2022年12月21日
LCMとは、”Life Cycle Management”(ライフサイクルマネジメント)の頭文字を取った略語です。
LCMとは、IT機器やシステムの導入から廃棄に至るまでの一連のサイクルの管理を意味するビジネス用語です。
ただ、簡易な説明だけではLCM(ライフサイクルマネジメント)が具体的にどんなものか、果たして必要性があるのか分からない方も多いはず。
本記事では、LCMについて、その言葉の定義からLCMが必要な理由、LCMのメリット、LCMの必要な企業の特徴とおすすめサービスまで、深堀りして詳しく解説いたします。
LCM(ライフサイクルマネジメント)とは具体的にどういったサービスなのでしょうか。
LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスとは、
企業での「IT資産」の選定・導入・運用・廃棄までの、ライフサイクル全般にわたって、IT資産の管理のお手伝いをするアウトソーシングサービスのことを指します。
このLCMサービスにより、メイン業務にリソースを割けるだけでなく、業務効率化を推進しコスト削減を見込めます。
サービスの内容については、LCMを提供する各会社でそれぞれ異なってくるので、企業ニーズに寄り添う形で適切なサービスを受けることが可能です。
なぜこのLCMサービスを利用するかと言えば、ITシステムを導入する上でライフサイクル全体の業務は莫大なものとなるからです。
企画や設計では「ワークフロー策定」が負担になるほか、構築や運用の面では実際に動く人の数が多く、業務負担は会社にとって非常に大きいものとなります。
運用管理系業務については、売上を上げる上でとにかく生産性は低くなるので、実務への集中を目的として数々の企業がLCMサービスを利用しています。
数々の企業は、IT運用管理の面で悩まされています。
そんな中で、なぜLCMサービスが選ばれてきているのかについて解説いたします。
パソコンの廃棄の際には、ストレージ内にあるデータには細心の注意を払う必要があります。
単純にゴミ箱へデータを移動するだけでは、いとも簡単に専用ツールでファイルを復元され、重要な社内データが盗み出されてしまいます。
もちろん、データの整理や管理のための枠組みは重要ではありますが、実はデータの消去もまた非常に大変なものとなります。
社員の個人情報・経理財務の管理データなど、保護されるべき情報はデータの復旧が極めて困難な形にする必要があります。
ITシステム運用の面で、パソコン機材の置き換えも重要となるので、データ移行に安全なデータ消去のサポートを行ってくれるサービスは極めて効率的です。
総務省が統計法(平成19年法律第53号)の元、一般の統計調査として毎年実施している「通信利用動向調査」の企業編によれば、
テレワークを導入している企業の割合はコロナ前の2019年では「20.1%」と控えめに移ったのに対し、2020年では「47.4%」2021年では「51.8%」となっており、いかにコロナでのIT運用管理需要の増加が企業であったかが伺い知れます。
コロナの影響に加え、スマホの普及や「電子帳簿保存法」などの法改正もあり、LCMサービスはあらゆる企業でIT機器管理・運用のための手段として需要が伸びてゆく可能性があります。
LCMサービスはIT化が急激に進む状況の中で、コスト削減とメイン業務への集中のためには必要なアウトソーシングサービスになるでしょう。
LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスのメリットとしては以下の5つが主に挙げられます。
会社内のIT資産を処分する際には、一般的な方法ではサイバー攻撃の対象とされる恐れがあり、セキュリティ面でのリスクがあります。
LCMサービスを利用すれば、そうしたIT機器内のデータは復元されない形できれいに消去されるため、セキュリティリスクの回避が期待できます。
LCMサービスを利用すれば、導入するIT機器の選定をITの専門家に一任することが可能です。LCMサービス提供会社の持つ技術と経験を軸として、顧客会社の要求やコストとすり合わせつつ製品の選定が可能なため、無駄のないIT機器導入が期待できます。
重ねて、LCMサービス業者によっては必要ソフトウェアのセットアップ等に関しても、マニュアル化に従業員教育まで様々なサポートサービスを提供可能なこともあります。
LCMサービスの利用で、自社でのIT資産管理の必要性がなくなり、本業への集中が可能です。
加えてLCMサービスの利用によって、自社内でIT機器の管理をする必要が消え、その点でも社内の人材リソースの有効活用が可能となります。
さらには、トラブルの発生でもITへの専門知識のある企業チームが担当するため、短期間で解決が可能となります。
もし、自社内だけでIT資産を調達〜廃棄まで管理する場合、各プロセスごとの専門家を雇う必要が出てきます。
そうした人材をリクルートするのに時間・金銭的コストをかけるよりも、LCMサービスを活用することにより、適切な状況下でサポートを受ける事が可能です。
