パーソナルジム開業の基礎知識│無人ジム経営を実現する方法とは?

パーソナルジム・セルフトレーニングジム。低コストで無人/24時間営業をする方法

コロナ禍での外出自粛・施設の利用制限などの影響で、会員者数が減少したフィットネス業界。日常が戻りつつある今、3,000億円強まで落ち込んだ市場規模は、4,500億円まで回復しました。
当記事では、市場回復を牽引する「パーソナルジム」の開業について詳しくご紹介。また、開業をお考えの方に、コストを抑えつつ業務を効率化するシステムをご紹介します。

コンテンツの目次
  1. パーソナルジムとは
  2. 業界の将来性とコロナの影響
  3. パーソナルジム開業が増えている理由
  4. 開業に必要な準備
  5. 開業に必要な資金
  6. 開業を成功させるコツ
  7. 無人・省人運営を可能にする施設予約システム

1. パーソナルジムとは

パーソナルトレーニングは、トレーナーと1対1で行うトレーニングのことを指します。
パーソナルトレーニングの市場規模は1,000億円と言われており、2021年時点で延べ1,000店舗以上が運営されていました。少人数でトレーニングができることから、コロナ禍でも市場規模は年々拡大してきました。

パーソナルジムは大きく2タイプに分類でき、短期集中型/継続型に分けられます。
「短期集中型」では、2か月間など短期間で、集中的にダイエットやボディメイクに取り組むスタイルです。結婚式などイベントを控えた女性に人気であり、店舗数を増やしています。

「継続型」では、月額制または回数券制を採用しており、長期的なトレーニングの継続によって少しずつ効果を出していくスタイルです。トレーナーが専任ではないこともあり、短期集中型よりも比較的縛りが少なく気楽に通える利点があります。

2. 業界の将来性とコロナの影響

2012年から継続して市場を拡大してきたフィットネス市場。2019年には市場規模が5,000億円に近付き、業界史上最高値を更新しました。2010年時点では約3,600店舗であった店舗数は、2020年には7,893店舗に増加。この10年で2倍に増加しています。

10数年余りの市場拡大を後押ししてきたのは、特化型小規模フィットネスです。初心者向けの短時間プログラムやセルフトレーニングマシンに特化したジムなど、小規模のFCチェーンが成長したことが市場を拡大。2020年10月時点で、店舗数のうち約半数を小規模フィットネス施設が占めています。
業態別 全国のフィットネス施設数 コロナ禍では、高齢者の憩いの場としても人気があった「統合型フィットネス(トレーニングマシンやスタジオレッスン・プールなど、広範囲のサービスを提供するフィットネス)」で退会者が増加していました。

コロナ後は市場が回復傾向にあり、一度は3,000億円強まで落ち込んだ市場も、2022年には約4,500億円まで回復しています。

3. パーソナルジム開業が増えている理由

パーソナルジム・セルフトレーニングジム。低コストで無人/24時間営業をする方法

2021年時点で延べ1,000店舗以上、現在も店舗数を増加させるパーソナルジム。開業のハードルが低いことが大きな理由として挙げられます。本項では、パーソナルジムを開業が増加している理由をご紹介します。

理由① 開業にあたって特別な資格が不要

パーソナルジムの開業・経営には特別な資格が必要ありません。
飲食店なら「食品衛生責任者」、美容室なら美容師の国家資格など、開業の際に特別な資格が必要なケースも多いため、パーソナルジム開業のハードルは、他の店舗経営と比べ低いと言われています。

とは言え、全くの素人が急に開業したところで、はじめから成功するとは言い難いです。パーソナルトレーナーとしての知識や経験がある方が信頼を与え集客に繋がります。パーソナルジムという性質上、お客様からの信頼は何よりも大切であるため、開業前にインストラクターやトレーナーとしての職場経験を積んでいくのも方法の1つです。

