【情シス必読】キッティングとは?効率化と注意点も解説!ダウンロード資料付き

キッティングとは?必要な知識と作業内容、6つの注意点も解説

キッティングは、社員がすぐにパソコンを利用できる状態にするセットアップ作業です。
この記事では基礎知識から具体的な手法、効率化や注意点など、わかりやすく解説。キッティングの負担を軽減する方法も記載したので多忙な法人様は必読の記事です。

目次

1. 誰でもわかる!キッティングに必要な知識とは

キッティングとは

キッティングとは、出荷された状態のPC等を、ユーザーが業務に利用できる状態にする作業で本記事では基礎知識から効率化の方法や注意すべき点など、わかりやすく解説します。

キッティングとセットアップの違い

キッティングとセットアップの違い

キッティングとセットアップの違いは、カバーできる作業の範囲にあります。

キッティングは多岐にわたる様々なタスクをカバーし、その中にセットアップも含まれると捉えると理解しやすいでしょう。

キッティングはOSの設定だけでなく、ビジネス活動に必要なプログラムやアプリケーションのインストールや調整も行い、即座に作業が開始できる状態を作り出します。一方で、セットアップは商品をすぐにビジネス利用できる状態にすることは含まず、OSのセットアップまでが作業の範囲となります。

キッティングで実施される高度な組み立て作業やOSのセットアップ後の個別の調整、ビジネスアプリケーションやシステムなど細かいアプリの設定、管理台帳への記入などは、セットアップの段階では行われません。

LCM(ライフサイクルマネジメント)というキッティングの上位概念も

LCMサービス

キッティングにはさらに「上位概念」といえる「LCMサービス」というIT資産管理サービスが存在します。

LCM=Life Cycle Managementとは、IT機器を選定し、運用・保守など管理・廃棄までの全過程を行うための支援体制を提供するサービスです。

キッティングサービスは、導入する企業が選んだPCやその他のデバイスのセットアップ・設定を予定日までに完了させるのが基本なサービスです。

LCMサービスではキッティングに加えて、納品後のメンテナンス、新しいモデルへの更新、資産の追跡と処分を行うサービスまでワンストップで行います。

参考記事: LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスとは?
IT運用管理を詳しく解説

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キッティングに必須の知識とスキル

キッティングに必要な知識

キッティングに必要な知識やスキルは、作業の種類や作業内容により異なります。
一般的に必要な知識としては、以下のようなスキルがあるとよいでしょう。

  1. 大学のIT講習会で学ぶような、パソコンの基本的な操作の知識
  2. ネットワーク周りの基本的な知識
  3. 社会人としてのコミュニケーションスキル

日ごろからPCを扱っている人であれば簡単に条件を満たせるかもしれません。注目すべきは、キッティングは各社員が使用するパソコンの設定を行うため、企業で働く人としての「コミュニケーションスキル」も重要なスキルである点です。

3つの知識について、それぞれ詳しく解説します。

大学のIT講習会で学ぶような、パソコンの基本的操作知識

PC本体の各種設定のためには、パソコンの基本操作への理解が不可欠です。
マウス・キーボードの操作に加え、タイピングのスキルは確実に必要です。もし苦手意識が少しでもあるようであれば、市販の参考書やウェブ上の無料サービスなどを通して自学自習をしておくとよいでしょう。

また、Word/Excel/PowerPointなどOffice系サービスの基本操作を、大学のIT講習会で学ぶ程度まで高めておくとよいでしょう。

ネットワーク周りの基本的な知識

キッティングをする上で、ネットワーク周辺に関する基本的な理解は必要な知識と言えます。サーバー機器・ネットワーク機器はパソコンなどよりもさらに複雑であり、作業を行う上ではネットワークエンジニアレベルとまではいわずとも、基本知識は必須となります。

ネットワークに関しての基礎知識については初心者向け参考書から学習可能なため、事前準備のために活用するとよいでしょう。

キッティングのスキルを確実なものにしたいのであれば、「ITパスポート」など基礎的なIT資格の取得をおすすめします。キッティング作業のさらなる効率化が見込めるでしょう。

社会人としてのコミュニケーションスキル

キッティング作業も企業に勤める「社会人」の仕事です。 したがって、「コミュニケーションスキル」は重要と言えるでしょう。

キッティングでは何台もの法人PCの立ち上げ・設定が必要なため、複数人での作業となる場合がほとんどです。
社会人として最低限のコミュニケーションスキルは身につけておきましょう。

