ファイル共有サービスの選び方とお勧めのサービス

ファイル共有サービスの選び方とお勧めのサービス

かつては企業のファイルを他社が運用するクラウド上サーバーへ保存することに対して、違和感や不信感を抱く企業も多かったですが、2011年の東日本大震災、そしてコロナ禍を経て、それも当たり前になりました。

ただ、注意点も同時に存在することも確かです。今回は、ファイル共有サービスを利用するうえでの注意点や、お勧めのファイル共有サービスに関してお伝えします。


ファイル共有サービスとは?

ファイル共有サービスでは、手元PCにあるファイルを主にクラウド上にあるファイル共有サーバーにアップロードし、外出時にアクセスして利用したり、他の人とファイルを共有することができます。また、ファイル共有サービスによっては、チャットや会議システム等も提供するものもあり、単にファイルを共有するだけなくコミュニケーションツールの一つであるとも言えます。

ファイル共有サービスには、他の人とファイルを転送することに特化したファイル転送型と、社内のファイルサーバーと同じようにファイルの置き場として利用する、クラウドストレージ型がありますが、今回は「クラウドストレージ型」に的を絞ったお話になります。


ファイル共有サービスが普及した理由

ファイル共有サービス自体は他のクラウドサービスと同様10年程前から普及し始めました。それ以前から存在していましたが、当時は自社のファイルを他社が運営するサーバーに置くことに抵抗がある企業が多かったことと、現在と比べストレージの費用が高かったことから、サービスを提供する企業は多くはありませんでした。

他のクラウドサービスと共に普及し始めたファイル共有サービスですが、コロナ禍によりテレワークが推奨されると、一気に普及することになります。会社にあるファイルサーバーは社外から利用することができないからです。コロナウィルスの流行は急激に起こったため、それまでクラウド上のファイル共有サービスを利用してこなかった企業は、サービスの選定や導入、そして社内向けの利用規定の策定を急ピッチで行う必要がありました。

企業によってはクラウドファイル共有サービスの正式導入が間に合わないケースもあって、仕方なく無く無料のファイル共有サービスが利用されることもありました。


無料のファイル共有サービスをお勧めしない理由

無料で利用できるファイル共有サービスは気軽に始められるというメリットがありますが、同時にデメリットもありますので注意が必要です。


データ消失の際の補償(特に無料版)

シャドーITという言葉がありますが、会社に無断で利用するファイル共有サービス、特に無料のサービスは会社で利用するには問題が多くお勧めしません。別手段を導入して対策を打つべきです。

無料で利用できるファイル共有は法人向けのセキュリティ機能がなく、ユーザーアカウントの管理もそれぞれのユーザーに委ねられ、一元的に管理ができません。

また、データの漏洩や、消失が起こった場合の補償に関して、無料のファイル共有サービスの規約はサービス提供者を守るような条件になっていることが多く、結局ほとんど、または何も補償されないというケースが多いのが現状です。


IPAがクラウドストレージの脆弱性対策を呼びかけている

10月19日にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が重要なセキュリティ情報として「クラウドストレージの脆弱性」を発表しましました。

以下、一部抜粋しますが、IPAでも適切に運用されていないクラウドストレージ(ファイル共有サービス)が多く存在していると認識しているようです。

“インターネットに接続されたクラウドストレージの脆弱性を悪用した攻撃が継続しております。特に、国家を背景としたAPT攻撃などに関わる事案も確認されており、組織間のデータ授受をメール以外で行うことも多い昨今では、特に注意が必要です。

重要な脆弱性情報についてはIPAでも継続的に注意喚起を行っておりますが、クラウドストレージが広く利活用されるなか、未だ適切な対応がなされていない運用組織が多く存在していることを懸念しています。“

(出典:独立行政法人情報処理推進機構 「クラウドストレージの脆弱性」)


こういったことも指摘されていますので、特に無料のファイル共有サービスをビジネスで利用することはお勧めしません。


お勧めのファイル共有サービス

今回お勧めとしてご紹介したいファイル共有サービスは「コネクトガード」です。


コネクトガードとは

コネクトガードはMOT/DX Serverのオプション機能ですが、最大の特徴はこれまでのクラウド型のファイル共有ではなく、脆弱性が殆ど無いオンプレミス型のファイル共有サービスであるとことです。

ファイル共有サービスコネクトガードの構成図

コネクトガードは20年、28,000本以上の出荷実績をもつSWANStor (スワンストア) の技術を利用したこれまでに無い安全なファイル共有サービスで、オンプレミス型の他、以下のような特徴があります。


コネクトガードの特徴

特徴1)オフィスに居る時と同じ操作感
クラウド型のファイル共有サービスの多くは、ブラウザーを利用してアクセスして利用します。そのためサービスによっては、会社のファイルサーバーとは大きく使用感が異なり、不便を感じることがあります。

