2023年1月16日
情シス・総務担当者が自社内IT資産の管理業務の中で最もきついのが、パソコンの初期設定などを含む「キッティング作業」です。
特に、新入社員の入社時など、古いパソコンなどの買い替え・設定を一度に行う際には、負担がとても大きくなります。
こんな時のおすすめが「キッティングサービス」です。
キッティングサービスでは、面倒なPCの初期設定を技術者がクローニングなど用いて一括で行うほか、導入後の運用保守、処分するパソコンのデータ消去までワンストップで依頼することが可能です。
本記事では
こうした悩みを抱える情報システム部・総務部の担当者の方に向けて、「キッティングサービス」についてわかりやすく解説します。
目次
情シス担当者にとって、きつい業務となる「PCキッティング」。それをアウトソーシングできるのが「キッティングサービス」です。
ここでは、アウトソーシングサービスの具体的内容と費用について紹介します。
「キッティング」とは、企業または法人が新規導入するPC等IT機器の初期設定(セットアップ)の作業をし、ユーザーである社員がすぐに利用可能な状態にすることを指します。
それと同時に、
など、PCに関する様々な初期設定とIT資産の管理を行います。
そのパソコンにまつわる「キッティング」のサービスを「キッティングサービス」と言います。
キッティングサービスでは、一つ一つ「手作業」でキッティングをする場合と、数十台・数百台規模のPCを設定する「クローニング」の主に二種類の方法でキッティングを行います。少ない場合では一台~数台、大規模の場合では数十台~4ケタ単位のPCをキッティングします。
多数のPCキッティングでは、「マスタPC」というキッティング完成済みのものと同じ設定がなされているPCを用意し、「クローニング」という手法を用いたキッティングをすれば大幅な工数削減になります。
クローニング時にはマスタPCからコピーする形で、大量のパソコンにマスタPCと同じ初期設定を施します。
「クローニングツール」という、SB C and S等メーカーが出すクローニング用のITソフトもあります。
クローニング時には元からあるWindowsOSライセンスだけでなく、ボリュームライセンス(複数台のOSライセンスを一括で売る販売形式)のOSについている「再イメージング権」が必要になるので注意が必要。
キッティングを行う際には、新入社員受け入れや人事異動、OS更新のための買い替えなど、数十台以上のPCの導入を余儀なくされることが多いです。
ヘルプデスクなどの業務も兼任する必要がある情シス担当者にとって、場合によってはクローニングの実施のため専門知識を理解したうえでする必要のある「キッティング」は負担のかかる作業でしょう。
「キッティングサービス」ではクローニング作業に加え、PC等IT機器の包装の開封から古いIT機器の回収、「インベントリ情報」収集と管理などLCMサービスに関わる部分まで幅広い作業を代行してくれるため、大企業を中心に活用が進んでいます。
多くのPCキッティング業者では見積もりがブラックボックス化していることが多くあり、相談して初めて費用がわかることもあります。
SBフレームワークス株式会社やヤマトシステム開発など、大手のITベンダーもこの方式をとっています。
そのなかで、「VALTEC」など費用を公開しているところもあります。
スタンダード
少台数で基本的な
設定の方にお勧め
4,980円(税抜)
基本設定
ミドル
PCが届いたらすぐ業務を
始めたい方にお勧め
7,980円(税抜)
基本設定
プレミアム
ネットワーク設定も含めて
細かい設定まで行いたい方にお勧め
12,800円(税抜)
基本設定
キッティング代行サービスの費用は、基本的に少ない台数なら手作業で簡単にキッティングが可能なため、一台当たり約数千円台と費用は安くなります。一方、数十台~数百台レベルなどクローニングの技術を用いてPCキッティングを行う場合には、一台当たり1万円以上と費用は大きくなります。
また、プランを公開している企業の中には「初期費用」が別でついていることもあります。そうした初期費用があるかないかで選ぶのも良いかもしれません。
キッティングの主な作業内容は、機器の組立、配線、OSのセットアップやソフトウェアのインストール、環境設定などが代表的です。
キッティングサービスの主な作業内容は下記のようなものがあります。
選定・調達 | 希望に応じたPCなど端末の選定や調達。 中古端末の販売や機器リースを行っている業者もある。 |
---|---|
キッティング | OSのインストールおよび初期設定、ネットワーク設定、セキュリティ設定、業務アプリケーションのインストールおよび設定、など。 電源を接続するだけで利用できる状態にする。 |
付属品対応 | 周辺機器の接続。 |
前後処理 | 【作業前】端末の導入計画、現状の分析、端末入庫、開封。 【作業後】動作確認、ユーザー拠点へ機器の配送手配、設置後のコンサルティング。 廃材回収もしくは廃棄業者の紹介など。 |
運用支援 | セキュリティ対策、保守、データ復旧サービスなど |
