2023年4月5日
飲食店開業の上で備品や設備は必ず必要になるものです。
ただ、備品をまとめるリストの作り方はどうすべきか、どこから備品・設備を仕入れるか等のことで分からない方も多いはずです。
本記事では、飲食店開業の上での「備品・設備」について解説いたします。
飲食店開業のために必要な4ステップについてはこちらで解説
どのような設備や備品が必要なのかは、飲食店で提供するメニューとその提供方法から逆算して考えるのが基本です。
例) ステーキを提供する場合
ステーキは熱々の鉄板で提供したい
⇒鉄板プレート・木台 ・プレートをつかむためのハサミ
ステーキの加熱方法は?
⇒ガスコンロ OR ガスオーブン
ご飯やサラダなどのセットメニューも用意する
⇒茶碗 OR ごはん皿 / サラダ用の小皿 +ドリンクも付けるならグラス
ソースを別皿で用意する
⇒ココットなど小皿
まず、自分の店舗で提供したいメニューやその提供方法を決めておくことは前提と言えます。
もし、それらが決まっていないなら、自身の飲食店のコンセプト等から考えて早めに決めておくようにしましょう。
備品をそろえる際は、一つ一つの工程を計画的に進めていくことがポイントです。
必要になる備品は多種多様なため、複数の工程に分けつつチェックリストを作り、計画的に進めることができなければ、備品の取り揃えの際にモレやダブりが発生することも想定されます。
もし備品の抜け漏れに不安がある場合は、近隣の飲食店を訪れることもおすすめです。
他の飲食店に行くことで、自分が必要とする備品を見つけることもできるため、備品のリストアップに役立つかもしれません。
備品を整理するためには、書き出した備品を分類することが大切です。
分類することで、備品を揃える計画が立てやすくなります。
分類の方法は自由ですが、「厨房」「客席」「レジ」「消耗品」「清掃用品」「事務用品」などの項目に分けることが一般的です。
難しい場合は、「その他」にまとめることもできます。
備品は多種多様ですので、分類するときには場所や用途に応じて考えることが大切です。
書き出した備品を整理するために、まずは分類してみましょう。
備品を分類した後は次のステップとして、それぞれの備品に必要な数量を計算しましょう。必要な数量は、備品によって異なり、数量を把握しておくことで備品の総コストを算出することができます。
数量が分からない場合は、最初は見積もりを少なめにすることができます。
特に、消耗品は必要に応じて後から補充できるため、最初は見積もりを少なめにしておくこともよいでしょう。
備品の数量は、事業規模や開業後の予想集客状況に応じて異なります。
そのため、備品の数量に関しては開業後の集客状況を見ながら調整することも検討してみてください。
備品の仕入れは、最後のステップとなります。
仕入先には様々な選択肢がありますが、飲食店向けの備品を専門に扱っている業者を選ぶことができます。
専門業者では、業務用備品を取り揃えており、複数の備品をまとめて購入することもできます。また、一定金額以上の購入で送料無料のキャンペーンを実施している業者もあります。
一部の専門業者では商品のサンプルを提供していることもあり、実物を見てから購入するかどうかを決めることができます。
ただし、業者は様々ありますので、希望する条件や商品価格に応じて比較検討することが大切です。
まずは気になる業者をリストアップし、候補を絞り込んでいくと良いでしょう。
飲食店を開業する場合、厨房設備をはじめ、空調、音響、照明などの大型設備に加えて、テーブルやイス、食器や調理器具、看板、おしぼりなどの小物備品も必要不可欠です。
特に、厨房は料理作りのみならず、食材管理や器具収納、使用済み食器の洗浄など、多岐に渡る設備が必要となります。
また、飲食店を営業するには食品衛生法に基づく設備要件をクリアする必要もあります。
飲食店にはどのような設備・備品が必要か詳しく確認していきましょう。
調理台・シンク・冷蔵/冷凍庫・コールドテーブル・ガステーブル/ガスレンジ・ガスオーブン・食器棚・製氷機・食器洗浄機・換気扇・給湯設備・100ルクス以上の照明設備
その中でも重要な設備
飲食店の厨房に必須の設備が、調理を行うための調理台です。
調理台を選ぶポイントは、「作業台の下に何を収納すれば調理がやりやすいか」です。
作業台には、引き出し付き・引き戸付き・スノコ板付きのものがあり、サイズも様々なものがあります。
どんな作業を調理台でするかから逆算して、用途に応じて選んでいくとよいでしょう。
「保健所の規定に沿わなければならない」ことから注意が必要な設備がシンクです。
シンクは槽の数に応じて、一槽シンク・二槽シンク・三槽シンクと分けられており、
槽の数以外でも、魚介類の調理に便利な「舟形シンク」や茹でた蕎麦の冷却のための「蕎麦シンク」など用途に沿ったシンクの種類があります。
保健所の規定をまず確認しつつ、利用用途に合わせたシンク選びが重要です。
飲食店で料理を作る際、必要なのがガステーブル・ガスレンジになります。
ガステーブルとオーブンが一体化したものをガスレンジと呼びます。
料理時間を短縮したいなら火力の強いものを、また作業効率を上げたいならサイズの大きい五徳を選ぶとよいでしょう。
ただ、店舗が狭いと大サイズの五徳は動きを妨げることになるため、店舗規模に応じた性能を持つガスレンジを選ぶとよいでしょう。
飲食店舗を開業する際には、地域の保健所の規定に沿った食器棚を準備しなければなりません。
