固定資産管理とは?運用方法など基礎知識を徹底解説!

固定資産管理とは?運用方法など基礎知識を徹底解説!

固定資産とは、販売目的ではなく企業を維持するうえ所有しているさまざまな資産を指します。
そして、固定資産管理とは企業が長期間所有する土地や建物、出資金、ソフトウェアなどの資産管理を行うことをいいます。

固定資産が多ければ多いほど管理するのが難しいのが現実ですが、減価償却を計上するためには、管理は欠かせません。
固定資産を効率よく正確に管理するためには、システム化がおすすめです。
システム上で情報を一元化することで現状を把握することができます。

この記事では固定資産管理の概要や業務内容、運用を効率化する固定資産管理システムを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

固定資産とは

固定資産とは下記のように事業を行う上で投資目的や長年保有する資産のことで1年を超える長期にわたって使用するものをいいます。

・企業が1年以上の長期に渡って保有する資産
事業活動を円滑にするために使用するもの。使用期間が1年未満なら「消耗品」などに該当する。

・一定額以上(10万円以上)の資産
10万円以上のもの。10万円未満のものは費用計上する。

・販売目的ではない自社内で使用する資産
自社内で使用するもの。


固定資産は3つに分類されます。

・有形固定資産
有形固定資産は長期にわたって事業のために保持する資産のことをいいます。有形固定資産なので目に見える資産のことをいい、土地や建物、機械装置、車両などを指します。

土地は営業目的で使われるものであり、事務所や工場、駐車場、資材の置き場などですが、不動産販売目的のために購入した土地は、固定資産ではなく流動資産となります。
建物は土地に定着して建てられているもので、事務所や工場、営業所、倉庫、また、機械装置は生産、加工するうえで使用する機械を指します。
他、自動車やトラック、バス、フォークリフトなど、事業のために使う車両等も固定資産です。
この中で、建物や機械装置、車両などの市場などによって価値が変動し価値が減少するものを、減価償却資産といいますが、それに対して土地は価値が減っていくものではないので、減価償却資産ではありません。

・無形固定資産
営業権や商標権、特許権、実用新案権、漁業権、ソフトウェアなどの目に見えない財産的価値のある権利が該当します。
無形固定資産は長期にわたって事業のために使われる資産ですが、経済的な収益力や法律で特別に価値が認められている資産のことです。ソフトウェアやのれんの事を言う事が多いです。
ソフトウェアはコンピューター上のプログラムの試算のことを指します。 のれんとは企業ブラド・商品ブランドやノウハウ、ユーザー顧客、従業員の能力など目に見ええないその企業の価値を指しますが具体的には、企業を買収した際に企業から取得した資産と負債の評価差額と買収するにあたって支払う対価との差額の金額を言います。

・投資その他の資産
有価証券や出資金、長期貸付金などの企業の流動資産に該当しない、有形固定資産や無形固定資産以外の資産が該当します。
投資その他の資産は企業の経営支配や取引関係の維持のために保有する資産のことで、その中に含まれているのが、長期貸付金や出資金、敷金保証金などです。
長期貸付金は、返済期間に応じて短期の貸付金か長期の貸付金かに分かれます。
また、出資金は株式会社以外の合同会社や合資会社、協同組合などの企業に対する出資のこと、敷金・保証金は建物を借りる際に支払う費用です。



企業が所有するすべての固定資産を正確に把握・管理すること、を固定資産管理といいます。
固定資産を正確に把握・管理することで、費用や税金などの急な出費を避けられます。
企業は、事務所や敷地などの不動産、業務で使う機械や設備といった高額な償却資産の把握が、健全な企業運営には欠かせません。


固定資産管理の内容と流れ

固定資産管理の内容と流れ

では、固定資産管理とは具体的にどのようなことをするのでしょうか。
固定資産管理業務は固定資産を取得した時点から始まります。固定資産の管理には4つのフローがあります。