2. 具体的なキッティング作業

作業内容

導入するデバイスが会社に届いたら、キッティング作業が始まります。
社員が業務に取り掛かろうとパソコンを開いたとき、OSやアプリケーション・セキュリティ・ネットワーク等がトラブルなくインストールされており、スムーズに業務を開始できる状態にしましょう。

以下では、基本的なキッティングの流れを解説します。
具体的な作業内容は、設定が必要なPCの台数や、WindowsかMacか、新品もしくはリプレイス品なのかなど、条件によって異なります。

ここでは手作業で一台一台行う方法をご紹介しますので、複数台を一度に設定する「クローニング」を行う場合は「3.「きつい」キッティングを効率化する方法」をご覧ください。

基本的なキッティング作業の流れ

① PC梱包の開封後、マウス等PCの周辺機器類の確認
② 通電の後、起動確認を行いPCが出荷当時のままかを確認
③ OSを立ち上げ初期設定を行う
④ 社内のネットワークLAN・Wi-Fiへ接続する
⑤ 業務用アプリケーションのインストールと設定
⑥ セキュリティ上の問題への対策
⑦ プリンタ等、PC周りのデバイスを設定
⑧ 起動時パスワードを設定
⑨ アプリケーションやOS設定の動作テスト
⑩ 要らないデータの消去
⑪ Active Directory設定とIT資産管理台帳への登録
⑫ PC管理番号シールの貼り付け




① PC梱包の開封後、マウス等PCの周辺機器類の確認

① PC梱包の開封後、マウス等PCの周辺機器類の確認

PCは梱包されて配送されることが大半です。
したがって、まずは箱の梱包を解く開封作業をし、PC本体の電源やキーボードにマウスなどなど周辺機器や付属品に過不足がないかを確認する必要があります。
重ねて数十台~百台など台数が多い場合、キッティングをする作業場所や作業にかかる所要時間などの再考が必要になるケースもあります。

② 通電の後、起動確認を行いPCが出荷当時のままかを確認

充電ケーブルを電源につないでPCが正常に起動するか、出荷時の状態かどうか、液晶に問題がないかなど、「不具合がないか」「出荷した当時から変わっていないか」の確認をします。

③ OSを立ち上げ初期設定を行う

地域設定を米国などでなく日本に、Microsoft IMEかGoogle日本語入力にキーボードレイアウトを設定するなど、OSの立ち上げ時の初期設定を行います。
加えて、OSのバージョンが自社内で規定したものかを確認後、「Windows10から11へ」など必要に応じたアップデートを行います。

④ 社内のネットワークLAN・Wi-Fiへ接続する

④ 社内のネットワークLAN・Wi-Fiへ接続する

社内LAN・Wi-Fiなど社内ネットワークへの接続設定を行います。
もし、社内ネットワークへの接続申請を行う必要がある場合、最初に接続の申請を行います。こうした申請や設定はネットワーク上の問題ゆえ、OSの初期設定前に必要になることもあります。

⑤ 業務用アプリケーションのインストールと設定

PCユーザーが業務上用いるアプリケーションのインストールおよび設定を行います。 SaaS等クラウドサービスであれば、ログイン画面に利用者自身がWebブラウザでアクセスし、初期設定を行うこととなります。

⑥ セキュリティ上の問題への対策

ウイルスセキュリティソフトのインストールやHDD/SSDの暗号化設定等々、企業のセキュリティポリシーに沿った設定を行い、セキュリティ上の対策をします。

⑦ プリンタ等、PC周りのデバイスを設定

PCの周辺のプリンター・スキャナー・複合機などへ接続し、PCから印刷・データ送受信が可能かなど正しく動作するかを確認します。

⑧ 起動時パスワードを設定

⑧ 起動時パスワードを設定

起動時に入力する初期パスワードを設定します。あくまで「初期」ゆえ、ユーザーの利用時には利用者自身で変更をお願いすることになります。

⑨ アプリケーションやOS設定の動作テスト

アプリケーションが作動するか、設定の通りにうまく起動するかなど、PC全体の動作確認を行います。

⑩ 要らないデータの消去

企業内での業務には用いないソフトウェア・ファイル、インストール時にのみ用いるソフトウェア等々、不要データを削除してPCのストレージ容量の効率化を行います。

⑪ Active Directory設定とIT資産管理台帳への登録

自社のIT資産管理台帳・IT資産管理アプリケーション等にPC情報の登録を行います。Active Directoryを利用しているようなら、その登録も行っておきます。

