学校の防犯カメラ設置導入ガイド|目的・設置場所・選び方徹底解説

2025年6月2日

今、学校に防犯カメラが求められる理由

近年、学校への不審者侵入事件が増えています。2025年5月東京都立川市の小学校に男が侵入し教職員が負傷する事件や、同4月に茨城県の古河市の小学校に不審者が侵入する事件がありました。

また、文部科学省のデータによると、認知された「いじめの件数」も2024年度が約73万件と過去最高となっています。

学校内でのこれらの問題や、事件事故防止のために必要なのが防犯カメラです。現在では、映像を記録するだけでなく、異常発生時に通知する機能も搭載されており、事件や事故を未然に防ぐ効果が期待されています。

さらに、生徒間や教員とのトラブル・器物破損の発生時に、監視カメラの映像は証拠になります。

政府は、2025年度まで防犯カメラ・オートロックシステム等の導入支援を強化しています。補助率は1/3から1/2へ、補助の下限額は400万円から100万円に引き下げられています。 導入を検討するなら、今この時期がおすすめです。

(文部科学省「不審者の学校侵入防止対策の強化について」:https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2023/20230317.html

学校における防犯カメラの主な導入目的

防犯カメラを設置する最大の目的の一つは、「不審者を寄せ付けない」ことです。

カメラがあるだけで、「常に監視されている」という心理的プレッシャーを与えることができます。下見に訪れた不審者が、防犯カメラの存在を確認して犯罪行為を断念するケースも少なくありません。

警察庁の犯罪統計資料によると、2024年の学校荒らし(学校に侵入しての窃盗)の認知件数は324件でした。

(引用元:警察庁 犯罪統計

これは、1日あたりほぼ1件の割合で発生しています。防犯カメラの設置により、不審者や犯罪者の侵入を未然に防ぐことができます。

従来の監視カメラは、モニターに監視者を置くか、事案発覚後に録画を見返す必要がありました。しかし、最新のカメラは不審な行動をリアルタイムで検知・通報可能です。

不審な人物の動きを自動で検知し、警告音を鳴らす・通報するなどのリアルタイム対応が可能です。年末年始の冬休みや夏休み、夜間など教職員が不在となるタイミングでも、24時間365日体制で学校を見守ることができます。早期に異変に気づくことで、警察への連絡や初動対応も迅速に行えます。そのため、異常を検知可能なカメラが主流になりつつあります。

防犯カメラは、外部からの侵入だけでなく、校内での事故やトラブルの早期発見にも役立ちます。熱中症や転倒を検知することができるカメラであれば、教職員の目が届かない場所でも異常を即座に察知することが可能です。校舎裏や屋上といった死角となりやすいエリアや昼休みや放課後であっても、子どもたちの異変を見逃しません。

特に、近年の猛暑による熱中症リスクは深刻です。教員不足が深刻な昨今、防犯カメラは、児童生徒を見守ってくれる新たな存在になります

異常検知時にスマホに着信

校内での暴力やトラブル、窃盗が発生した際にも、防犯カメラの録画は証拠となり、問題の早期解決が可能になります。小・中・高等学校及び特別支援学校でのいじめや暴力行為の認知件数は増加傾向にあります。文部科学省の調査によると、2013年度には185,803件だったいじめの認知件数が、2018年度は543,933件、2023年度には732,568件、と近年急激に増加しています。
(引用元:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

このような状況下において、防犯カメラは、問題発生を防ぐだけでなく、その後の解決の場面でも活躍します。

つまり、学校に防犯カメラを設置することで、外部からの侵入や校内でのトラブルから児童生徒を守ることができます。それにより、保護者の安心にもつながります。

では、具体的にどこにカメラを設置すると効果的なのでしょうか?

防犯カメラの設置場所と活用事例

・正門・通用口
人が最も通る校門と、人目に付きづらい通用口にカメラを置くことで、不審者の侵入に素早く気づくことができます。
また、カメラをわかりやすい位置に設置することで侵入を思いとどまらせることも可能となります。

正門・通用口

・校舎内(廊下、階段、職員室前など)
廊下や階段などの、通路口にカメラを置くことで侵入者の現在地やルート把握ができます。それにより、事故などが起きた時にも対処が可能です。普段、児童・生徒が多く利用する場所のため、圧迫感のないカメラがおすすめです。
また職員室前に置くことで、重要情報の持ち出しなどのリスクにも対応できます。
ラインクロス機能(あらかじめ指定したラインを通過した人や物を検知できる機能 )を活用すれば、児童・生徒が立ち入り禁止区域、危険区域に立ち入ることを防止できます。

校舎内(廊下、階段、職員室前など)

・体育館、グラウンド
運動をする場面が多く、事故も発生しやすい箇所であるため、カメラが高い重要性を持ちます。
体育館などの屋内では360度広い視野を持つことができるドーム型のカメラがおすすめです。グラウンドなどでは、破損の恐れもあるため屋外用の耐久性の高いものが推奨されます。

体育館、グラウンド

・駐輪場・ロッカー
盗難や物品を隠す、自転車のパンク等の事案が発生しやすい場所です。ここには、分かりやすいタイプのカメラの設置が抑止力となります。

駐輪場・ロッカー

・部室・プール
不審者による無断利用や、盗撮用のカメラが設置されるケースがあります。
設置にあたっては、生徒のプライバシーに十分配慮しましょう。

部室・プール

設置にあたっての法律・プライバシーの注意点

防犯カメラの設置時には個人情報保護の観点から プライバシーへの配慮が欠かせません。個人情報保護委員会のガイドラインに則って設置場所や運用方法を検討する必要があります。