会計上で管理する

固定資産は、発行された請求書に基づいて適正な社内手続きを行い、支払いの後会計処理を行います。

固定資産の減価償却については償却率や耐用年数が法律で定められているので、適切な方法で計算する必要があります。
償却資産の場合は資産の耐用年数や償却率をもとに減価償却を算出して計上し、また、その他の固定資産と新たに購入した場合は適切な会計処理をする必要があります。


固定資産管理台帳を作る

固定資産台帳とは、固定資産台帳は固定資産取得から処分するまでの履歴を管理するためのものです。

各固定資産の「固定資産管理番号」「固定資産名」「取得年月日」「取得価額」「耐用年数」などの項目を記載し、この履歴から、当該固定資産を「いつ」「どこから」「いくらで購入したのか」を一目で把握可能できます。
管理責任者を明記しておくと、問題が生じた際の責任の所在もスムーズかつ明確になります。

また、固定資産管理台帳で現物管理もできるのが望ましいです。
現品管理とは、企業内で使用されている物品の配置場所や使用状況を把握することです。物品のコンディションやメンテナンスの履歴も記録しましょう。

なお、固定資産台帳は税務申告に必要ではありますが、記載する内容については特に規定はありません。
そのため、記載項目を決めて統一しておきましょう。

固定資産台帳に加入する内容の例としては、

・資産名
・固定資産管理番号
・取得年月日や供用年月日、除去年月日
・設置場所や管理部門
・用途
・取得価額
・数量
・償却方法
・耐用年数

また、リース資産がある場合はリース物件管理台帳も作成して管理する必要があります。
リース資産台帳には、リースの期間や支払い回数、支払い間隔、基本リース科、リースの開始日と終了日など、リース契約に関する項目を記載します。


管理ラベルを貼付する

固定資産と台帳を紐づけるために、固定資産に管理ラベルを貼付します。
管理ラベルには「固定資産管理番号」「固定資産名」「取得年月日」などを記載しましょう。
必ずしも必要な手順ではありませんが、管理ラベルによって企業内の物品と固定資産を識別できるので棚卸の際に照合しやすくなり、棚卸効率が上がります。

管理ラベルには下記のような記載事項があります。

・資産名
・固定資産管理番号
・型式
・取得年月日
・管理者名
・購入先
・保守契約先

などです。

最近ではバーコードを利用する方法もあります。管理ラベルのバーコードをスキャンして読み取るだけで、固定資産管理台帳の更新が可能で業務の負担が減ります。

また、耐用年数が長いものや、使用時に触れる事が多いものは汚れることがあるので、使用環境に合わせて汚れに強いラベルを選ぶのがおすすめです。


棚卸をする

棚卸をする

棚卸は固定資産の管理をするうえで手間がかかる作業です。
年に1~2回の棚卸をし、台帳通り適切に管理がされているか固定資産台帳と実際の資産の状況を照合します。

移動や売却、廃棄など保有している固定資産の状況がきちんと反映されているか把握していない固定資産が加わったりしていないかチェックしましょう。

また、棚卸ではきちんと稼働しているのか、破損していないかの確認も大事です。破損している場合は固定資産台帳に記載して、今後の修理の可否、もしくは所有の必要性について検討する必要もあります。


固定資産管理の必要性

固定資産管理の必要性

固定資産管理はただ「管理をする」というだけでなく節税対策にもつながり、正当な会計処理を行っている証拠にもなります。


固定資産の保全

固定資産は企業が経営を行ううえで大切な資産です。有効に活用しなければなりません。

管理がうまくできていないと、使用したい固定資産が見当たらない、持ち出されて行方がわからない、となり新たに固定資産を取得する必要があるなどの無駄が生じます。

また、使用年数が経っていて劣化が進み作業の効率が低下している、もしくは成果物に支障がでている、従業員が怪我をするなどの事故が起きる可能性が出てきます。

このような事態を防ぐために、固定資産管理が必要なのです。


減価償却の計算

固定資産管理の重要な目的の一つに、減価償却の適切な処理があげられます。

固定資産管理を行うことで企業内の償却資産を把握できます。
つまり、固定資産管理台帳に減価償却費を正確に記録しておくことが、減価償却の根拠や証明となるため重要です。

