながります。
次に、トラブル防止と透明性の確保です。公益財団法人介護労働安定センターの調査では、介護現場での「利用者や家族からのクレーム経験あり」と答えた職員は約4割にのぼります。監視・防犯カメラの映像は、事実を客観的に確認できる記録となり、クレーム対応や誤解防止に役立ちます。
さらに、不審者対策やセキュリティ強化も重要です。警察庁のデータによれば、侵入窃盗事件の約2割は福祉施設・病院などを狙った犯行とされており、介護施設も例外ではありません。玄関や出入口に防犯カメラを設置することで、盗難や不審者侵入を未然に防ぐ効果が期待できます。
こうした背景から、監視・防犯カメラは「防犯対策」だけでなく「見守り機能」を兼ね備えた介護施設に不可欠な設備として注目されています。
介護業界は慢性的な人手不足に直面しており、厚生労働省の調査によると、2025年には約32万人の介護人材が不足すると推計されています。スタッフ一人ひとりの負担が大きくなり、業務効率化や省人化が急務となっています。
監視・防犯カメラは、こうした課題解決に役立ちます。例えば、AIカメラによる 転倒検知・徘徊検知があれば、スタッフが常に巡回しなくても異常を早期に把握でき、限られた人員での見守りが可能になります。また、記録映像を活用することで、トラブル対応にかかる時間を削減でき、介護業務に集中しやすい環境づくりにもつながります。
人手不足が深刻化する中、カメラを単なる防犯装置ではなく「スタッフを補助するパートナー」として活用することが、これからの介護施設に求められています。
介護施設では高齢者の転倒や徘徊といった事故リスクが非常に高いと言われています。 厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」によると、施設内事故のうち約6割が転倒・転落によるものと報告されています。こうした事故は職員の巡回だけでは防ぎきれないケースが多く、監視・防犯カメラによる常時モニタリングが有効です。
また、AI機能を搭載したカメラでは転倒検知や徘徊検知が可能となり、職員が気づく前に異常を通知できます。これにより、事故の早期発見や重症化防止につながり、入居者の安全確保を強化します。
介護現場では、利用者への対応や記録業務、家族との連携など職員の業務負担は大きくなっています。公益財団法人介護労働安定センターの調査では、介護職員の約4割が「利用者や家族からのクレームを受けた経験がある」と回答しています。
監視・防犯カメラの映像は、利用者や家族との間で生じるトラブル時に客観的な証拠となります。また、職員同士の引き継ぎやケア内容の確認にも活用でき、業務の効率化にも寄与します。結果として、スタッフが「安心して働ける環境」をつくる効果があります。
入居者を預けるご家族にとっても、介護施設の監視・防犯カメラは安心材料となります。厚生労働省が実施した「高齢者介護サービスに関する意識調査」では、家族の約7割が「施設に防犯カメラがあると安心できる」と回答しています。
映像によって「施設で適切に見守られている」という客観的な証明ができるため、家族の信頼性向上にもつながります。近年では、クラウド型の監視カメラを導入し、必要に応じて家族が映像を確認できる仕組みを取り入れる施設も増えています。
監視・防犯カメラの導入には、初期導入費用と月額運用費用の大きく2つのコストがかかります。介護施設では規模や必要台数、クラウド活用の有無によって費用感は変わりますが、目安を把握しておくことで予算計画を立てやすくなります。
介護施設に設置する監視・防犯カメラの初期費用は、以下が一般的です。
・カメラ本体価格:1台あたり2万円〜8万円
◦解像度(フルHD/4K)、暗視機能、AI搭載の有無によって価格が変動します。
・録画装置(NVR・DVR):5万円〜15万円程度
・設置工事費用:1台あたり2万円〜5万円
→例えば、10台導入する場合、総額で50万円〜150万円程度が目安です。
最近はクラウド型のカメラシステムが増えており、録画映像をクラウドに保存できるサービスを利用すると月額費用が発生します。
・クラウド保存費用:1台あたり月額1,000円〜3,000円
◦保存期間(7日/30日/90日)で料金が変わります。
・保守・サポート費用:施設全体で月額1万円〜3万円
→10台導入し、30日保存を選んだ場合、月額2万円〜5万円程度が相場です。
必要な場所に限定して設置(出入口、共有スペース、ナースステーションなど)
クラウド型を選び、録画装置を省くことで初期費用を削減
助成金や補助金の活用(自治体によっては防犯対策やICT導入補助がある)
リース契約やレンタル導入を利用して初期投資を抑える
特に介護施設では「入居者のプライバシー保護」と「コストのバランス」を取ることが重要です。必要以上に設置台数を増やすのではなく、利用シーンに合った最適なカメラ選定がポイントになります。
介護施設で監視・防犯カメラを効果的に運用するには、どこに設置するかが非常に重要です。入居者の安全を確保しつつ、プライバシーを侵害しないように配慮しながら、適切な設置ポイントを選びましょう。
