【2026年版】熱中症対策義務化と補助金、対象についてわかりやすく解説|2025年6月1日施行 改正労働安全衛生規則

2025年6月12日

 熱中症対策義務化

2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、企業における熱中症対策が罰則付きで義務化されました。 これにより、従業員の安全と健康を守るため、企業は具体的な対策を講じることが義務となっています。

熱中症対策義務化の内容と補助金一覧をまとめた資料はこちらからダウンロードしていただけます。
「熱中症対策義務化対策・補助金資料」を受け取る

この記事を読むとこんなことがわかります

  • 2025年6月から施行された熱中症対策義務化の全貌: なぜ義務化されたのか、従来の「努力義務」との違い、そして企業に求められる具体的な対応がわかります。
  • 義務化の具体的な内容と対象: WBGT値の活用や熱中症特別警戒情報・警戒情報発表時の対応、そして義務化の対象となる作業環境の基準が理解できます。
  • 企業が講じるべき具体的な熱中症対策7つの柱: 作業環境管理、作業管理、健康管理、服装・個人用冷却具、緊急時対応計画、情報提供と周知徹底、管理体制の構築といった多角的なアプローチを学べます。
  • 義務化対応へのロードマップ: 何に着手すべきか、段階的な準備プロセスが明確になります。
  • 2026年 熱中症対策に活用可能な主な補助金: 熱中症対策の義務化に伴い、企業が活用できる主な補助金制度を紹介します。
  • 熱中症対策に関するよくある疑問とその回答: 「全ての企業が対象か」「違反時の罰則は」「テレワーク中の社員は」といった実務上の疑問が解決できます。
【2025年6月1日施行 熱中症対策義務化】徹底解説と具体的対策・補助金情報 動画

熱中症対策義務化の背景

近年、気候変動の影響により、夏季の気温上昇が顕著になり、職場での熱中症による労働災害が増加しています。 厚生労働省のデータによると、2024年には全国で1,257人が熱中症で労働災害と認定され(死傷者数として統計を取り始めた2005年以降で過去最多)、そのうち31名が死亡しています。
これまでの「努力義務」では対策が徹底されないケースも多く、従業員の安全確保には限界がありました。
そこで政府は、予防策を明確に義務化し、違反時には罰則を設けることで、すべての企業に確実な対応を求める方針に転換しました。2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、この義務化が現行法として定着しています。

2025年6月施行!熱中症対策義務化であなたの会社は何が変わる
  • 地球温暖化による猛暑の常態化 気候変動の影響で、これまで経験したことのないような高温が頻繁に発生。
  • 労働現場での熱中症事故の増加 屋外作業だけでなく、工場や倉庫、オフィスなど屋内でも熱中症による健康被害が発生。
  • 「努力義務」の限界 これまでの「努力義務」だけでは、必ずしも十分な対策が講じられていなかった現状。
  • 労働者の安全と健康確保の重要性 企業にとって、労働者の生命と健康を守ることは最も基本的な責任であるという認識の高まり。

この義務化の目的は、単に罰則を設けることではありません。企業が能動的に熱中症のリスクを評価し、具体的な予防策を講じることで、労働者が安心して働ける環境を整備し、熱中症による健康被害や死亡事故をゼロにすることを目指しています。

義務化の対象となる作業

義務化の対象となるのは、作業環境が「高温状態」にある職場です。
具体的には、暑さ指数(WBGT値)が28度以上、または気温が31度以上の環境で、連続して1時間以上、もしくは1日4時間超えて作業を行うケースが該当します。
これには、建設現場、製造業、農業、物流業など、屋外や高温多湿な環境での作業が含まれます。
「暑さ指数(WBGT)」は、熱中症の危険度を示す指標として国際的に用いられています。気温、湿度、輻射熱(地面や建物からの熱)を取り入れた総合的な指標であり、より実態に即した熱中症リスクを評価できます。
改正規則により、事業者はWBGT値を測定し、その値に応じた措置を講じることが義務付けられています。具体的には、WBGT値が一定基準を超えた場合、作業の中止、休憩時間の延長、作業時間の短縮などの措置が必要となります。
熱中症対策を効果的に進めるためには、明確な管理体制が不可欠です。事業者は、熱中症対策の責任者を指名し、従業員への周知、教育訓練の実施、対策の実施状況の確認などを適切に行う体制を整備することが義務付けられています。