知識や経験がなければ、開業前のコンセプトやターゲットなどの事業計画を具体的に設定できずに、失敗してしまう可能性もでてきます。

またパーソナルトレーナーとしての実力を証明するために、資格を取得しておくことは、パーソナルジム開業に一役買うので資格取得を検討してみるのもおすすめです。

知名度が高く、多くのトレーナーが取得している人気資格には「NSCAジャパン」「NESTA」「JATI」などがあげられます。

理由② 比較的低予算で開業できる

パーソナルジムの開業に必要な初期費用は規模によって異なりますが、機材購入や店舗改装などを含めても、小さいジムなら300万円程度で始められることが多いです。

日本政策金融公庫総合研究所の「2021年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は941万円となっており、比較的低予算で始められることがわかります。

参照:日本政策金融公庫総合研究所「2021年度新規開業実態調査」

パーソナルジムのいいところは、小規模開業に適している点です。
多くの従業員を必要とせず、大規模な施設も必要としないため、ランニングコスト面でも負担の少ない資金繰りになります。

【番外編:フランチャイズ契約で開業する】
フランチャイズ経営で、パーソナルジムを開業する方法もあります。
加盟金を支払うことで、大手ジムブランドの商品やサービスで経営できる権利を得られるので、知識や経験に自信がなくても、大手の経営・集客のノウハウを活用することが可能です。
ただし、基本的に本部の意向に沿った経営を求められるので、自分で始めるパーソナルジムについてしっかりプランや構想がある方には向かない傾向にあります。
フランチャイズ契約を行ってるジムは、それなりに名が知られているジムであることが多いので、集客のハードルがそこまで高くないことはメリットとして挙げられます。

4. 開業に必要な準備

開業に必要な準備

パーソナルジムを開業するなら、コンセプトやターゲットを明確にし、どのようなサービスを提供すべきか考えることが必要不可欠です。
方向性が明確でないと、事前の準備に不備があったり、コンセプトやターゲットに不釣り合いなものとなってしまったり、失敗に繋がってしまうケースもあります。

開業後に失敗しないためにも、事前に準備しておくべきことを確認しましょう。

パーソナルジムのコンセプトを決める

はじめに、どんなパーソナルジムにするかというコンセプトを決めます。
ジムのコンセプトを明確に決めると、ターゲット選定や絞り込み、ブランディングが自然に決まっていきます。
ダイエットに特化している、女性専用ジム、アスリート向けのジムなど、世の中の需要も考慮しながら設定しましょう。

開業する地域をリサーチ・決定

パーソナルジムの成功には、開業場所の選定も特に重要です。
近くに競合がないか、地域住民の属性はターゲットに合っているか等のリサーチをきっちり行いましょう。

物件を借りる

パーソナルジム開業に関する物件選びには、以下を確認しましょう。また、自分で物件・マシンを用意する開業方法のほかに、個人でジムを借りられる「レンタルジム」「パーソナルジム」などを利用するケースもあり、さらに費用を抑えた開業が可能です。

物件選びで確認すべき事項は以下のとおりです。

・荷重

大きな器具や安全の都合上、とても重量のある器具が多くなります。そのため、床の耐久性はとても重要です。
鉄筋コンクリート造やSRC鉄骨鉄筋コンクリート造の物件を選んだり、1階の部屋を選択したりすると安心でしょう。
さらに、1ヵ所に集中して大きな器具や高重量の器具を置かないなどの配慮が考えられます。

・防音対策

防音に関しても、見逃しがちですが重要なポイントです。騒音などの問題で近隣に迷惑がかかれば、パーソナルジムの運営を続けることが難しくなってしまいます。

前述の荷重と同様に、鉄筋コンクリート造やSRC鉄骨鉄筋コンクリート造の物件を選んだり、フロアマットを設置したりするなど対策するようにしましょう。

・内装

内装工事の費用は、壁や床のクロス貼り・電気・空調・換気設備・給排水設備など、施工する箇所や数により変わります。少しでも費用を抑えて開業するためには、本当に必要な箇所、本当にこだわりたい部分にだけ内装費をかけるのが得策です。

