2023年4月11日
飲食店の開業の上では、食材や備品の仕入れ先をどうするかは悩みどころです。
仕入れの際に配送までを管理してもらうか、はたまた自身の足で調達すべきと考えるかなど、仕入れではあらゆる選択肢があります。
本記事では、仕入れ先の探し方のポイントから、おすすめの仕入れ業者、仕入れコストを抑えるコツまでをご紹介します。
飲食店の仕入れ先を探すうえでは、いくつかの抑えるべきポイントがあります。
ここでは仕入れ先の探し方における3つのポイントを解説します。
まず、メニューをしっかりと決めたうえでレシピと予算についてある程度決めておくと、仕入れでのミスを防ぐことが可能になるでしょう。
メニューを決めるうえでは、ネット上の情報や情報誌等も参考になるでしょうが、一番はコンセプトの似た繁盛店に足を運んで、メニューを確認し実食することがよいと言えます。
なぜその飲食店が繁盛しているのか。メニューをコンセプトからどのように逆算して決めたのか。仕入れ先はどこだろうか。このように考えてみることで、自分の店舗のメニュー構成とその食材の仕入れ先が決まってくるかもしれません。
食品の仕入れの際は、「原価率」を想定しておくと仕入れ時の失敗が少なくなるかもしれません。
一つのメニューの売り上げに対して、材料費総計がどれくらいの割合となるかを表す数値のことが「原価率」で求めるためには、
「総仕入れ額 ÷ 売上高 × 100」で計算が可能です。
基本的に原価率は25%~30%程が目安とされています。
こうした原価率はある程度設定すると、各食材それぞれで掛けられる原価が決まり、費用内で購入できる仕入れ先が絞られてきます。
仕入れ先は、「うちは卸売業者だけ!」などなるべく一つに集中させず、同時にネット通販に登録するなど複数の仕入れ先を持っておくとよいでしょう。
仕入れで失敗しないためには、どの食材をどれほどの価格で仕入れるかを考えることが重要です。というのも、仕入れ先に応じて得意不得意が存在するためです。
市場 =生鮮食品の品揃えが豊富
ネット通販=様々な品を取り扱うも、都合上冷凍された食品が多め
というように、仕入れ先に応じてどの商品に特化しているかが異なってきます。
こうした仕入れ業者の「合わせ技」をしておくと、業者の取り扱うことのできない商品をすぐに仕入れられたり、食品の欠品が起きた際に速やかな対応ができたりするため、大変便利と言えるからです。
それ以外でも、仕入れ先の良い面をつなぎ合わせる仕入れ方も可能になります。
魚や肉類は市場でこだわり抜いたものを仕入れつつ、資材や調味料はカタログ通販で、野菜は鮮度にこだわって農家から直送にするなど、足りない部分を相互に補ったり、良い部分をミックスできたりする仕入れがベストと言えます。
食品を実際に仕入れる際には、どのような業者から仕入れるべきなのでしょうか。
以下の5通りの方法が基本です。
・市場
・近隣小売店
・業務用の専門スーパー
・卸売業者(Web系)
・卸売業者(食品総合卸)
これらの中から、必要な物品を仕入れる先を決めていくのが良いでしょう。
価格競争力 | 品揃え | 配送 | 手軽さ | 見積もり | 掛け払い | |
市場 | 高 | 高 | あり(一部なし) | 高 | 不要 | あり(一部なし) |
近隣小売店 | 低 | 低 | なし | 高 | 不要 | なし |
専門スーパー | 高 | 高 | なし | 高 | 不要 | なし |
卸売業者(総合卸業者) | 高 | 高 | あり | 低 | 必要 | あり |
卸売業者(Web系) | 低 | 高 | あり | 高 | 不要 | あり(一部なし) |
食品の仕入れでまず思いつくのが「市場」でしょう。
特に市場で仕入れをしたことをアピールするのは、飲食店のブランド力の強化の面でもいいとまず思われるでしょう。
どんな県にも中央市場があり、様々な食材が集まるほか、鮮度よし・種類豊富で飲食店経営者や地域の住民にも愛される場所となっています。
長年の目利きの経験のある仲卸の人から様々なアドバイスを受けれることに加え、地元の希少な食材が流通していたり、小売価格よりも安い値段で仕入れができたりと様々なメリットがあります。
その反面、「市場のルール」にこちら側が合わせる必要がある点はデメリットと言えます。
一週間に二日程度「休市日」が存在したり、早朝だけ取引をする必要があったり、買い付け~支払いまでのシステムが複雑で分かりづらかったりなど、独特な市場のルールに合わせなければ仕入れができない点は留意しましょう。
