シンクライアントとは?メリット・デメリットと省コストでテレワークを導入する方法

2022年2月3日

シンクライアントとは?メリット・デメリットと省コストでテレワークを導入する方法

コロナ禍でテレワークを導入する企業が増加したことから、「シンクライアント」が注目を集めています。当記事では、シンクライアントの仕組みやメリット・デメリット、コストを抑えたテレワーク導入を実現するシステムを紹介します。

コンテンツの目次
  1. シンクライアントとは・仕組み
  2. シンクライアントのメリット
  3. デメリット
  4. シンクライアントの種類
  5. コストを削減するシステム

1. シンクライアントとは・仕組み

シンクライアントとは

シンクライアントの仕組みシンクライアントとは、アプリの実行やデータの管理をサーバーで行う仕組みのことです。端末からネットワーク経由でサーバーにアクセスし、サーバーに保存されたデータやソフトを使用します。

シンクライアント環境においてクライアント端末(サーバーにアクセスする端末)が行うのは、ネットワークへの接続、キーボード・マウスでの入力、画面への出力のみです。例えば、クライアント端末でWordやExcelなどのソフトを使用したとしても、ソフトや保存したデータがあるのはサーバー側。クライアント端末はネットワーク経由でサーバーにインストールされたソフトを使用し、サーバーに保存されたデータを編集していることになります。

このように、データやソフトの保存に必要な大容量の記憶媒体(HDDやSSD)を持たないことから、「シン(Thin=軽い・少ない・薄い)」「クライアント(Client=クライアント端末)」と呼ばれています。

コロナ禍で需要が拡大

まだパソコンが高価であった1990年代ごろ、高い性能や大容量の記憶媒体を持たないパソコンでもソフト・データ管理ができると注目を集めたシンクライアント。近年では、テレワーク環境として導入する企業が増加しています。
クライアント端末にデータ保存・ソフトインストールが必要ないことから、情報漏えいなどセキュリティ対策をしつつ、どこでもオフィスと同じような業務環境を整えられると人気を集めています。

シンクライアントがテレワーク環境として適している理由について、さらに解説していきます。

2. シンクライアントのメリット

テレワークの様子

メリット① パソコン動作が軽くなる・寿命が延びる

必要なデータはサーバーで管理しているため、端末へのデータ保存は不要です。端末の動作が軽くなるうえ、端末の寿命を延ばすことにつながります。初期投資はかかるものの、端末を長く利用できるメリットがあります。

メリット② 業務効率化

サーバー側でOSのバージョンアップ、アプリのインストールなどの作業を一括管理することが可能です。端末ごとに操作する必要がなく、管理者・利用者の負担軽減につながります。
万が一端末が故障・紛失したとしても、新たな端末にデータを移す必要はありません。トラブルが起きた際にもすぐに業務環境を整えることが可能です。

メリット③ セキュリティ向上

テレワーク導入時の大きな懸念として、セキュリティ面の心配が挙げられます。しかし、シンクライアント端末ではデータを持たないため紛失・盗難時の情報漏えいの心配はありません。また、端末ごとにアプリをインストールすることもないため、マルウェア感染を防ぐことも可能です。

メリット④ テレワーク時

近年では、テレワークの手段として注目を集めています。
データはサーバーに保管されているため、サーバーにアクセスできる端末と環境さえあれば、どこにいてもオフィスと同じように業務が可能です。具体的には、利用しているソフトや保存しているデータを、アクセス側の端末のスペックによらず使用することができます。

また、端末に依存しない仕組みであるため、端末の破損や紛失時にも慌てず対応することができます。別の端末からアクセスすれば同じ環境で業務を継続することができます。災害時に備えたBCP(事業継続計画)対策の一環としても効果的です。

3. シンクライアントのデメリット

テレワークの様子

デメリット① 構築コストがかかる

シンクライアントを導入する際には、端末はもちろん専用のサーバー環境も確保しなければなりません。そのため通常通り人数分の端末を用意するよりもコストがかかる可能性があります。