もし居抜き物件があればコストを抑えることができます。設備や内装が整っており、そのまま活用できる可能性があるからです。

前の入居者が立ち退くことになったのか理由を考慮しつつ、検討してみることをおすすめします。住人の属性がパーソナルジムに合っていなかった、騒音など建物の問題など、パーソナルジムの運営に適しているのかをリサーチし直すことで、確信を持って開業に踏み切れるでしょう。

マシンなどの設備

マシンなどの準備も必要です。必要なもの、自身が運営したいジムのコンセプトにあったものを事前に計画して揃えましょう。
フィットネスクラブやトレーニングジムにあるような業務用マシンは、50〜150万円程度で購入することができます。一般家庭用のトレーニングマシンは15〜50万円程度となり、規模に合わせたマシンの選択が大切です。

新品を購入する以外にも、リースやレンタルというかたちで導入する方法もあります。安いものなら、マシン一台を一か月1万円程度でレンタルすることが可能です。

しかし、値段だけを注視するのは危険です。パーソナルジムを経営する以上、安全性が約束されたマシンを用意しましょう。

5. 開業に必要な資金

開業資金

ジムの開業費用は、小規模なジムであれば300~500万円、大規模なものだと2,000~3,000万円ほどが目安です。
(フランチャイズの場合は加盟金が必要となり、相場は100~400万円程度です)

初期費用|イニシャルコスト

初期費用として必要な主な項目は
・物件取得費
・内装工事費
・マシン調達費
・システム契約費
・広告宣伝費

などがあげられます。

物件取得費や内装工事費は、物件の広さによって左右します。
また上記に加え、運営に必要な有料のロッカー・防犯セキュリティ・Wi-Fiなどの導入費用も必要です。

固定費|ランニングコスト

家賃や人件費など、毎月一定の出費となるものです。固定費は毎月の支出であり、一度決定すると簡単には変更できないため、慎重に費用を計算しましょう。およそ目安として70~80万円のランニングコストがジム経営には毎月かかります。

固定費として必要な主な項目は
・家賃
・光熱費
・機器のメンテナンス費
・人件費
・保険料

などがあげられます。

変動費|ランニングコスト

広告やPR活動に関連する費用など、運営方針や戦略によって変わるコストです。
特に集客に関する広告費は、戦略次第で大きく節約することが可能です。Web集客や口コミ集客など、複数の集客方法を併用することで、安定した集客を実現し、ランニングコストを最適化することが節約のカギです。



ランニングコストとしてかかる固定費、変動費は、ジムの規模やコンセプト、立地条件などによって大きく変動します。
事前の計画と定期的な予算の見直しが重要です。
また、開業時には、すぐには軌道にのらない場合も考慮してランニングコストを4か月分以上確保しておくと安心です。

6. 開業を成功させるコツ

パーソナルジムの経営を成功させるコツ

集客を怠らない

SNS集客

SNS集客はFacebookやインスタグラムなどで継続的に発信することで、あなたのパーソナル事務をお客さまに知ってもらうことから始まる集客方法です。
顧客視点が大切で、不安を解消する材料を普段のSNS発信で知ってもらい、問い合わせに繫げていくのがコツです。

口コミ・オフライン集客

口コミ集客はトレーニング現場の満足度から主に生まれます。
「紹介割引」などのキャンペーンも口コミによる集客の1つです。

Web集客

Web集客はHPやGoogle広告から、お客さまに知ってもらい集客に繋げる方法です。
・リスティング広告(広告費をGoogleに支払い、検索画面に表示させる方法)
・SEO(広告費をかけずにGoogle検索画面に表示させる方法)
・MEO(Google検索画面にマップであなたのパーソナルジムが表示される方法)

など多様な方法があります。

ニーズを意識する

パーソナルジムでしっかり集客するためには、顧客のニーズを正しく把握することが大切です。
ジムの周辺環境を考慮し、どのような人がターゲットになるか判断しましょう。
ターゲットによってトレーニングの内容は変わりますし、料金相場も変わってきます。
特徴やコンセプトを明確に押し出すと、集客への対策や、ターゲットへの発信が成功しやすいです。