違反時の罰則

企業が熱中症対策義務を怠った場合、法人や代表者らに6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、熱中症対策義務化の対象作業に該当しない業務においても、作業強度や着衣の状況等によっては、熱中症のリスクが高まるため、上記に準じた対応が望ましいとされています。

企業に求められる具体的な対策

1. 報告体制の整備と周知

企業は、従業員が熱中症の初期症状を訴えた際、迅速に社内で共有・報告できる体制を整備することが求められます。具体的には、作業中の異常をすぐに伝えられる連絡体制(例:専用の連絡アプリや当番制度)や、報告を受けた管理者が対応できるマニュアルの整備、体調異常時の一時退避や救急対応の明確化などが必要です。

2. 熱中症悪化防止措置の準備と周知

熱中症が疑われる症状が出た場合の「重篤化を防ぐための対応手順」の策定と周知も義務となります。これは、倒れた従業員への初期対応や救急要請の流れを事前にマニュアル化し、現場で誰もが迅速に対応できる体制を整えることを意味します。

3. 作業環境の管理

作業環境の温度や湿度を適切に把握し、必要な予防措置を講じることが求められます。具体的には、WBGT値の定期的な測定や、冷房設備の設置、通風の確保、作業時間の短縮、休憩時間の確保などが含まれます。

4. 従業員への教育と周知

従業員に対して熱中症の危険性や対応策についての教育・周知を行うことが求められます。
具体的な教育内容には、熱中症の症状とその見分け方、水分補給のタイミングと方法、熱中症予防グッズの使用方法、作業者同士の声かけと見守りなどが含まれます。
最近ではeラーニングや動画教材を使った教育方法も普及しており、社員が自分のペースで学べる環境も整いつつあります。

今から始める!義務化対応へのロードマップ

現状把握とリスクアセスメントの実施:

自社の作業環境(屋内・屋外、空調状況など)を詳細に把握。
過去の熱中症発生事例を振り返り、リスク要因を特定。
WBGT計を導入し、定期的な測定を開始・継続。
リスクアセスメントの専門家やコンサルタントに相談することも検討。

対策の具体化と予算確保:

特定したリスクに対して、どの対策を講じるか具体的に決定。
必要な設備投資(空調、換気扇、WBGT計、冷却グッズなど)の予算を確保。
補助金や助成金制度の活用も検討(例:業務改善助成金、人材開発支援助成金など、各自治体や省庁が提供する制度)。

社内体制の整備と責任者の選任:

熱中症対策の責任者を指名し、役割と権限を明確化。
従業員への情報共有、教育訓練の実施計画を策定。

従業員への周知と教育:

義務化の内容と自社の対策について、全従業員に説明会や研修を実施。
熱中症予防に関する資料を配布し、理解を深める。

継続的な運用と改善:

毎夏シーズン前に対策を見直し、前年の課題を洗い出す。
従業員からのフィードバックを収集し、対策を継続的に改善する。

2026年 熱中症対策に活用可能な主な補助金一覧

国の主な補助金・助成金

エイジフレンドリー補助金(熱中症対策コース)(厚生労働省)

  • 対象:60歳以上の高年齢労働者が常時1名以上就労している中小企業事業者
  • 補助対象:
    屋外作業等における効率的な身体冷却を行う機器(排熱可能なスポットクーラー、ファン付き作業服、専用冷凍ストッカーなど)
    ウェアラブル機器を用いた健康管理システムの導入費用
  • 補助率:1/2
  • 上限額:100万円(消費税除く)
  • 申請期間:2026年5月20日~10月31日(予算に達し次第終了)※現在受付中
  • 詳細:エイジフレンドリー補助金(厚生労働省)