減価償却の計算の際に固定資産管理台帳に記入された各償却資産の耐用年数やコンディション、メンテナンス履歴をもとにすることで正確性が出ます。

高額な固定資産を取得した際は、分割して毎年経費として計上するのが通例で、一度に計上して損失にならないようにします。
減価償却が数年にわたって法人税の節税になる点も、固定資産管理が必要な理由です。


固定資産税の算出

固定資産には固定資産税が課せられます。

当然、固定資産が大量にあればあるほど税金は高くなるので、使わなくなった固定資産はいつまでも所有せず廃棄しなければなりません。

無駄な税金を払わないようにするためには、必要最小限の固定資産を企業内に残す適切な固定資産管理が必要です。
固定資産管理は、固定資産税の節税にもつながるのです。

現在の使用状況を把握・管理し、不要な固定資産の除去および廃棄を行ったりすることで、固定資産税を減らして節税効果が得られます。


適切な資産運用のため

固定資産管理は、固定資産の有効活用の為に行います。

固定資産管理が不適切だと、破損した資産がそのままだったり、充分に在庫しているものが把握されずに新たに購入されたり、使えるもの、必要なものが廃棄されていたりと、無駄が発生してしまう原因になります。

固定資産管理を適切に行い、処分や買い替え、買い足し等のタイミングを適切に判断するのは、企業経営にとって重要な業務です。


固定資産管理の難しさ

実際に固定資産管理をしていくと、想像以上に簡単ではありません。

増えると管理が行き届かなくなる

企業が所有する固定資産が多くなるほど、当然並行して管理負担は増えていきます。
固定資産の購入・移動・廃棄・保管、など1つひとつの固定資産の現状をリアルタイムで把握する必要があります。

固定資産の管理部署と使用部署が異なる場合は、管理を徹底しにくいでしょう。部署が多く、固定資産であるという認識がない従業員もいると、管理はより困難となります。

自分の知らないところで固定資産を動かされていたりする事もあり、これでは、固定資産管理台帳と現物が一致しないという事態を招きます。


税法や会計基準の知識が必要

減価償却は、税法や会計基準に準拠して行わなければなりません。

償却資産の耐用年数や償却率は規定があり、それに従って減価償却をします。

現在は日本独自の会計基準からIFRSという世界基準に転換する企業が増えていて、今後そういった企業は増えていくでしょう。
世間の流れに合わせて行く為には、最近の税法やその会計基準を熟知している必要があるのです。

担当者の知識と経験が浅いと、なかなか難しくなります。


固定資産管理の方法

エクセルで管理する

エクセルで管理する場合は無料のテンプレートを使用して管理することができます。
管理項目が入力された固定資産管理の台帳のテンプレートがあるので、さまざまなサイトからダウンロードできます。

管理の項目は変更することができるので、自社の固定資産の種類などに合わせて変更して使えますし、テンプレートでの計算をそのまま使用してもいいですが、方法はさまざまなので、自分たちに合わせた計算式を入力して使用していきましょう。

エクセル上で自作の表計算ソフトを作る場合は次の手順になります。

・自分達に必要な項目を決める
・固定資産管理台帳のテンプレートをダウンロードする
・テンプレートに資産状況を入力する
・棚卸を行った際は内容を更新する

固定資産の管理は決まったテンプレートがないので、自分で項目を決めて表計算ソフトを作成しなければいけません。
また、複数人で作業する場合はみんなが同じ認識で使用できるように話し合いましょう。


固定資産管理システムを導入する

固定資産管理ができるソフトやシステムがあります。

固定資産管理台帳も作成でき、作業が効率化されるので非常に便利です。

しかし、製品によって役割や機能が違うので選定する際にはしっかりと見極める必要があります。固定資産の管理をするうえでは現物管理の機能がある製品を選ぶのがおすすめです。

現物管理がシステムによって効率化されることで、固定資産の管理に関わる人員や作業時間を大幅に減らせます。


固定資産管理システムのメリット

固定資産管理システムのメリット<

固定資産管理をシステム化すれば、さまざまなメリットが得られます。

数が増えてしまった固定資産の一元管理

固定資産管理システムを利用すると、企業内の固定資産を一元管理できます。
システム上で固定資産情報が一元管理されると情報検索がしやすく、各固定資産の現状を簡単に把握することができます。