代表的な市場
大阪
出店地域に数多く存在する八百屋や、一般人の利用するスーパーなどの小売店は、日本全国に点在し、家庭で買うような一般的な食材の場合はたいてい仕入れることができます。
飲食店が仕入れをする上で、こうした小売店は、配送サービスが無かったり、掛け払いがないなどの理由で合わなかったりすることが多いです。
また、一般向け価格のため、価格も安くは有りません。
ただ、営業中で何か足りない食品がある場合は利用して商品を買う、などの応急処置には向いていると言えます。
代表的な小売店
八百屋・魚屋・肉屋
スーパーマーケット等
業務用専門スーパーは飲食店などの専門業者向けに展開するスーパーです。
中には登録制のプロ専門スーパーなどもあります。
品揃えは豊富でかつ、大容量の食品・商品を比較的安価に購入できることがポイントです。
また、実際に珍しい食品も含む商品を見て購入し、かつそのまま持ち帰ることができる点も注目すべきでしょう。
ただし、近くに同様の店舗がない場合はアクセスがしづらい点や、現金対応が基本となり、掛け払いが難しい点などはデメリットと言えるでしょう。
代表的な業務用専門スーパー
メトロ= 登録制プロ専門スーパー
アミカ・業務スーパー =一般の人も利用可能な業務用スーパー
コストコ=登録制だが一般人も利用可能な業務用スーパーの一種
など
「食品総合卸売業者」は特に優良な選択肢として、飲食店事業者の方は思い浮かべるでしょう。
現在も多くの飲食店事業者はこの卸売業者経由で仕入れをすることが大半です。
担当営業相手に、仕入れたい商品を伝えて見積もりの発行をお願いし、そこから値段の交渉を経て仕入れ価格が確定したのち、商品がお店へ届くというような取引の流れとなっています。
複数社の会社と付き合いをした上で、どの会社が安いかを見極めるための「相見積もり」を行うなどの方法で仕入れをする場合もあります。
また、最近の卸売業者は、多種多様な商品の記載があるカタログまたはネットのリストから重要なものを注文し、商品の一括届けをお願いできるサービスも行っています。
小売店とは異なり、店舗へ直接配送が可能だったり、掛け払いが可能だったりと、飲食店に特化していることがポイントです。
ただし、新しい商品の依頼の際には見積もり請求が必要な他、ケース売りしか対応が無かったり、急な需要には対応できなかったりなど、卸売業者ならではの問題も存在するので注意が必要です。
代表的な食品総合卸売業者
三菱食品 日本アクセス 伊藤忠食品 ヤマエグループなど
最近ではネットの普及により、PCまたはスマホ一つで通販サイトから購入や発注が可能となっています。
各顧客のニーズに沿った対応をしてくれる業者も多いほか、翌日到着を売りにするサイトもあります。
品ぞろえも豊富で割安価格で仕入れられるだけでなく、時間を問わない発注が可能な今どきの仕入れ方法といえるでしょう。
代表的な卸売業者(Web系)
MICREED(ミクリード)
食彩ネット
Mマート
など
飲食店での仕入れにおいて、食材、酒類、備品の多くは、ケース単位での大量発注の方が単価を安くできる場合があります。大量発注には初期コストがかかりますが、長期的にはコストダウンに繋がることが多いです。
ただし、大量発注する場合には、保存期間の長い食材を選ばなければなりません。酒類や備品は長期保存に適していますが、食材は日々消費する必要があるため、トマト缶・オリーブオイルなど、確実に消費できる食材を選択することが大切です。
卸業者の中には、価格相場が下がっているにも関わらず、提示価格を変更しない場合もあります。そのため、市場情報のキャッチが非常に重要です。仕入れ先とのコミュニケーションも欠かせません。仕入れ先との交渉により、価格が下がることもあれば、新鮮で安価な食材が入荷した場合は紹介してもらうこともできます。
仕入れ先と話すときには、別の卸業者からの見積もりを持参することが有効です。見積もりは価格交渉の材料になり、新しい仕入れ先を見つけるきっかけにもなります。定期的な仕入れ先との話し合いは、より効率的な仕入れを実現するために必要不可欠です。
飲食店の開業は、自身のキャリアや資金をかけて行う
人生のなかでも有数の決断であり、チャレンジとなることでしょう。
いざ開業準備を進めるなかで、
「食品の仕入れ先はこれでいいのかな」
「専門家に聞かないと分からないことがある」
「仕入れについて相談できる相手がいない」
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