立地を重視する

立地も重要です。基本ですが、なるべく人通りが多い場所が集客に最適です。駅の近くであれば予定の前後や休日にも立ち寄りやすく通いやすいと感じます。
住宅街にあるスーパーやショッピングモールの近くも地元の人達が比較的通いやすくなります。
「続けられそう」と印象付けることが集客に繋げるコツです。

施設や設備は適切に管理する

設備や管理体制が充実しているとパーソナルジムに対する満足度をあげる事ができます。
トレーニングルーム、ロッカールーム、シャワー室などは、最低限必要ですが、少人数制の場合は、シャワー室・ロッカールームなしのパーソナルジムも増えています。
また、立地にも拠りますが駐車場も用意すると利便性が向上するでしょう。駐車場があると、車で通いたい人のニーズにも応えられます。
しかし、駐車場はそれなりにコストもかかるので、本当に必要かニーズの見極めが大切です。

7. 無人・省人運営を可能にする施設予約システム

パーソナルジムを開業するにあたって、大きな支出となるのが人件費です。業務効率化ツールを使用することで、少しでも人件費を削減・支出を抑えた経営が可能になります。具体的なツール・活用シーンをご紹介します。

パーソナルジムスタッフの業務例には以下のようなものがあります。開業時には人を雇う余裕がない可能性もあり、業務量の増加に伴い労働時間が増加することも予想されるでしょう。インターネット予約など新たなシステムを採用する場合は、従来通りの運用では管理が難しいこともあります。

また、パーソナルジムの運営場所として活用されるような「レンタルジム」「プライベートジム」を運営する場合には、無人営業・24時間営業を求められるため、施設のエントランス・更衣室・個室の鍵の管理などセキュリティ対策が必要です。 ジムスタッフの業務例

業務効率化・省人運営を実現するシステム

バルテックでは、ジムの業務効率化・省人運営を実現するシステムを取り揃えています。幅広いシステムから施設に合わせて必要なものを一括で揃えることができるため、導入・維持の手間を省くことができます。

手ぶらで入退場管理ができる顔認証システム・入場ゲート

ジムスタッフの業務例
会員管理・入場管理に便利な顔認証システム。
約1秒で認証可能なAIシステムにより、スムーズな入退場を実現します。会員証や鍵の受け渡しが不要になるため、紛失や盗難などのリスクも低減することができるうえ、スタッフが常駐する必要はありません。

さらに、入場ゲートと組み合わせることにより、体温検知により規定以上の体温を検知した場合にはアラートを発信、会員以外の共連れや不審者の立ち入りを制限することも可能です。
詳細:顔認証システム・入場ゲート公式HP


スマートフォンで完結する施設予約・スマートロックシステム


入退会や施設利用の予約管理をはじめ、会員の入金・時間貸しの決済が可能な予約システムです。
スマートロックと連携し、予約の際に受け取るQRコードでエントランスや個室の解錠が可能。入会から予約・解錠までをスマートフォンで行うことができます。情報はクラウド上で管理されるため、本部スタッフが管理業務を担うことも可能です。
詳細:施設予約システム公式HP
詳細:スマートロック公式HP


パーソナルジム無人化システムについて詳しく知りたい方はこちら

5. 参考

・矢野経済研究所「フィットネス施設に関する調査を実施(2020年)」
・株式会社oricon ME「オリコン顧客満足度®調査 フィットネスクラブに関する実態調査」
・東洋経済オンライン「24時間ジム「エニタイム」コロナ禍でも強気の訳 国内運営会社トップに聞く勝ち残り戦略」
・ATカンパニー株式会社「フィットネスクラブの市場動向について」
・ながさき経済「フィットネスクラブ業界の現状と展望」
・Fitness Business「フィットネス業界のデータとトレンド」



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日付: 2021/05/14
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