資産管理 | ラベル作成・貼り付け、管理台帳の記録 |
PCに関して、キッティング作業の代行サービスでは以下のような流れで進行します。
Step1計画・設定
・全体スケジュール作成
・エンドユーザーとの折衝、日程調整、事前調整、機器調達
・マスターイメージ動作検証、作成済みマスターイメージの動作確認
・手順書、チェックシート作成
・全国の修理・訪問拠点で対応
入荷
・入荷指示
・入荷時検品
・キッティング作業準備
・進捗管理
・入荷
キッティング
・クローニング
・お客様指定アプリケーションのインストール
・ラベル作成、貼付
・キッティング進捗管理
・キッティング
出荷
・出荷指示
・導入スケジュールに合わせた出荷手配
・出荷
現地導入
・開梱、設置、ケーブリング
・現地環境での設定、動作確認
・最終動作確認(お客様による業務確認テスト含む)
・完了報告書作成
キッティング代行サービスのメリットは以下の三点です。
PCキッティング作業代行サービスを利用すると、自社でセットアップ作業を行うよりも短時間でスピード解決が可能です。
自社で行う場合には、「クローニング」など情シス担当社員の専門知識のレベルにより作業時間が左右されるところも、実績のあるプロに任せることで短期間・最短ルートで作業の遂行が可能です。
キッティング作業代行サービスの利用は、セキュリティ面での対策として有効です。
キッティングを自社内で行うとなれば、作業へのノウハウや知識がなければ工数がかかってしまうほか、そうした中でOS・ソフトウェアのセキュリティまでカバーするのは骨が折れるものです。
キッティングサービス代行ならば、プロの目線から業務遂行に必要なソフトウェアの着実なインストールが可能なほか、設定ミスや対応漏れなどの危険性も徹底的に減らすことが可能です。
PC等IT機器の開梱からセッティングのすべてまでをアウトソーシング可能なため、自社で作業を行う負荷が低減されます。
キッティング作業代行サービスなら情シス担当者の業務を妨げることなく、さらに大量のIT機器のセッティングも可能となります。
PCキッティング代行を選ぶ際は以下の4点に注意して、選ぶとよいでしょう。
PCキッティングサービスの業者への依頼時は、自社の状況をあらかじめリストアップして、各状況に応じた費用対効果のある料金プランを提示するキッティング代行業者へ一任すべきでしょう。
料金プランについては、「数台規模の少数専門」 OR 「自社のキッティングセンターを持ち大規模な代行を行う」など、キッティング作業代行業者でそれぞれ異なります。
多数の機器の作業代行を行う際は後者、壊れた機器数台程度なら前者を選ぶというように、慎重な費用対効果の見極めを行うとよいでしょう。
また、前述したとおり費用に関して「要相談」として問い合わせを通してでしか知ることができないケースがあります。そうした会社へ委託したいときは、「株式会社バルテック」のキッティング代行費用など料金プランを提示している会社で相場を確認した上で相談してみることをおすすめします。相手の営業トークに惑わされることなく、業務委託が可能になります。
サービスの作業拠点とである「キッティングセンター」がどこにあるのか確認すべきでしょう。
代行業者によっては、全国展開といえど特定地域に集中していることもあります。
キッティングサービス選択時には、自社の近隣地域で対応可能なサービスから絞り込むのも一つの方法です。
また、最近ではリモート接続で代行サービスを展開する業者もあります。もし、自社周辺で対応している業者がないならば、リモートサービスの検討もよいかもしれません。
業者ごとでPCキッティング代行の内容は異なります。実際、小規模な業者では大量のPCキッティングは不可能なこともあります。
また、PCキッティングの納期についても、意外と時間をとる業者もあります。
もし、早急なPCキッティングの完了を求めるなら、早期納品を売りにする代行業者を選ぶべきでしょう。
トラブルを未然に防止のため、「IT機器導入がいつまでか」「具体的な台数」をしっかり把握しつつ「台数・納期・料金」のどれへ軸を置くかを念頭におき、サービスの選択に移るべきです。
「キッティング」とは初期設定に関わるものである以上、セキュリティ面でどう対策をしているかを確認すべきです。
PCなど社内のIT機器では、自社の機密情報について取り扱うことが数多くあります。そんなとき、キッティングセンターのセキュリティが甘ければ、情報漏えいになることもあります。
セキュリティ対策をしっかりと行っている業者なら、キッティングセンターへ顔認証システムや防犯カメラの設置や導入をしている場合が多々あります。業者選定時には、セキュリティ対策が万全かを判断材料にすべきです。
ここでは、おすすめのキッティングサービス代行業者を5選ご紹介します。
大企業だけでなく、全国展開でしっかりとしたノウハウのある企業を選定しましたので、皆さんのキッティング作業代行業者選びの参考になれば幸いです。
キッティング作業代行サービス
料金明朗!見積以上の料金は発生しません!