IT資産管理のためだけに従業員を常駐させるコストよりも、必要な場合のみLCMサービスのサポートを受けるコストのほうが安いことは自明のことと言えます。
LCMサービスを活用することで、2030年までに持続可能なより良き世界を作るべく国際目標として国連サミットで制定された
「SDGs」の17のゴールのうちの一つ、
「12 つくる責任 使う責任」
に貢献できることが期待されています。
環境省の「日本の廃棄物処理 令和元年度版」によれば2012年から2019年にかけて、家庭で廃棄される生活ごみの量は緩やかに減少しているものの、企業が廃棄する「事業系ごみ」については横ばいの状況となっています。
こうした状況下で日本の企業では、IT機器なども含む「事業ごみ」リサイクルに取り組むことが求められています。
LCMサービスでは、使用後のパソコンを自然環境に配慮した形で適切に処分するだけでなく、リユース可能なIT機器に関してはデータ消去・清掃を行った後、再利用をします。
先述したように、LCMサービスでは
「調達・導入・運用・廃棄」
の四つのステップを経てIT資産を管理していきます。
各ステップごとに管理方法をご紹介します。
各企業ごとで、IT機器に対して要求される機能やスペックは導入の目的に応じて異なります。
LCMサービスを利用すれば専門家が必要なIT資産の選定を、企業の各部署の状況を加味しつつ、購入・レンタル・リース等の導入方法から最適の調達方法を提案してくれます。
LCM導入業者の中には、選定機材の調達の際に物流会社とも提携しつつ、様々な拠点への配送まで一括で代行してくれるサービスを提供する企業もあります。
導入目的が明確なら、調達後の運用設計や移行計画等、持続的なIT資産の運用のための提案を受けることも可能となります。
「導入後のIT機器を適材適所に配置した後、アカウント管理やアクセス権限の設定を行い、OSや業務用ソフトウェアのインストールを行い、利用可能な状況の整備を行う」手順は、”キッティング”と呼ばれます。
大規模なシステムや一気に大量のIT機器導入を行う際は、この「キッティング」に多大な時間や手間をかける必要があります。
重ねて大規模なシステムの刷新を行う際は、古いIT機器の廃棄に加え新しいIT資産へのデータ移行を数多く行う必要があるため、重大なセキュリティリスクが生じます。
LCMサービスの利用により、最適化された設定の中で短期間・安全性のあるキッティングを行うことが可能となり、専門家の対応でセキュリティリスクの低減が期待されます。
キッティングとは?効率化する方法と注意点も分かりやすく解説
記事を読む導入後のIT機器の継続的利用のためには、トラブル発生時の原因調査や、代わりになる機器の導入とキッティングを行うなど、問題解決能力が求められます。
LCMサービスならば、自社だけなら専門家の確保と情報システム部の刷新を行う必要があるところを、トラブル対応に加えヘルプデスク業務も管理してくれるため、必要なサポートを最小限のコストで受けられます。
IT機器廃棄のためには、データ消去とハードウェア撤去を行う必要があります。 重ねてもしレンタルのIT機器なら、返却作業を行う必要が出てきます。
そうした場合、必要なデータの抜き出しやバックアップを取ったのち、使用したIT機器内部からデータを完全に除去する「データ整理」が必要になります。
LCMサービスならば、こうした廃棄時のデータ管理にまつわる業務を一括で行ってくれます。
加えて、廃棄予定IT機器の買取にマテリアルリサイクルやリユースなどの提案をしてくれるため、IT機器投資率の上昇が見込めます。
LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの利用によって、コスト削減、IT機器の安全・社会意義ある運用管理、セキュリティ対策強化など様々なメリットがあることを今まで解説しました。
では、LCMサービスの利用がおすすめな企業とは、どんな企業なのでしょうか。
パソコン等のIT機器導入を行う際は、あらゆるソフトウェアの導入にセキュリティも含む各種設定が必要です。
こうした作業は、部署など1グループ単位で最適な方法の選択を行う必要があります。
よって、もし各部署にパソコン導入に詳しい社員がいないなら、業務効率が著しく下がることが予想されます。
そうした企業であればLCMサービスの利用はうってつけでしょう。
LCMサービスの利用がおすすめな企業として、IT機器を数多く導入する必要がある大規模な企業も挙げられます。
会社規模が大きい場合、相当数のIT人材の確保と、ヘルプデスクや情報システム部門での大がかりなIT機器の運用管理が必要となります。
また単純に人手不足だったり、遠隔地へのIT資産管理の徹底が難しいといった事情を抱える企業も多くあります。
こうした場合、トラブル発生時の情報漏えいが発生するリスクや、着実なIT機器更新が出来なくなる恐れなどが出てきます。
LCMの専門家のチームならばリスクの軽減が期待でき、必要な時のみの業務委託が可能となるため、複雑な状況下でも柔軟性を持ちつつ、低コストで実現可能です。
固定資産管理とは?運用方法など基礎知識を徹底解説!