デメリット② 通信がつながらない場所では利用できない

シンクライアントでは、サーバーとクライアント端末が常に通信を行うことになります。サーバー側の画面を操作する仕組みであることから、基本的にオフライン環境では利用できません。
また、ネットワーク環境の品質が良くないと、レスポンスが遅くなってスムーズに業務できなくなるため信頼性の高い通信環境を準備する必要があります。

4. シンクライアントの種類

シンクライアントの実行方式は大きく2つに分けられます。

【ネットブート型】端末起動時にOSイメージをダウンロードする方式

ネットブート型の仕組みクライアント端末の起動(ブート)時に、ネットワークを介してサーバー上のOSイメージをダウンロードする形式です。ダウンロードしてしまえば通常のパソコンと同じように使用できますが、パソコンを起動するたびに膨大なデータを受け取るため、大容量のネットワークが必要・起動に時間がかかるなどの問題があります。

【画面転送型】全ての処理をサーバー側で行い、画面を転送する方式

画面転送型の仕組み データの保存やソフトの実行・処理などをサーバー上で行い、その結果がクライアント端末の画面に転送される仕組みです。ネットブート型と比べて大容量のネットワークが必要ないこと、クライアント端末の性能を問わないことから、現在では画面転送型が主に使用されています。

画面転送型は3つの方式に分けられますので、それぞれを解説していきます。

画面転送型① ブレードPC型:クライアントごとにブレードPCを占有する方式

画面転送型②ブレードPC型ブレードPCとはCPU・メモリ・ハードディスクなどPCに必要な部品を1つの基盤(ブレード)に集めたPCを指します。クライアント端末と各ブレードPCを接続して使用します。
クライアント端末が個別のPCを占有するため、CADなど高いスペックが必要な処理に適しています。ただし、クライアント端末の数だけブレードPCを用意する必要があり、コストが高くなり管理負担も大きくなるデメリットがあります。

画面転送型② サーバーベース型:同一のデスクトップ環境を複数の端末で共有する方式

画面転送型①サーバーベース型の仕組み1台のサーバー・デスクトップ環境を、複数のパソコンで共有する方式です。
1台のデスクトップ環境を共有するためサーバーが高性能でなくても使用できる利点がある一方で、アクセス集中やソフトの動作不良の場合には全てのユーザーに影響があるデメリットがあります。

画面転送型③ デスクトップ仮想化(VDI)型:クライアントごとに「仮想デスクトップ」を用意する方式

画面転送型③デスクトップ仮想化(VDI)型サーバー上に作成された仮想デスクトップ(=Virtual Desktop Infrastructure)に対して、シンクライアント端末からアクセスする方式です。ユーザー分の端末を用意する必要はないうえに個別のデスクトップ環境を使用できるため、ブレードPC型・サーバーベース型と比べて人気を集めています。
ただし、仮想デスクトップごとにアプリケーションライセンスが必要になる可能性があること、仮想環境の管理に手間がかかることがデメリットです。

シンクライアント端末の種類

シンクライアント端末は4つに分類できます。

デスクトップ型:専用OSなどが搭載されたデスクトップ型PC端末
モバイル型:持ち運びに適したモバイルノートPC型の端末
USB型:既存端末にUSBを差し込んでシンクライアント化するUSB型端末
ソフトウェアインストール型:既存端末にソフトウェアをインストールして使用するソフトウェア型端末

5. コストを削減するシンクライアントシステム

USBを挿すだけで接続、手軽に始めるなら「V-Warp」

リモートアクセスV-Warpブイワープ

特徴① ノートパソコンにUSBを挿すだけ

V-Warpは、会社のパソコン画面を転送して操作できるリモートアクセスサービスです。お使いのパソコンにUSBを挿すだけでアクセスできるため、自宅や外出先でも、オフィスと変わらない環境で業務を行うことができます。

