2025年7月25日
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警察庁は、2025年8月下旬から、警視庁や大阪府警などの一部地域で、警察官によるウエアラブルカメラの試行運用を開始することを発表しました。
この取り組みは、警察の透明性を高め、公共の安全を確保するための一環として、多くの期待と注目を集めています。ウエアラブルカメラは、警察官が日常的に行う任務や現場での対応を録画することにより、事件の証拠として役立つだけでなく、警察活動の信頼性向上にも寄与する可能性があります。
本記事では、警察官にウエアラブルカメラを装着する試行の背景や目的、期待される効果、導入に対する反応などについて詳しく解説していきます。また、同様の事例や他国での運用状況にも触れ、この試行が日本に与える影響についても考察します。
ウエアラブルカメラ(別名:ボディカメラ、装着型カメラ)とは、その名の通り、身体に装着して使用する小型カメラのことです。近年、技術の進歩により小型化・高性能化が進み、建設現場や警備、医療、さらには個人のアウトドア活動など、様々な分野で活用が広がっています。
これにより、警察官の視点から見た現場の映像をリアルタイムで記録することができます。一般的には、カメラは録画を開始すると自動的にその場の音声や映像を記録し、後から再生して確認することが可能です。
おすすめボディカメラ(ウエアラブルカメラ)8選
警察官が使用するウエアラブルカメラは、主に制服の肩や胸元に取り付けられ、警察官の目線に近い映像と音声を記録します。その最大の目的は、警察官の職務執行の様子を「客観的な証拠」として記録することにあります。
警察活動における透明性の確保は、近年ますます重要視されています。特に、警察官の行動に関する市民の監視や疑念が高まる中で、警察側もその信頼性を確保する必要に迫られています。
2025年8月から実施されるウエアラブルカメラ装着の試行は、警察署や現場での警察官に実際にカメラを装着し、一定期間にわたりその運用効果を検証することが目的です。試行は、以下のような内容で進められると予想されています。
ウエアラブルカメラの導入には、多くの期待が寄せられています。主な効果として以下の点が挙げられます。
ウエアラブルカメラの導入は、日本が初めてではありません。特にアメリカやイギリスでは、すでに多くの警察組織で導入が進んでいます。
アメリカでは、2014年にミズーリ州ファーガソンで発生した、丸腰の黒人青年が白人警察官に射殺された事件などを契機に、警察への不信感が爆発。その対応策として、オバマ政権(当時)の主導でウエアラブルカメラの導入が全米に広がりました。
研究によれば、カメラ導入によって警察官による武力行使の件数や、市民からの苦情件数が減少したという報告がある一方で、有罪率や犯罪率そのものには大きな変化は見られなかったとする分析もあります。効果を疑問視する声や、依然としてプライバシーやデータ管理の問題は大きな議論の的となっています。
イギリスでも、ロンドン警視庁をはじめ、多くの警察で導入が進んでいます。DV事案において、被害者が後に証言を覆した場合でも、事件直後の興奮した状態での生々しい証言映像が証拠として採用され、有罪に繋がったケースなどが報告されており、一定の成果を上げています。
また、カナダでは、ウエアラブルカメラが警察の行動の監視として機能し、警察官による暴力行為の削減や、誤認逮捕を防ぐ効果があったとされています。
これらの海外事例は、ウエアラブルカメラが一定のメリットを持つことを示唆する一方で、それが「万能の解決策」ではないことも教えてくれます。導入効果を最大化し、リスクを最小化するためには、各国の成功例や失敗例を十分に学び、日本の社会状況に合わせた、緻密な制度設計が不可欠です。
もちろん、ウエアラブルカメラの導入には懸念や課題もあります。主な懸念としては以下の点が挙げられます。
バルテックのウエアラブルカメラ(ボディカメラ)では顔認証や映像、音声の複数名共有、通話アプリを起動させて内線・外線通話を行うことが可能です。
映像と音声を共有することで、慣れない新人の教育や危険箇所の発見、修理、遠隔臨場などを行うことができるようになります。
人手不足や安全対策を求められる建設現場で業務効率化と安全性向上を支援します。
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2025年8月から開始される警察官のウエアラブルカメラ装着試行は、警察活動の透明性を高め、証拠の収集や警察官の行動管理において大きな役割を果たすことが期待されます。導入の背景や目的、期待される効果を理解することで、市民と警察官の信頼関係がより強化されることを願っています。試行結果に基づいて、今後の全国的な導入が進むことが期待されます。