様々な企業がLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを提供している中、どのような会社やサービスを選べばいいでしょうか。
1.サポート店舗の多さ
調達・導入・運用・廃棄まで多岐にわたるサポートを委託する場合、なかなか電話が繋がらないことやすぐにサポートが受けられないなどの待ち時間が発生してしまえば大きな損失に繋がる可能性もあります。
自社の近くにサポート店舗があること、また店舗数なども確認しておくことが大切です。
2.一社でどこまでサポートしているか
PCの調達やキッティング、データの消去から廃棄までを別々に選んでしまうと、時間もかかりコストも大きく膨らんでしまう要因になります。
サービスを選ぶ場合、一社でどこまでのサポートを行える会社かをしっかりと確認しておきましょう。
3.PCに特化した会社かどうか
大切な会社PCを始めから終わりまでお任せにしてしまう場合、PCに信頼のおけるスペシャリストかどうかを確認しておくことが重要でしょう。どのようなサービスや商品を扱っているかも見ておきましょう。
そうした会社の中でLCMを導入するなら「株式会社バルテック」のIT運用管理サービスがおすすめです。
株式会社バルテックは、IT機器の開発・製造メーカーで法人用ノートパソコンや、テレワーク用MiniPCを製造・販売しています。
また、バルテックグループの子会社のバルテックフィールドサービスは、製品の保守メンテナンスをするパソコン修理店舗を全国52店舗、工事会社の拠点を150か所以上運営・提携しています。
そのバルテックグループがワンストップでパソコンの導入から、キッティング、工事、ヘルプデスク、廃棄まで一貫したサポートの対応が可能です。
全国を網羅している拠点、店舗があるため、お近くの拠点にてキッティングの対応をしたり、トラブルがあれば全国どこでもすぐ駆けつけることができます!
『パソコン設定サービス』は自社に合ったPCの購入からキッティング廃棄までのITアウトソーシングをワンパッケージにして提供するサービスです。
個人の部署ごとで行うとばらつきが出てしまうPCの購入も一括でサポートし社内のPCを標準化、仕様に基づいてハードディスク、メモリなどのキッティングを行います。
既存のパソコンの回収や廃棄データの消去等も一括で行えます。
Windows8.1〜10などのサポート終了によるセキュリティリスクが懸念されるPCのリプレース作業も請け負います、メモリの増設やSSD置換など現在お使いのPC 買い換えることなくより使い勝手の良い仕様に変更することができます。
社内のIT機器やソフトウェアなど、どれだけの資産があり誰がどの機器を使っているかなど、完全な把握が難しいIT資産。『MOT/HG』を利用すれば専用システムで一括管理し、資産番号をラベルとして印刷できるため資産の認識が容易になります。 導入実績27,000社のクラウド電話MOTシリーズの資産管理システムとして、様々なビジネスシーンに寄り添った使いやすいシステムとなっています。
情シスITサポートは社内のネットワーク状況を常時監視しネットワーク障害があった場合にリモート・電話で対応。ネットワークに負荷がかかっている部分なども見つけることができます。 忙しい社内T担当や、情シスに代わってネットワークの不具合やパソコン設定のトラブルなどを 解決します。