⑫ PC管理番号シールの貼り付け

資産番号・資産名・資産区分・購入日など、IT資産管理上必要なデータが記入された「PC管理番号シール」シールの貼り付けを行います。

3. キッティングを効率化する方法

3. 「きつい」キッティングを効率化する方法

異動の時期や新入社員の多い時期は、数十〜数百台ものPCを手作業でキッティングする必要があります。

そんな時は、効率化を図るためマスタPCを用意し大量のPCに高速で複製していくのがいいでしょう。

マスタPCとは、複製のために元となる設定がすでになされているPCのことです。
マスタPCから、これからキッティングしていく他のPCに複製する作業のことを「クローニング」と言います。

クローニングをする際のキッティングの基本の流れは以下の通りです。



クローニング時のキッティングの基本の流れ

① マスタPCの作成と設定
② マスタPCのイメージ抽出のためクローニングツールを利用
③ 各PCへマスタPCのイメージをクローニング
④ マスタPCだけでは補えない業務用ソフトウェアなどの個別設定
⑤ 周辺機器やネットワーク上の設定
⑥ アプリケーション作動確認とOSの設定
⑦ Active Directory設定とIT資産管理台帳への登録
⑧ PC管理番号シールの貼り付け



ちなみに、クローニングではPCの種類やOSによって利用可能なツールが異なるほか、マスタPCの作成を行う場合は「検証」の時間も必要なため注意が必要です。

重ねて、クローニングでのキッティングの場合、複製の必要のない情報のデータ削除が必須となります。このデータ削除のことを”Sysprep”といいます。これに関してはMicrosoftのサイトをご覧ください。

4. 作業時に注意すべきポイント

4. 作業時に注意すべきポイント

キッティング作業およびクローニング作業時には、以下のような気をつけるべきポイントがあります。

キッティング作業時

PCマニュアルなど「同梱物」の管理

PCの梱包を開ける際には、パソコン本体やマウスなど周辺機器だけでなく、マニュアルなどの書類がついている場合があります。
こうした書類など「同梱物」は、数部だけ保管しておけば他は捨ててしまってもいいと思いがちですが、すべて保管しておきましょう。いつでも取り出せるよう管理しておくとトラブル発生時に迅速な対応が可能になります。

また、最近ではPCマニュアルの電子化をしているメーカーもあります。こうしたマニュアルを共有ドライブなどクラウド上にあげて、常時参照できる状況にするのもおすすめです。

インベントリ情報の収集と管理

新規でPC導入をする場合、それが「IT資産」であることを踏まえて、ホスト名やIP・MACアドレスなどの「インベントリ情報」を収集・管理する必要があります。

実際にPCの利用者に手渡す前にこうした「インベントリ情報」の収集をし表計算ファイルに記録したり、「資産管理ツール」の導入で一括管理をする等して対応するとよいでしょう。

設定状態の確認・設定結果の保存

手作業でのキッティングでは、設定のミスが発生する場合が多々あります。そうしたミスの確認がいつでもできるよう、スクリプトやバッチで設定状態の確認と結果の保存をしておくとよいでしょう。

キッティングの作業時は、複雑な操作を要求されることが多く、そうした操作を網羅したキッティングの手順書などを確認しないとミスにつながるケースも多くあります。

一部の企業では、こうした手順書を無料で配布しているところもあります。
「PCキッティング 手順書」などでネット検索をかけると見つかるはずです。

キッティング作業で失敗を絶対したくない人は、手順書をしっかり見て作業をしていくと間違いはないでしょう。

クローニング作業時

キッティング作業時

ボリュームライセンスを購入していないとクローニングできない

数多くのPCのキッティングをクローニングで行う場合、ボリュームライセンス(複数台のOSライセンスをひとまとめで売る販売形式)のOSに付随する「再イメージング権」が必要です。
もし、この権利なくしてOSのコピーを行おうとすればライセンス違反扱いになるので、クローニング時にボリュームライセンスの購入は必要不可欠です。