防犯カメラで撮影された映像の中でも、個人を特定できるものは個人情報になります。そのため録画データの保存期間も、法律や各自治体の規定に従って決める必要があります。

データの取り扱いについては、アクセス権限は管理職(校長や教頭)に限定して流出リスクを軽減したり、録画データの定期的な削除を行ったりする、といった対策が考えられます。

また、防犯カメラ導入時や説明会で、防犯カメラの設置と目的、プライバシー保護の取り組みについて説明することも必要です。

学校におすすめの防犯カメラの種類と特徴

形状

①ドーム型のカメラ
・屋内利用
・景観を損ないにくいデザイン
・360度レンズにより広い範囲のカバーが可能
・カメラがカバーでおおわれているため、破損にも強い

VD087SP-G
屋外対応ドーム型
VD087SP-G

②ボックス型のカメラ
・屋内外両方に対応
・存在感があり、「監視している」ことをアピールできるため、抑止力が期待できる
※廊下や教室に設置した際、生徒に圧迫感を与えてしまう恐れがある

VT101KV-W
屋外対応ボックス型
VT101KV-W

映像の保存方法

レコーダー型 クラウド型
録画の保存方法 レコーダーを設置するタイプ。カメラ本体に組み込まれている場合もある。 インターネット経由でクラウドに映像を保存する
(録画機器が不要)
動作の安定性 インターネット環境に依存
セキュリティ 外部のネットワークと接続しないため、漏洩のリスクが低い 外部からの不正アクセスの恐れがある
その他 保存容量の拡張やバックアップに手間がかかる場合がある スマホやPCから録画映像を確認可能

最新機能紹介

最新のカメラでは、AIによって幅広い機能を搭載しているものもあります。

顔認識:映像から顔を識別し、個人を特定することができます。
(不審者検知、自動ゲートなど) 。

顔認識

人物検知:人そのものを認識して検知します。
(立ち入り禁止区域や夜間に人が侵入した際にアラート)

人物検知

車両ナンバー認識:車両のナンバープレートを自動的に読み取りデータ化
(駐車場管理・不審者対策など)

車両ナンバー認識

防犯カメラ導入のステップと業者選びのコツ

防犯カメラ導入のステップは以下の通りです。

  • ①ご相談
    課題・状況のヒアリング
  • ご相談
  • ②システム・カメラ選定
    環境や目的にあったカメラを選定
  • システム・カメラ選定
  • ③お見積り
    AIカメラやシステムなどお見積り提出
  • お見積り
  • ④設置工事
    現地調査から設置、配線、システムテストなど
  • 設置工事
  • ⑤保守
    システム保守、メンテナンス、サポート
  • 保守

防犯カメラは本体だけでなく、モニターやNVR(録画装置)等の周辺機器や設置工事も必要です。そのため、設置前の現地調査や機器の販売、設置工事、保守まで考えなければなりません。また、学内のネットワーク環境が脆弱だと、接続やデータ閲覧に支障が発生する恐れもあります。悪意のある第三者による不正利用を防ぐために、セキュリティも重要です。

これらを一元化して導入できるサービスを選ぶことも、コストや手間の削減につながります。

さらに、不審者事案発生時の対応体制も重要です。警備会社が駆けつけるタイプだけでなく、最新のカメラの中にはアラートや通知機能により、24時間365日即座に対応可能なものもあります。

導入する際の企業を見るポイントとしては、
・教育施設への導入実績
・カメラの機能が要望を十分に満たしているか
・プライバシーへの配慮がきちんと考えられているか
・初期費用・ランニングコストは予算内か
・サポート体制が整っているのか
・現地調査を行い、状況に寄り添った提案をしてくれるか
これらが挙げられます。

まとめ:安全な学びの場を守るために今できること

学校内にカメラを導入することのメリットは、
・不審者の侵入対策
・児童・生徒の安全管理
・校内でのトラブル対応・証拠としての役割

文部科学省の調査によると、防犯カメラを設置している学校は64,6%となっています。
(文部科学省「学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査」)

増加傾向にあるとはいえ、十分に行き届いているとは言えない状況です。

学校への不審者侵入事案により、世間の防犯意識が高まっている今だからこそ導入を考えてみてはいかがでしょうか。

すでに防犯カメラを設置している場合でも、管理や運用の見直しや、より高機能なカメラで対応の幅を広げることができます。

学校の防犯カメラはバルテックにおまかせ!

バルテックでは、学校向けの防犯カメラを取り扱っております。防犯のみでなく、様々な用途に対応しています。

こちらが運用のイメージ図です。

学校AIセキュるティシステム運用イメージ図

中央のサーバーにAI機能を搭載しており、カメラの映像を解析、通知やアラートを行います。
以下の用途でご利用いただけます。

①顔認証により部外者を検知

あらかじめ生徒、職員、保護者の顔写真を登録しておくことで、登録のない人物がカメラに映った場合、アラートを出して画像の撮影が可能です。

②ブラックリストの人物を検知

ブラックリストに登録された人物の顔を認識すると、アラートで職員のスマホや警備会社に通知を送ることができます。

③不審な人物を検知

指定した時間(10分)などを超えて滞在し続けた場合、アラートで通知することができます。

④送迎バスでの子供置き去り防止

バス車内での置き去りを検知するとアラートで管理者等に通知します。
運転手のわき見運転、居眠り運転も検知し通知が可能です。

⑤転倒検知

転倒を検知すると、担当者に通知します。児童の転倒にも対応できます。

防犯カメラや、NVRなどの必要な機材をまとめて手配することができ、選定から配線までお任せいただけます。また状況に合わせて開発も行っておりますので、まずはご相談ください。

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カテゴリー: #aiカメラ
一人作業の熱中症対策に!
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運営:株式会社バルテック
特徴1
転倒、煙(火災)、不審者などをAIが検知
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特徴4
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特徴5
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