業務改善助成金(厚生労働省)

  • 対象:事業場内最低賃金を一定額(50円以上など)引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行う中小企業・小規模事業者
  • 補助率:最大9/10
  • 上限額:最大600万円(賃金引き上げ額や労働者数等により変動)
  • 対象経費:
    「生産性向上に資する設備投資等」が対象であり、冷房設備や空調服などの熱中症対策設備が条件次第で対象となり得ます。個別の可否については、申請前に必ず管轄の労働局へご確認ください。
  • 申請期間:2026年9月1日より交付申請受付開始予定
  • 詳細:業務改善助成金(厚生労働省)

働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)

  • 対象:労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進などの環境整備に取り組む中小企業事業主
  • 補助率:原則3/4(条件を満たすと4/5)
  • 上限額:コースごとに異なります。例えば「労働時間短縮・年休促進支援コース」は基本上限が最大200万円で、一定要件を満たした場合の加算上限が最大720万円です。詳細は各コースの公式案内をご確認ください。
  • 対象経費:
    「労働能率の増進に資する設備・機器等」が対象であり、空調・換気設備などが条件次第で対象となり得ます。個別の可否については、申請前に必ず管轄の労働局へご確認ください。
  • 詳細:働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)

省エネルギー投資促進支援事業(経済産業省・SII)

  • 対象:省エネ性能の高い指定設備へ更新する法人・個人事業主等(全業種)
  • 補助率:1/3以内
  • 上限額:1億円(下限30万円)
  • 対象経費:
    高効率空調などの導入(熱中症対策とエネルギーコスト削減を両立)
  • 詳細:省エネルギー投資促進支援事業(経済産業省)

業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ事業)(環境省)

  • 対象:既存の業務用建築物においてZEB基準水準の省エネ性能を実現する改修を行う民間企業など
  • 補助率:高効率空調等は1/3
  • 上限額:1事業あたり10億円
  • 対象経費:
    高効率空調・断熱窓・断熱材などの導入

自治体の主な補助金・助成金(例)

自治体ごとに業種や対象者を絞った独自の補助金が多数設けられています。以下は代表的な例です。詳細・要件は各自治体の公式窓口でご確認ください。

  • 【東京都】暑さに配慮した職場環境づくり支援奨励金:都内小規模企業者を対象に、熱中症予防対策物品の購入などに定額20万円を補助。なお、採択は先着ではなく抽選方式です。
  • 【東京都墨田区】墨田区人材確保・定着支援補助金(熱中症対策):就業規則の整備とセットで熱中症対策設備(スポットクーラーやファン付き作業服など)を導入する制度で、熱中症対策部分は2/3・上限30万円を補助。就業規則整備部分(1/2・上限10万円)も一連で必要です。
  • 【大阪府】中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金:既存空調機を高効率空調機へ更新する費用に対し、1/2以内(上限500万円、下限20万円)を補助。申請には脱炭素経営宣言が必要です。
  • 【神奈川県横須賀市】建設業熱中症対策補助金:市内の建設事業者を対象に、ファン付きウェアやスポットクーラーの導入に対し、1/2(上限10万円)を補助。市の競争入札有資格者名簿への登録などの条件があります。
  • 【佐賀県佐賀市】職場の熱中症対策支援補助金:市内中小企業者を対象に、スポットクーラーやWBGT計測器・空調服等の導入に対し、1/2以内を補助。上限額は常時使用する従業員が1名以上いる場合は20万円、従業員なしの場合は10万円です。

補助金活用のポイント
事前申請が必須:多くの補助金・助成金は、機器の購入や工事の発注を行う「前」に交付申請・承認を受ける必要があります。先に購入してしまうと補助対象外となるケースが多いため、導入前に必ず各制度の公式ページや窓口で最新情報と申請手順をご確認ください。
早期申請:予算に達し次第、受付が終了する場合があります。早めの申請をおすすめします。
要件確認:各補助金には対象となる事業者や経費の要件があります。申請前に詳細を確認しましょう。
専門家への相談:申請手続きや必要書類の準備に不安がある場合は、専門家に相談することを検討してください。
これらの補助金制度を活用することで、熱中症対策にかかる費用の負担を軽減し、従業員の安全と健康を守る職場環境の整備が可能となります。
詳細な申請方法や最新情報については、各補助金の公式サイトや管轄省庁の窓口でご確認ください。