プレインストールされたWindowsOSではマスタPCの作成ができない

プレインストール(= 購入したPCに以前からインストールされている)のWindowsOSでは、あくまで購入したPCへの利用だけが認められているため、他のPCへのクローニング利用は許可されていません
前述した「ボリュームライセンス」のメディアのダウンロードをした上で、そこからマスターPCの作成を行いましょう。

ライセンス認証回数の上限値を上げるよう申請する

クローニングでのキッティングでは、ボリュームライセンスの購入と使用が必要なことに加え、各機器ごとでライセンス認証を行う必要もあります。 したがって、クローニング時は前もって購入元に認証回数の上限値を上げるよう申請しなければなりません。
認証回数は「購入ライセンス数」と同じ数まで増やしておくと、手続き上の不備発生リスクを下げられます。

5. 「キッティングサービス」で負担軽減!

2.1 キッティング作業は情シスにはきつい作業

キッティング作業は情シスにはきつい作業

「キッティング作業ってすごくきつい…」

ここまで、キッティングとクローニングの方法について見てきましたが、実際にキッティング作業をするとなると「ハードルが高いな」と感じられた方も多いはずです。

非常に手順が多いだけでなく、わざわざIT資産管理ツールやクローニングツールを導入してやらなければならないなど、いざ実際にキッティング作業をするとなると、社内システムの運用保守やヘルプデスク業務も兼ねる必要のある情シスや総務にとってその負担はきついものです。

IPA(情報処理推進機構)が2020年2月に発表した「情報システムの障害状況 2019年後半データ」によれば、メディア等で報道された情報システム障害発生件数は2018年で66回に対し、2019年では122回と倍増しています。

情報システムの障害状況
IPA(情報処理推進機構)「情報システムの障害状況 2019年後半データ」より図を引用

また、東京商工リサーチ社が2022年1月に発表した「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は、調査開始以来最多の137件 574万人分」によれば、2021年に上場企業で公表された情報漏えい・紛失事故件数は137件で、これは前年の103件から大きく上昇しています。

重ねて、2021年の情報漏えい・紛失事故件数137件のうち、原因の媒体別では「社内システム・サーバー」は81件、次いで「パソコン」は30件となっており、情シスへのトラブル対応への責任は多くの企業で重大なものとなりつつあります。

「キッティング作業中にシステムトラブルの一つでも起きようものなら…」

言うまでもありませんね。

そんなPCのキッティング作業も
「アウトソーシング」
できることをご存じですか?

6. パソコンメーカーVALTECのキッティングサービス

企業内の情シス部門の人材だけでは限界がある「キッティング作業」。

  1. 情シスの負担削減/業務効率アップ
  2. 品質の均一化
  3. 徹底した資産管理
  4. あらゆるデバイスや機種に対応

などの活用メリットがあることから、
最近では「キッティングサービス」代行を活用して、アウトソーシングをする企業が増加しています。

「アウトソーシングサービス」の中でのおすすめは、株式会社VALTECが展開する『キッティングサービス』です。

株式会社VALTECは、法人用パソコンを製造と販売をしているIOTメーカーになります。
子会社のバルテックフィールドサービスでは、全国にパソコン修理の専門店「パソコン修理24」「PCバル」を運営しており、
全国52店舗・累計利用者数30万人を突破。

PCメーカーのノウハウと、PC修理のノウハウ、全国52店舗の店舗ネットワークを活かし、『キッティングサービス』の提供をしています。

パソコンやタブレット・スマートフォンなどのIT機器を、パソコン修理・設定に精通した経験豊富な技術スタッフがスピーディーかつ高品質に対応いたします。

現在キッティングサービスは、大手企業や社員数の多い企業を中心に利用されています。

中小企業でも自社内でPCのセットアップを行っている場合が多く、総務・IT担当者の負担の大きさから課題となっているのが現状です。

VALTECでは、初めてキッティングサービスをご利用いただく中小企業様にも分かりやすく、安心してご利用いただけるようメニューをパッケージ化。PC1台からでもご利用いただけるサービスを提供します。

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・ソフトウェア10本まで(1本あたり10分以内)
・プリンタ設定
・ネットワーク設定(ホスト名やIPアドレスなど端末固有の設定等)
・動作確認

※作業を減らしたり追加したりなどカスタマイズも大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
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日付: 2023/01/06
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