2025年9月25日
近年火災件数が年々減少し、さらに大量退職の波により消防組織は急速に若年化しています。
その結果、現場経験が不足している隊員が増加し、技術の継承や安全性の確保が大きな課題となっています。
こうした状況の中で注目されているのが、ウェアラブルカメラの活用です。
消防隊員が装着することで、災害現場の映像をリアルタイムに指令本部へ共有できるだけでなく、活動記録を教育や検証に役立てることが可能となりました。
本記事では、消防活動におすすめなウェアラブルカメラの比較をしています。ぜひ、最後までご覧ください。
目次
項目 | バルテック ウェアラブルカメラ |
Safie Pocket2 | FIRE CAM [mini] BJマウントセット |
---|---|---|---|
耐熱温度 | -20℃~60℃ | -20℃~50℃ | 約482℃ |
防水・防塵性能 | 〇(IP68) | 〇(IP67) | △ |
高画質フルHD録画 | 〇 | 〇 | 〇 |
長時間稼働(8時間以上) | 〇(約10時間以上) | 〇(約10時間以上) | △(約2時間) |
通信方式 | 4G/Wi-Fi | 4G | オフライン |
リアルタイム映像共有、GPS | ○ | ○ | ✕ |
通話 | ○ | ✕ | ✕ |
インカム利用 | ○ | ✕ | ✕ |
特徴 | IP電話メーカーが開発、AI解析や通話連携が可能 | クラウド特化、現場の見える化 | 高耐熱(482℃)、高画質 |
料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 63,800円(税込) |
詳細HP | バルテック ウェアラブルカメラ |
Safie Pocket2 | Fire Cam[mini]BJマウントセット |
── 3つの理由と実際の活用事例 ──
火災現場は一瞬の判断が生死を分ける過酷な環境であり、現場と本部の連携、隊員の教育、そして市民への説明責任が常に求められています。
そうした現場において、ウェアラブルカメラの導入は“安全確保”と“信頼性向上”を支える強力な武器となります。
以下に、消防活動で特に注目されている3つの活用目的を、実際の事例とともに紹介します。
活用理由:
火災現場では、救助や消火など迅速かつ的確な対応が求められます。ウェアラブルカメラを活用することで、隊員が見ている現場の映像や音声をリアルタイムで本部に共有でき、本部はその情報をもとに助言や指示を行い、現場と本部がスムーズに連携できます。
実例:
ある消防局では、消防隊のヘルメットにウェアラブルカメラを装着し、災害現場の映像と音声を市役所警防本部へリアルタイムで送信できる仕組みを導入。これにより、本部は現場の状況を即座に把握し、適切な助言やマスコミ対応を行うことが可能となり、現場と本部が一体となった指揮体制を実現しています。
参照元:https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post-51/03/shiryou1.pdf
活用理由:
火災件数の減少や職員の若年化により、現場経験の不足が課題となっています。ウェアラブルカメラで記録した映像を教材化することで、臨場感のある教育が可能となり、ベテランの技術を効率的に若手へ伝承することができます。
実例:
ある消防局では、ウェアラブルカメラを導入し、火災現場での活動を映像としてクラウドに保存し、教育や事後検証に活用。若手隊員は実際の火災映像を教材として学ぶことで、従来の座学や訓練では得られない臨場感ある知識を習得できています。若手のうちには、まだ火勢の強い火災現場の経験がない隊員も多く、貴重な教育資料となっているようです。
参照元:https://safie.jp/casestudy/yokosuka-shobo/
活用理由:
火災原因の調査や活動報告において、客観的な映像記録を残すことは重要です。ウェアラブルカメラの活用により、活動の透明性を担保し、市民や行政からの信頼を高めることができます。
実例:
火災現場での活動映像を保存し、出火原因調査に役立てたケースがあります。活動映像を市民に公開し、消防活動の透明性を示すとともに、地域の防災意識を高めた消防局の事例が報告されています。
参照元:https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2434/s009205.html
消防活動におけるウェアラブルカメラは、隊員の安全確保、若手教育や技術継承、そして活動記録の透明性向上に大きく貢献します。 耐熱性や通信機能など各製品には特徴があり、現場のニーズに応じた選定が重要です。実際の活用事例からも、映像共有や教育活用の効果が明らかになっています。
今後の消防活動には、ウェアラブルカメラが重要な装備となるでしょう。