全国各地に支社や子会社がある企業においては非常にメリットが生きてくるでしょう。


最新の税法・会計基準に対応して算出

税務・会計では償却方法や耐用年数などがあり、算出がとても複雑ですが、固定資産システムを利用すると入力するだけで、簡単に減価償却費などを算出できます。

リース資産の減価償却も自動的に計算してくれるものもあるのでとても便利です。

また、ほとんどの固定資産管理システムは、最新の税法や会計基準にも対応しているので、各企業に合った方法で処理が可能です。

入力時の人為的ミスや単純な計算のミスが大幅に減り、人員も削減、担当者の負担も減少します。


固定資産が適切に使用できる

固定資産の数が多いと管理が行き届かない部分が出てきてしまうこともありますが、システムを使うことで適切に管理できます。

固定資産は企業の活動を円滑にするためのものなので、本意ではない使用は認められませんし、全てを有効に活用できなければ無駄が発生してしまいます。
そのため、無駄なコストをかけないためにも固定資産をきちんと管理するようにしましょう。


固定資産税を無駄なく管理、節税ができる

固定資産には固定資産税が課されますが、不要な固定資産をそのまま持っているとその分余計な税金を支払わなければいけなません。

固定資産を正確に管理することで、不要な固定資産が見えてくるので除去や廃棄を行い、無駄は支出を減らして節税の効果が得られるようになります。


固定資産管理システムの選定ポイント

固定資産管理システムの選定ポイント

ひとくちに固定資産管理システムといっても、その種類はさまざまです。自社に合った固定資産管理システムを選ぶには何に注目すべきでしょうか。

システムの提供形態

固定資産管理システムの提供形態はオンプレミスかクラウドに分けられます。

オンプレミス型は自社にサーバを構築するので、初期コストが比較的高額で、IT要員が必要です。自社で保守管理する必要があります。また、セキュリティ面は安心です。

クラウド型はインターネットを経由してシステムを利用するので導入にかかる費用や時間を抑えられます。
保守管理もすべてベンダーが行うため、IT要員は必要がありません。
一方で、料金プランは月額など、継続的にかかるプランが多く、結果によっては割高になる可能性が高いです。
外部にデータを預けることになるのでセキュリティ面で不安に感じる部分もあるでしょう。


利用形態

固定資産管理システムは大きく分けて3つの利用形態に分けられます。

・ERP系
ERPとは「統合基幹業務システム」のことであり、さまざまな業務システムが統合され、組織全体のデータを一元管理することで業務効率化を図るシステムです。
固定資産管理機能はその中に一部になります。

・会計システム系
会計システムに、固定資産管理機能が搭載されています。
ERP系同様、あくまでも一部の機能として搭載されているため、固定資産管理システムとしては柔軟ではない部分がある事もあります。

・単独システム系
単独システム系は固定資産管理機能に特化し柔軟に対応してくれるので、使い勝手が良く、導入コストを最低限に抑えることが可能。固定資産管理に関連するあらゆる業務を網羅しています。
会計システムや物品管理システムとの連携ができると、業務の効率化を目指せます。


データ保存量

税務・会計監査において情報の開示を求められた際は、固定資産管理情報をすみやかに開示する必要があります。過去数年分の固定資産管理情報を必ず準備しておかなければなりません。
システムによってはデータの保存量が少なく、過去のデータをすべて保存できない場合があります。データの長期保管に対応している製品がおすすめです。


まとめ

固定資産は企業の活動を円滑にするために必要であり、高額で長期にわたって管理するため、それぞれの固定資産をきちんと管理して効率的に使用するのが重要です。

また、固定資産は数が多くなってくると管理が非常に大変です。そのため、エクセルなどのソフトや管理システムを利用して、無駄なく適切に管理する必要があるのです。

固定資産の管理を適切に行うことで節税効果が高まり、健全な企業経営につながります。
固定資産管理を効率よく正しく行いましょう。




日付: 2023/09/08
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