施設の出入口は、不審者の侵入防止や入退館の記録を残すための重要な設置場所です。
・不審者の侵入検知
・出入りの把握による防犯性向上
・外部業者や訪問者とのトラブル防止
おすすめカメラ機能
・顔認証機能で訪問者を自動識別
・異常侵入を検知するとスマホに通知
・夜間対応の赤外線暗視機能
→出入口に設置することで、不審者抑止と入居者の安全確保に直結します。
廊下やラウンジなどの共有スペースは、入居者やスタッフが頻繁に行き来するため、トラブルの発生しやすい場所です。
・転倒事故や接触トラブルの記録
・介助中の様子を確認可能
・徘徊や行方不明の防止
おすすめカメラ機能
・AIによる転倒検知機能
・人体検知センサーで徘徊を即時通知
・広角レンズで広い範囲をカバー
→事故発生時の迅速対応と見守り強化に効果的です。
食堂やリビングは入居者が集まる場所であり、体調変化や事故が起こることもあります。
・食事中の誤嚥(ごえん)や急な体調不良の早期発見
・集団生活におけるトラブル対応
・家族への「見守り体制」のアピール
おすすめカメラ機能
・AIによる異常行動検知(転倒・体調変化)
・音声マイク付きでその場の状況を確認可能
・クラウド保存で家族や管理者が遠隔確認
→入居者の健康管理と安心感の向上につながります。
居室内部はプライバシーの観点から避ける必要がありますが、居室前の廊下やスタッフルームの近くは設置推奨ポイントです。
・居室からの出入りを記録
・ナースコールや緊急対応の補助
・スタッフルーム付近では業務の透明性を確保
おすすめカメラ機能
・動体検知で入居者の出入りを把握
・不審者や異常行動をAIで判別
・居室内にはカメラを置かず、プライバシーを守る設計
→プライバシーに配慮しつつ、安全性と業務効率化を実現します。
いくら台数を増やしても、死角が多ければ事故やトラブルを見逃す可能性があります。
・天井の角に設置し、広角でカバー
・AIカメラを活用し、人の動きを自動追尾
・プライバシーを侵害しないよう居室内は避ける
おすすめカメラ機能
・360°カメラで死角ゼロの監視
・AI追尾機能で対象人物を自動追跡
・プライバシーマスク機能で不要なエリアは映さない
→安全とプライバシー保護の両立がポイントです。
以上、まとめると、介護施設では「出入口」「共有スペース」「居室前」が主な設置ポイントであり、死角をなくす設置計画とAI機能の活用が効果的です。
介護施設に監視・防犯カメラを導入することは、防犯対策にとどまらず、入居者の安全やスタッフの業務効率化にも直結します。ここでは、主なメリットを4つに分けて解説します。
介護施設では、常に入居者の安全を見守りつつ、食事・入浴・レクリエーションなど多岐にわたる業務を担うため、スタッフの負担は大きくなりがちです。監視・防犯カメラを導入することで、常時巡回や目視による確認を減らし、業務効率化を図れるというメリットがあります。
AIカメラなら転倒や徘徊を自動検知し、スタッフのスマホへリアルタイムで通知するため、必要なときに迅速な対応が可能になります。その結果、限られた人員でも効率的に入居者を見守れる体制を整えられるのです。
また、カメラ映像を共有すれば、夜勤など人員が少ない時間帯でも安心して対応でき、スタッフの心理的負担も軽減できます。これにより、働きやすい職場づくりや離職防止にもつながります。
カメラの存在自体が、不審者の侵入や盗難、入居者同士のトラブルを未然に防ぐ効果を発揮します。
・不審者に対する強力な抑止効果
・入居者やスタッフの安心感向上
・不適切な対応や虐待リスクの防止
→実際、警察庁の調査でも「防犯カメラの設置エリアは犯罪発生率が約3割減少した」というデータが報告されています。
監視・防犯カメラは「見守り機能」としても大きな役割を果たします。
・転倒や体調異変を早期に発見
・誤嚥や事故の際に迅速対応が可能
・AIカメラなら自動検知・通知でスタッフの負担を軽減
→特に高齢者施設では、夜間や少人数シフト時の安全確保に大きな力を発揮します。
介護施設では、入居者や家族とのトラブルが避けられないこともあります。監視カメラの映像は、客観的な証拠として活用できます。
・入居者同士のトラブル解決
・家族からのクレーム対応の裏付け
・スタッフを守るための証拠確保
→映像記録があることで、不当なクレームや誤解の防止にもつながります。
監視・防犯カメラはスタッフに「監視されている圧力」を与えるものではなく、むしろ業務を支える存在になります。
・異常発生時に他スタッフがすぐ駆けつけられる
・記録を基に業務改善ができる
・「見守り体制がある」という安心感で精神的負担が軽減
→結果として、働きやすい職場環境づくりにも貢献します。
監視・防犯カメラの導入は「事件・事故の抑止」「入居者見守り」「証拠記録」「スタッフの業務効率化」という4つの大きな効果をもたらします。
介護施設に監視・防犯カメラを設置することには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。導入前にしっかり把握し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