コネクトガードでは社内で利用しているファイルエクスプローラーをそのまま利用して、社外から社内のファイルサーバーへアクセスするので、会社内に居る時と同じようにファイルの操作を行うことができます。

コネクトガードの特徴1:社内と同じ使用感

特徴2) 排他制御も利用可能
「排他制御」とはエクセルなどのファイルを同時に編集させないために制限する仕組みです。社内のファイルを直接開くコネクトガードでは、「排他制御」を利用することができるので、エクセルが同時に編集されてファイルが複数作成されることを防ぐことができます。

コネクトガードの特徴2:排他制限も利用可能

特徴3)VPN、ネットワーク工事不要で導入可能。
オンプレミスのサーバーへアクセスするには通常はVPNの導入が必要ですが、コネクトガードではVPNも、ネットワークの工事が不要です。 簡単に開始することができるうえ、VPNと異なり認証情報などは安全な社内に格納されるので、安心してご利用頂けます。

コネクトガードの特徴3:ネットワーク工事不要で導入可能

特徴4)アクセス権限
コネクトガードではMOT/DX Serverのアクセス権限設定機能を利用することにより、共用フォルダ、Aさん専用フォルダ、Bさん専用フォルダ等、利用者毎にフォルダへのアクセスを管理することができます。

コネクトガードの特徴4:アクセス権限を設定可能

コネクトガードの活用例

コネクトガードは社内での利用はもちろん、取引先とのファイル共有にも活用でき、脱PPAP対策としても有効です。

活用例1) 他社とのファイル交換手段として(自動車部品メーカー)
「それまで、協力会社等に部品製造に必要な書類等をパスワード付きで暗号化し、メールで送ってもらっていた企業がMOT/DX Serverとコネクトガードを活用することによって、協力会社毎にフォルダを作成して、必要書類をアップロードしてもらうことになりました。

コネクトガード活用例1:他社とのファイル交換手段

通常のメールと異なり、通信も暗号化され、脱PPAPにもなり、より安全にファイルを共有することが可能になりました。

活用例2) MOT文書管理との連携
MOT/DX Serverには電帳法、インボイスに対応したクラウド型文書管理サービスであるMOT文書管理へ必要書類をアップロードする機能があります。同機能とコネクトガードを活用することにより、見積書、請求書など必要書類を支店等の遠隔地からコネクトガード経由とMOT/DX Server経由でMOT文書管理へ送信することが可能になります。

コネクトガード活用例2:MOT文書管理との連携

これにより通信が暗号化されていない一般的なメールで必要書類を送る必要がなくなり、脱PPAP対策になると同時に、より安全にファイルを共有、適法に保管することことが可能になります。


コネクトガードの安全性(VPNとの比較)

VPNは遠隔地にある事務所同士や、社外に持ち出したPCと事務所を、インターネット上で仮想的に同じネットワークで結ぶ技術です。VPNで会社と結ばれた持ち出しPCは、会社に居るときと同じように会社内で共有されたファイルサーバー、プリンター等のリソースにアクセスすることができます。

VPNの構成図

VPNは便利な一方、アクセス元PCがランサムウェアなどのマルウェアに感染してしまった場合、会社とアクセス元PCが仮想的に同じネットワーク上にあるVPNでは、そのVPNを介してアクセス元PCから社内へマルウェアが拡散されてしまう可能性があります。

VPNではネットワークを介してマルウェアが拡散する

最近のランサムウェアの被害はセキュリティパッチをあてていないVPN装置の脆弱性を狙われたものが増えてきています。こういったVPNを踏み台にした攻撃ではランサムウェアの拡散だけでなく、社内情報を持ち出されてしまいます。

VPNは外部からのアタックに弱い

VPNと比較した場合、コネクトガードはアクセスする端末、中継サーバー、社内のネットワークは別々のネットワークになっています。

そのため、アクセス端末がマルウェアに感染したとしても、ネットワークを介して本社にまで感染が広がるということはありません。

コネクトガード構成図2:ウィルス拡散に強い

また、VPNと違い、直接インターネットに晒されている部分が無いため、運用上セキュリティパッチを適用する必要が殆どなく、安全にファイル共有を行うことが可能になります。


各種ファイル共有サービス比較

他のファイル共有サービスと比較すると、コネクトガードの価格は低く抑えられています。利用できるストレージは最大ではありませんが、価格に対してバランスよく設計されています。

ファイル共有サービスの比較

↓↓コネクトガードについて詳しくはこちら↓↓

コネクトガード

*コネクトガードの利用にはMOT/DX Serverが必要です。


まとめ

オンプレミス型のファイル共有サービスであるコネクトガードは、クラウド型のファイル共有サービスやVPNに比べ、ファイルを社内に置いたまま安全に運用することが可能です。

また、MOT/DX ServerはMOT文書管理など、バルテックの他のサービスとの連携を考えられているので、容易に機能を拡充させることが可能です。


日付: 2023/12/18
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