特徴② セキュリティ対策で情報漏えいのリスク減

V-Warpでは、情報漏えいを防止するための対策を行っています。

<アクセスできるデータを限定、転送や印刷を禁止>
決められたフォルダのみアクセスが可能です。ファイルの持ち出しや印刷をできないよう設定できるため、社内の情報が外部に持ち出される危険性はありません。 また、会社のパソコンからアクセス元へデータの転送を禁止。社外で使用するパソコンで情報を保存しないので、紛失等の際も情報漏えいを防止します。

<ウイルス感染の防止>
会社のパソコン画面を転送する方式で遠隔操作するため、自宅と会社のネットワークが異なります。万が一自宅のパソコンがウイルス感染しても、会社のパソコンには拡がりません。

<万が一の紛失にも対応>
管理画面はクラウド上にあるため、USBの紛失時もアカウントを削除し社内パソコンへのアクセスを迅速に停止できます。

特徴③ 1アカウントから利用できる

クラウドタイプのサービスなので機器の設置が不要です。1アカウントから利用できるため、在宅勤務ができる人・できる部署から部分的に始めることが可能です。

特徴④ 業界最安・年間契約の縛りなし

初期費用0円、1アカウント月額2,728円(税込)の低コストで利用できます。年間契約の縛りもないので、必要な時に必要な分だけ利用することが可能です。

→V-Warpについて詳しく知りたい方はこちら

→リモートアクセスV-warpの資料をダウンロード

中~大規模企業におすすめ、細かな接続設定が可能「VALTEC SWAN」

VALTEC SWAN利用イメージ

V-Warpと同様、リモートアクセスやアクセス制限・データ保存の禁止などの機能を備えたリモートアクセスシステムです。VALTEC SWANでは社内に機器を設置し、より高機能なリモートアクセスを実現します。

特徴① 中~大規模(50名以上)の企業におすすめ

機器購入時の初期費用はかかるものの、月額費用はかかりません。利用人数が多く、かつ長期的にご利用になる場合はVALTEC SWANの購入がおすすめです。

特徴② より細かいアクセス設定が可能

リモートでアクセスできるデータの制限だけでなく、閲覧できるWEBサイトやURLを設定できるなど、より細かい接続設定が可能です。

→VALTEC SWANについて詳しく知りたい方はこちら

シンクライアント機能が付属「VALTEC ミニPC」

ミニPC利用イメージ

データレス、パスワードレス、強固なセキュリティ機能を標準搭載した小型パソコンです。
リモートワークが当たり前の時代にどこからでも安全、快適、効率的な働き方を実現。DXにつながる3つの機能を備えています。

特徴① 省スペースミニパソコン

128x128x56.31mmのコンパクトサイズで場所を取りません。そのため、リモートアクセスのホストとして最適。リモート側が中古や性能が低くても Miniの性能に依存するため快適に使えます。
テレワークの多い会社でもミニPCなら並べて使用できるため、スペースを有効活用できます。

特徴② データレス 非力な中古パソコンでも快適動作

外出先、自宅などリモートのパソコン側から社内のMiniへ自動でリモートアクセス。社外パソコンへは情報を残しません。 Mini単体としても購入、お使いいただけます。
高性能CPUを搭載したミニPCがホストになるため、クライアント側のPCは中古など、性能が低くても快適に動作します。クライアントにはデータを残さないため故障、紛失時にも安全です。

特徴③ パスワードレス Saasに1Clickでアクセス

ノートパソコンにログインすると自動で社内のミニPCへ接続。IDパスワード管理ポータルでよく利用するクラウドサービスなどのパスワードを一括管理できます。
よく利用するクラウドサービスを管理者が一元管理。社員個人、退職者しか知らない謎のSaas契約をなくします。年契、月額などの把握と不正アクセス防止につながります。

特徴④ 画面キャプチャ・操作ログ取得

画面キャプチャシステム「MOT/Log」クラウドへ操作画面を自動転送。誰がいつ何を行ったかを記録。業務効率化、DXを推進します。
設定したインターバルごとに自動で画面をキャプチャするため、不正防止にもつながります。

→VVALTEC ミニPCについて詳しく知りたい方はこちら

6. 参考

・カゴヤのサーバー研究室「【図解】シンクライアントとは?仕組みと技術の基礎知識」


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