2025年7月23日
建設現場での「安全管理」「記録」「遠隔確認」「カスハラ防止」など、多くの場面で活躍するウェアラブルカメラ。
今回は、日本国内で導入実績も多く、建設業で注目されている以下の3機種を比較しました。
・バルテック ウェアラブルカメラ
・Safie Pocket2(セーフィー)
・蔵衛門Cam
建設現場の担当者が比較検討すべきポイントを踏まえて、一覧表にまとめました。
比較項目 | バルテック ウェアラブルカメラ |
Safie Pocket2 | 蔵衛門Cam |
---|---|---|---|
装着方法 | クリップ | クリップ | クリップ |
防水・防塵 | IP68 | IP67 | IP67 |
録画方式 | クラウド録画+内部メモリ | クラウド録画 | SDカードのみ |
バッテリー容量 | 3,200mAh(取り外し可) | 4,200mAh(取り外し不可) | 2,400mAh |
通信方式 | 4G LTE / Wi-Fi | 4G LTE | 4G LTE / Wi-Fi |
音声録音 | ○ | ○ | ○ |
リアルタイム視聴 | ○ | ○ | ○ |
GPS機能 | ○ | ○ | × |
通話 | ○ | ○ | × |
インカム利用 | ○ | × | × |
顔認証勤怠 | ○ | × | × |
利用シーン例 | 遠隔管理、トラブル証拠、カスハラ対応 | 遠隔指示、安全管理 | 工程記録、証拠撮影 |
価格帯 | 要問い合わせ(レンタル・買い切り) | 要問い合わせ(レンタル) | 99,800円〜(買い切り) |
特徴 | AI解析や通話連携が可能、長時間録画 | クラウド特化、現場の見える化 | 証拠記録に強み、買い切り可 |
詳細HP | バルテック ウェアラブルカメラ | Safie Pocket2(セーフィー) | 蔵衛門Cam |
── 4つの理由と実際の活用事例 ──
建設現場は「人」「設備」「時間」が密接に関わる環境であり、ミスやトラブルのリスクも高いのが現実です。そうした現場において、ウェアラブルカメラの導入は“記録”と“見える化”という大きな武器になります。
以下に、建設業界で特に注目されている4つの活用目的を、実例とともに紹介します。
現場作業の過程をすべて映像で残すことにより、後から「いつ・誰が・どう作業したか」が可視化され、万が一のトラブル時にも強力な証拠になります。
実例:
外壁工事で施主から「仕上がりに問題がある」とクレームが入った際、ウェアラブルカメラの録画映像を確認。
作業手順通りに施工している様子が記録されており、現場責任者が説明・証明できたことで、追加工事や賠償のリスクを回避できました。
管理者が本社にいながら、リアルタイムで現場の状況を確認・指示できることは、時間と人員の削減に大きく貢献します。
実例:
ある建設会社では、若手作業員が初めて行う型枠作業をウェアラブルカメラで中継。
ベテランの管理者が本社から映像を見ながら音声で指示を出し、現場に行かずに的確な指導と安全確認を実現。
教育と遠隔管理を両立させた成功例です。
建設現場では「転落」「転倒」「接触事故」などの突発的な労災が発生するリスクが常にあります。ウェアラブルカメラの常時録画は、事故発生時の状況把握や原因調査に役立ちます。
実例:
高所作業中に作業員が足を滑らせ転倒。
カメラに映っていた映像から「足場に置かれた工具につまずいた」ことが原因と判明。
再発防止のための安全ミーティング資料としても活用され、安全対策の改善に直結しました。
顧客や協力業者、近隣住民とのトラブルにおいても、言った/言わないの水掛け論を防ぐ手段として有効です。
実例:
作業現場で、近隣住民から「騒音がうるさい」と怒鳴り込まれ、作業員が威圧的な言動を受けた事案。
ウェアラブルカメラでその様子が記録されており、会社として冷静に状況を把握・対応できました。
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の一環としても評価されています。
建設現場におけるウェアラブルカメラの導入は、「記録」以上の価値を生みます。
それは、現場の透明性、安全性、生産性、そして従業員の安心感につながります。
今後もさらに多様な使い方が広がる中で、自社の課題に合ったカメラ選びが重要です。