公式サイトより引用
請負可能台数 :1台から250台以上の大規模まで対応
キッティング拠点 :バルテックの子会社が運営する全国のパソコン修理24店舗にて対応可能
料金 :「スタンダード/ミドル/プレミアム」の3プラン
サービスのポイント:
・キッティングサービスは「費用要相談」のケースが多いが、3つの料金プラン設定で分かりやすい。
・キッティングサービスの相談窓口や作業場所として、運営している全国52店舗のパソコン修理24にて対応
・パソコン/スマホ修理専門店のパソコン整備士のスタッフが対応するため、確かな技術力で安心
・親会社のバルテックは、法人パソコンのメーカーでPCに精通
・全てのメーカーに何回でも何台でも対応できるヘルプデスクサービスが月額1500円で利用可能
・無料相談/見積作成可能
出典:ヤマトシステム開発 HP
IT資産運用最適化サービス キッティング
公式サイトより引用
IT資産のライフサイクルマネジメントをヤマトのアウトソーシングで最適化!
請負可能台数:数百台~千台以上可能
キッティング拠点 :東京/大阪のキッティングセンター2拠点体制
料金:状況をヒアリング後個別見積
サービスのポイント
・運輸業で有名な「ヤマトホールディングス」傘下企業が提供
・アウトソーシング業は30年の実績あり
・クローニングのみならずPCメモリ増設や無線LAN無効化も(追加料金は要相談)
出典:クラウドワークス HP
PCキッティングの依頼は「クラウドワークス」へ
PCキッティングの依頼先には、PCレンタル会社やキッティングの代行サービスなどがありますが、比較的安価に依頼できるクラウドソーシングサービス(※)を利用する方法もおすすめです。
公式サイトより引用
なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録ワーカー数が400万人を超えており、PCキッティングの経験豊富な人材を全国各地から探すことができます。
請負可能台数 : 依頼するユーザーによって異なる
キッティング拠点 : 委託するユーザーに要確認
料金 : 検索/問い合わせの上要相談
サービスのポイント
・企業でなく登録しているエンジニアに依頼
・全国に登録ユーザーがいるため全国津々浦々で請け負える(該当地域のユーザーがどれくらいいるかは要検索)
出典:KitPost HP
私たちは、山梨日日新聞社、山梨放送を始めとする山梨県の総合メディアグループ企業のICT部門を担当しています。
情シス担当者のPCキッティング、パソコン初期設定は キッティング自動化ツールKitPostで作業時間を9割カット!
公式サイトより引用
請負可能台数 :数十台~数百台以上
キッティング拠点 : 問い合わせの上要相談
料金 :問い合わせの上要相談
サービスのポイント
・初期費用が掛かってしまうものの三種類のプランあり
・自社のキッティング自動化ツール「KitPost」がある
・USBメモリでのキッティング作業で楽
キッティングサービス
サービスの特徴:
公式サイトより引用
・お客様のご希望に、マルチベンダーで!
・納品後の設定作業を簡略・省略化!
・事前キッティングによる大幅なコスト削減が可能!
請負可能台数 : 250名未満の小規模が基本
キッティング拠点 : 埼玉・愛知など全国に物流センターあり
料金 : 問い合わせの上要相談
サービスのポイント
・キッティングセンターで検査の実施、納品後行う設定作業も簡略・省略化
・全国に物流・キッティングセンター等拠点あり