よくある疑問Q&A

Q1:全ての企業が対象ですか?
A1:はい、労働安全衛生法が適用される全ての事業者が対象となります。業種や企業規模に関わらず、熱中症のリスクがある場合は対策が義務付けられています。

Q2:違反した場合、罰則はありますか?
A2:労働安全衛生法に基づく義務に違反した場合、労働基準監督署による指導や是正勧告が行われる可能性があります。悪質な場合は罰金や事業停止命令などの罰則が科される可能性もあります。何よりも、従業員の健康と安全を損なうという社会的責任が問われます。

Q3:テレワーク中の社員への熱中症対策は必要ですか?
A3:テレワーク中の社員についても、事業者は安全配慮義務を負います。在宅環境の熱中症リスクについて情報提供を行い、必要に応じて注意喚起や休憩の促し、空調設備の利用推奨などを行うことが望ましいです。ただし、家庭内の環境に対する直接的な管理は難しい側面もあるため、適切な情報提供と自己管理の促進が中心となります。

Q4:補助金や助成金はありますか?
A4:はい、熱中症対策に関する補助金や助成金は、厚生労働省や各自治体で実施されている場合があります。例えば、エイジフレンドリー補助金(熱中症対策コース)や働き方改革推進支援助成金、各自治体の熱中症対策補助金などが該当する場合があります。最新の情報は、厚生労働省や各自治体のウェブサイト、または労働局にご確認ください。

熱中症対策グッズ

熱中症対策グッズ
暑さ、熱中症対策には体を効率的に冷やすことのできる熱中症対策グッズを紹介します。
野外作業だけでなく、オフィス、イベント、フェスなど名入れノベルティとして配布もできます。
熱中症対策ノベルティグッズについてはこちらもご覧ください。

熱中症を発見、すぐに連絡 インカムアプリ

熱中症対策インカムアプリ
インカムアプリを使うことで熱中症の気配がある作業員を発見し、すぐに関係者へ一斉連絡することができます。スマートフォンがインカムになるため、Wifi、4Gといったインターネット環境があればどこでも連絡が可能です。
インカムアプリについてはこちらもご覧ください。

熱中症対策ができるAIカメラ

  • 熱中症対策AIカメラ
  • AIセキュリティシステム着信アラート

熱中症になってしまった、もしくはその気配のある作業員を発見したら、ウェアラブルカメラや一人作業現場にカメラを設置することでいち早く報告、また映像を映しながら適切な処置を仰ぐこともできます。
熱中症対策
インカムアプリと連携して、カメラからアラートが上がったら、すぐに関係者へ一斉連絡することも可能です。
熱中症を発見、素早く周知できるAIカメラはこちらもご覧ください。

まとめ

2025年6月1日に施行された熱中症対策義務化は、企業にとって重要な法改正です。
従業員の安全と健康を守るため、報告体制の整備、悪化防止措置の準備、作業環境の管理、従業員への教育と周知など、具体的な対策を継続的に実施することが求められます。違反時には罰則も科されるため、未対応の企業は早急な対応が必要です。
企業は、これらの対策を通じて、安全で快適な職場環境の実現を目指しましょう。


投稿日: 2025年06月12日、タグ: , ,
カテゴリー: #aiカメラ
熱中症対策グッズ・カメラ
熱中症対策グッズ・カメラ
運営:株式会社バルテック
特徴1
ボディカメラで熱中症を早期発見
特徴2
現場証拠記録・労災・トラブル対策
特徴3
どこでもリアルタイム配信・録画
特徴4
現場の安全管理や遠隔臨場にも
#【2026年版】熱中症対策義務化と補助金、対象についてわかりやすく解説|2025年6月1日施行 改正労働安全衛生規則