低価格で高級エステマシンを利用できると人気の「セルフエステサロン」。コロナ禍で打撃を受けたエステティック業界の中でも盛り上がりを見せている一方で、「自分で施術をする」ことによる危害トラブルも報告されています。当記事では、セルフエステ開業のメリット・デメリット、トラブル事例と対策をご紹介します。
- コンテンツの目次
- 開業メリット・新規参入増加の理由
- 開業デメリット・リスクと対策
1. 開業メリット・新規参入増加の理由
メリット① 高まる需要、顧客層も拡大
10代・20代の女性を中心に人気を集めるセルフエステ。自分で施術を行うことによる低価格化に加え、「好きな箇所を好きなだけ施術できる」「スタッフに肌・体を見られたくない」「人と話さなくていい気楽さ」など、従来のエステ利用者とは異なるニーズを満たしていることが分かっています。
また、近年では男性客専門店も増加。「エステは女性が受けるもの」というイメージが強く足を運びづらいと感じていた男性客から人気を集めています。実際に、2014年に開設された男性向け美容医療クリニック「ゴリラクリニック」は、6周年を迎える現在店舗は19院に増加、患者数も34倍に成長しました。
→メンズ美容流行の理由・男性向けサロンについて詳しく知りたい方はこちらメリット② サブスクリプション方式で収入が安定
売上の浮き沈みが少なく、安定した経営基盤を作ることが可能です。会員一人当たりの利用料金は安いものの、人件費が抑えられること、マシンのメンテナンス費用もそれほど高額にならないことから利益率が高いと言われています。
また、契約者数と利用者数は必ずしも同じでないため、利用者が少なくメンテナンスが必要ない時にも一定の売上をあげられることが大きな魅力です。
メリット③ 人件費を抑えられる
セルフエステでは利用者自ら施術を行うため、特別な資格を持ったスタッフを雇う必要はありません。そのため、人件費やスタッフ教育のための研修費を安く抑えることができます。
初回利用者への案内や機器の使い方の説明、トラブル発生時の対応のためにスタッフを待機させているサロンが多くあるものの、常時数名のエステティシャンが待機しているサロンに比べると人件費は格段に抑えることができるでしょう。人件費削減に加え、スタッフの退職による求人募集などバックオフィス業務の負担も削減することができます。
メリット④ 未経験からの開業も可能
開業にあたり特別な技術や資格は必要ないため、未経験でも開業可能です。さらに、フランチャイズに加入すれば本部のブランド力や確立されたサービスを使用することができます。仕入れ・販売・集客・採用・商品開発など、ビジネスで必要な要素をパッケージ化することで、未経験者でも利益を出せるよう構築された仕組みを活用できるのです。
メリット⑤ 開業資金に合わせて事業規模を調整できる
初期費用の大部分を占めるのは、エステマシンの設置費用です。最新機器・性能の良いマシンの導入には費用がかかるものの、利用者が最も重視するポイントであるため妥協は許されません。
セルフエステでは、開業資金に合わせてマシンの台数・性能を調整することができます。マンションの一室など省スペースでの開業も可能であり、開業資金に合わせて柔軟に対応できることも魅力のひとつです。
→セルフエステの開業費用・内訳を詳しく知りたい方はこちら2. 開業デメリット・リスクと対策
多くのメリットがあるセルフエステ開業ですが、もちろんデメリットもあります。特に、最大の特徴でもある「利用者による施術」は、マシンの使い方を間違えると肌トラブルやケガにつながるため細心の注意が必要です。トラブルが起きやすい契約時・施術時のトラブル事例と対策をご紹介します。
契約時のトラブル
国民生活センターの発表では、美容医療サービスに関する相談が2014年より増加していることが分かります。
<具体的な事例> ・「100円キャンペーン」という広告をきっかけに契約したが、精算方法の説明がなく高額な請求をうけた
・断っているのに「今日契約すれば入会金無料」などと勧誘された
・解約を申し出たところ、3カ月間継続しなければ違約金が発生する契約だと言われた
セルフエステでは契約前にカウンセリングを行う店舗は少ないため、過剰なセールスを受ける機会は通常のサロンよりも少ないと考えられます。
しかし、同時に契約内容や料金・解約に関する決まりなど、トラブルになりやすいトピックについて詳しく説明を行う機会もなくなります。後々トラブルに発展する恐れがある重要事項の確認だけでも、スタッフが対面で説明するなど工夫が必要です。
施術時のトラブル
セルフエステでは、家庭用の美容機器よりも効果が強い業務用マシンが貸し出されています。細心の注意が必要なマシンを利用者自身が取り扱うため、施術後に肌や神経トラブルなどの危害が報告されている例もあります。
国民生活センターから注意喚起も発表されているため、設置を検討しているマシンや施術内容について、事前に情報収集を行いましょう。
<具体的な事例> ・HIFU(ハイフ)機器を自分で操作し顔にあてたところ、唇の神経を損傷した
・HIFU(ハイフ)機器を自分で操作し、顔のリフトアップをしたら耳などに不調が生じた
・痩身エステでラジオ波や超音波が出る機器をあてて脚に熱傷を負ったが、店舗に一切責任はないと言われた
多くのセルフエステサロンでは、初回利用時は機器の仕組みや人体への影響、操作方法などをスタッフが説明しています。また、2回目以降の利用でスタッフが待機していない時間でも、動画で使い方を確認できるよう対策をしています。操作方法の他にも、万が一機器が故障した場合や危害が発生した場合の対処方法について、事前に十分な説明を行いましょう。
3. 参考サイト
・株式会社 サムライ・アドウェイズ
「フランチャイズでセルフエステを開業する場合の初期費用やランニングコストは?」 ・株式会社フォレストシンフォニー
「セルフエステ開業は儲かるのか?サロンのリスク含め徹底解明」 ・独立行政法人国民生活センター
「「セルフエステ」の契約は慎重に検討しましょう!」 ・株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー
「セルフエステ利用経験率はフェイシャル6.3%、痩身4.1%、脱毛5.6%。フェイシャル・脱毛ではセルフの理想金額がスタッフ施術エステを上回る」 - 店舗無人化システムの詳細はこちら
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