介護施設は入居者の「生活の場」であり、過度な監視はプライバシー侵害につながる可能性があります。
・居室や浴室、トイレといったプライベート空間への設置は厳禁
・設置エリアを「共用部」「安全確保が必要な場所」に限定することが重要
・プライバシーマスク機能を活用し、必要な範囲だけを映す工夫も有効
→利用者や家族への十分な説明と、プライバシー尊重の姿勢が不可欠です。
監視・防犯カメラの導入には、初期費用や月額運用費が発生します。
・カメラ本体や設置工事費で数十万円〜数百万円
・録画保存やクラウド利用で月額費用が発生
・長期的には保守・機器交換コストも必要
→ただし、クラウド型AIカメラの活用やリース契約を利用すれば初期投資を抑えられます。
監視カメラは「見守り」のためであっても、入居者やスタッフに「監視されている」という心理的負担を与える可能性があります。
・カメラの設置目的を明確に伝える
・職員説明会や家族への同意書を用意して誤解を防ぐ
・「スタッフを守るため」「入居者を安全に見守るため」という意図を共有する
→安心のためのカメラ設置であることを丁寧に説明することで、信頼関係を保てます。
まとめると、監視・防犯カメラは「プライバシー」「コスト」「心理的影響」に配慮することが必要です。これらのデメリットを理解した上で、適切な運用ルールを整備すれば、安心・安全な介護環境を実現できます。
介護施設におけるカメラは、従来の「防犯・監視」目的に加え、入居者の安全を守る「見守り機能」が進化しています。最新のAIカメラは、事故防止や業務効率化をサポートするツールとして注目されています。ここでは、代表的な機能を紹介します。
見守りAIカメラで室内での転倒やベッドから離れようとしている、ベッドから離れたことを検知し管理画面や、スマホへアラートで通知します。
夜間のみベッドから離れたら通知、転倒検知は全時間帯に設定しておくなど、アラートのスケジュール設定が可能です。
従来の目視巡回だけでは見逃してしまう状況でも、リアルタイムに通知されるため、迅速な対応が可能になります。
認知症の方による徘徊は、重大な事故につながるリスクがあります。
AIカメラは「特定エリアへの侵入」や「外出しようとする動き」を検知し、アラートを出すことができます。夜間やスタッフが少ない時間帯でも安全を確保できる点が大きなメリットです。
顔認識により、個人ごとの設定に応じたアラートをリアルタイムで発報、夜間でも赤外線により、顔の認識が可能。認知症の方の徘徊や離室を映像で確認が可能です。
防水性が高いカメラであれば、駐車場やフェンス周辺の監視にも対応。トラブル発生時のエビデンスにも利用可能です。
検知した異常は、スマートフォンやPCに即座に通知されます。
通話アプリを利用することによりトランシーバーやPHSの代わりに、複数人でリアルタイに音声通話や情報共有。離れた場所にいる職員とも、連携体制を強化できます。
これにより、迅速な対応と同時に、安心感の提供も可能になり、スタッフの心理的負担も軽減され離職率の低下にもつながります。
VALTECのAIカメラは、介護施設の現場に特化した機能を搭載しています。
・転倒検知・徘徊検知などの見守り機能
・不審者侵入検知や禁止エリア監視といった防犯機能
・スマホ着信通知による即時アラート(日本唯一の仕組み)を備え、入居者の安全と職員の業務効率を両立します。
導入実績も多く、セキュリティとケアの両面をサポートできる点が評価されています。
VD087SP-G
夜間の少ない光量でも鮮明なカラー画像で撮影。
屋外も設置が可能な取り付けやすいドーム型
VD070SJ-G
赤外線距離30~50m。広いスペースの夜間監視に最適なAIカメラ。ラインクロス、侵入検知機能。
VD063WA
360度レンズで広い範囲を監視。群衆密度検出、侵入検知、人数カウント、ヒートマップ機能
介護施設における監視・防犯カメラは、今や「防犯対策」にとどまらず、入居者の安全を守り、スタッフの業務を支え、家族に安心を提供する重要な役割を担っています。
設置場所の工夫や最新機能の活用によって、転倒や徘徊といった事故の予防から、クレーム対応の証拠確保まで幅広く効果を発揮します。一方で、プライバシーへの配慮や導入コストといった課題も存在するため、事前の検討と適切な製品選びが欠かせません。
VALTECのAIカメラは、介護現場に必要とされる「見守り」と「防犯」の両方を兼ね備え、異常を検知するとスマホへ即時通知する独自機能を搭載しています。限られたスタッフ体制でも、入居者の安全と安心を高める強力なパートナーとなるでしょう。
介護施設の安心・安全を守るために、監視・防犯カメラの導入は「選択肢」ではなく「必須の備え」と言えます。これからの施設運営において、最適なカメラ活用を検討してみてください。
VALTECは、監視・防犯カメラだけでなく、面会予約・ショートステイ予約システムなど介護業のDX化をサポートします。