2025年10月14日
製造ラインやインフラ設備などの安定稼働を守るうえで欠かせない「稼働監視」。
これまでは点検員による巡回や、センサー・メーターによるデータ監視が中心でしたが、最近では映像による「見える化」を取り入れる企業が急増しています。
背景には、現場の省人化・高齢化が進む中で「遠隔から状況を把握したい」「トラブル時に原因をすぐ特定したい」というニーズの高まりがあります。
特にIoT用の監視カメラを活用すれば、設備の稼働状況や作業者の安全をリアルタイムで確認・共有でき、異常の早期発見と初動対応のスピード化が可能です。
今回は、稼働監視カメラで注目されている以下の3機種を比較しました。
・バルテック ウェアラブルIOTカメラ
・Safie Pocket2(セーフィー)
・巡回点検楽スルー
比較ポイントをわかりやすく表にしましたので、現場の効率化と安全管理を両立したい方は、ぜひ参考にしてください。
比較項目 | バルテック ウェアラブルIOTカメラ |
Safie Pocket2 | 巡回点検楽スルー |
---|---|---|---|
リアルタイム監視/通報 | 異常発生時に 通話・映像を即時共有が可能。作業者視点で現場状況を送信できる。 | クラウドライブ映像+モーション検知。遠隔から現場映像を確認可能。 | 定時撮影方式。リアルタイム通知は基本なし。 |
作業者+機器の同時監視 | 作業者が装着して「作業手順」「危険エリア立入」など人的要素の管理も可能。AI顔認証・勤怠連携あり。 | 作業者が装着しても使えるが、通話連携などは限定的。 | 固定設置。機器稼働だけが対象。無人監視のシステム。 |
異常時の情報共有(初動対応) | 通話+映像を同時送信でき、現場から管理室・各関係担当者へ即同時連絡が可能。 | 映像共有・通話ありだが、音声品質やネット遅延の影響あり | 自動撮影データを後で見る形式。リアルタイム共有は不可。 |
安全管理・証跡記録 | 顔認証打刻・映像記録・通話ログを一元管理。監視者の操作を明確化できる。 | 映像はクラウド保存されるが、作業者識別までは難しい。 | 撮影画像で装置の状態は追えるが、人の行動までは把握不可。 |
耐環境性(工場・屋外対応) | IP68 防塵防水+高耐久設計(粉塵・油煙・湿気環境でも稼働)。 | IP67 屋外現場で使用実績あり。 | IP65 軽雨対応。長期屋外や粉塵環境には不向き。 |
通信方式 | 4G LTE / Wi-Fi | 4G LTE | 4G LTE / Bluetooth |
音声録音 | ○ | ○ | ○ |
リアルタイム視聴 | ○ | ○ | ○ |
GPS機能 | ○ | ○ | × |
通話 | ○ | ○ | × |
インカム利用 | ○ | × | × |
顔認証勤怠 | ○ | × | × |
価格帯 | 要問い合わせ(レンタル・買切り) | 要問い合わせ(レンタル) | 48,000円/年〜(レンタル) |
詳細HP | バルテック ウェアラブルIOTカメラ | Safie Pocket2(セーフィー) | 巡回点検楽スルー |
これまで設備の稼働監視は、人による定期点検や計測データの記録で行われてきました。しかし現場の省人化が進む今、「目視による確認」を補完する仕組みとして監視カメラの役割が高まっています。
具体的に見ていきましょう
監視カメラを設置することで、現場に行かなくても設備の稼働状態をリアルタイムで確認できます。
生産ラインの停止や異常が発生した際、現場映像から原因を即座に把握できるため、初動対応の迅速化とダウンタイムの最小化が可能です。
設備トラブルは、再発防止のための分析が重要です。カメラ映像を記録しておけば、異常発生前後の状況を正確に再現でき、人的ミス・機器故障・外的要因などの切り分けに役立ちます。教育やマニュアル改善にも活用できる点が強みです。
稼働監視カメラは設備だけでなく、作業員の動線や安全確保にも効果を発揮します。転倒や誤操作などの危険を早期に察知し、「人+設備」の両面から安全管理を強化できます。遠隔地からの確認や、複数現場の同時監視も容易です。
設備の稼働監視におけるカメラ導入は、単なる「映像記録」ではなく、現場の判断スピードを高める経営判断ツールへと進化しています。
遠隔監視によってトラブルの早期発見ができるだけでなく、映像データを活用することで、作業プロセスの改善や再発防止、教育効率の向上にもつながります。
また、AI解析やIoT連携機能を持つカメラを選ぶことで、「機器の稼働」と「作業者の安全」を同時に見守る体制が構築可能です。
特に現場が分散している製造・保守・インフラ業では、こうしたスマート監視が今後のスタンダードになるでしょう。
映像による“見える化”が、現場の課題解決と業務効率化の第一歩。
自社の設備環境や監視目的に合ったIoTカメラを導入し、トラブルに強い・安全な現場運用を実現していきましょう。