基本的には以下のようなポイントを満たしているものが良いでしょう。
・ホコリがたまらず、掃除しやすいもの
・扉のあるもの
・全部の食器をしまえるもの
・防さび加工のあるもの
・お客さんから見て清潔感のあるもの
どこで飲食店を開業するにしても以上の項目は満たしておき、それ以外については保健所の指導を仰ぐと良いかもしれません。
作業台を持った冷凍/冷蔵庫のことを「コールドテーブル」と呼びます。
コールドテーブルでは、作業台の下にそのまま食材を入れ保存ができます。
そのため、キッチン空間の有効活用が可能なだけでなく、迅速な作業の実施、提供寸前まで冷やして品質キープが可能などあらゆるメリットがあり、回転率を上げるうえでも役立ちます。
小規模な店舗の飲食店や空間の有効活用をしたい店舗ではおすすめの設備です。
製氷機には様々な種類があり、それぞれで能力やメリットが異なります。
店舗の規模や使いやすさに応じて、製氷機のタイプや製氷能力を考え、選ぶとよいでしょう。
製氷機タイプ
スタックオンタイプ 製氷量のカスタマイズが可能
アンダーカウンタータイプ 天板を作業スペースとして利用できる
バーティカルタイプ 腰をかがめずに氷の取り出しが可能
スライド扉タイプ 横開きの扉ゆえスペースが必要ない
製氷能力
15~20席 = 25キログラム
20~30席 = 30キログラム
30~40席 = 55キログラム
40~55席 = 75キログラム
コールドテーブルとは別で、縦型冷蔵/冷凍庫も重要な飲食店設備です。
選ぶ際のポイントは、「容量が最適かどうか」です。
大きすぎれば電気代を余計に食ってしまうし、小さすぎては材料の仕入れ回数が増えてしまい余計な出費となります。
値段の安い小サイズの冷蔵庫は魅力的かもしれませんが、長い目で見ると手痛い出費になるかもしれません。
容量が適切な縦型冷蔵/冷凍庫を選びましょう。
食器=皿・鉄板・茶碗など
グラス
調理器具/用品
ユニフォーム・衣類
飲食店において、最も重要なアイテムは「食器」です。
食器は、食事を食べるための道具としてはもちろん、料理を美しく見せる役割も果たします。
ただし、食器にこだわりがない一般的な飲食店や高級店を除いては、食器も消耗品として考えるべきです。
多用されることが基本なため、使い勝手が良く、多様なメニューに合わせられる食器を選ぶ必要があります。
食器の枚数
基準としては、「座席数」で考えるべきでしょう。
例えば、お客さんごとに出す必要のあるお冷グラスやメインメニューの皿・茶碗等は座席数の2倍弱を想定しておくと、基本的な状況ではいいでしょう。
ただ、もしラッシュの際に洗浄が追いつかないなら、さらに余裕ある数量を確保するなど臨機応変に対応できる枚数を用意することも重要です。
他にも、注文数の少ないメニューで利用する食器は座席数の半分程度と極力少なくし、収納棚にしまえる枚数を考慮するなど、あらゆる要素を加味しつつ数量に関しては考えることが必要です。
開業当初はコスパよい食器を
コンセプトを重視すると、食器にもこだわりを抱く場合が多いものです。
ただ、開業して間もないころはコスパのよい食器を選んでおくべきでしょう。
食器の扱いにスタッフが慣れておらず、食器の破損率が高いためです。
店舗の開業当初は、比較的安価な食器を使用しつつ、営業していく中でこだわっていくことが理想的と言えます。
食器の補充の際は同じ食器を買う必要はあるか
食器の破損時には補充の必要があります。ただし、導入していた食器が製造中止となって、マイナーチェンジをしている場合もあります。
そんな際は似た食器をわざわざ探すのでなく、「同じくらいの大きさ」であることをまず重視すべきです。
逆に、補充をチャンスにして食器の種類を替えてみるのも良いでしょう。
同じ料理でも盛り付けをする食器によって印象は変わります。
「替えた方がむしろコンセプトにあっていた。」
そんな場合ももしかしたらあるかもしれません。
調理には包丁、まな板、鍋、フライパン、ボウル、しゃくし、フライ返しなどの調理器具が必要です。
また、食材を保管するためのタッパーも、様々なサイズを多数用意しておくと便利です。
調理内容によって必要なアイテムは異なるため、必要な備品を調理工程を考慮しながらリストアップすることが重要です。
重ねて、こうした調理器具は毎日使うため、使い勝手の良さにもこだわりましょう。
例えば、切れ味が重要な包丁は、試し切りをしてから購入することがおすすめです。
ただし、木製のアイテムはおしゃれな印象がありますが、カビや雑菌が繁殖しやすいため、注意が必要です。
飲食店舗のユニフォームは、そのお店のコンセプトに合わせて選ぶことが大切です。
基本的に飲食店営業ではスタッフが動きやすいよう、衛生的な半袖や7分丈のユニフォームが好ましいでしょう。
また、白いユニフォームは汚れが目立つため、注意が必要です。
重ねて、ユニフォームの管理のためには、こまめな洗濯が必要です。シャツやベストなどのユニフォームを採用する場合は管理が難しいため、店舗側で管理するのがよいでしょう。
それから、キッチンで働くスタッフは髪の毛混入を防ぐため、帽子やバンダナで髪の毛を隠すように指導することも大切です。
必要になる設備
冷暖房設備・防犯設備・照明設備・電話/内線・トイレ・パソコン・テーブル/イス
看板・のれん・キャッシャー/レジ・金庫
必要になる備品
客席上の備品(はし・卓上調味料入れ・ペーパーナプキン・メニューブック等)・除菌用品・洗剤・領収書・会計用伝票・レジ用ロールペーパー・つり銭トレー・伝票ばさみ・トイレットペーパー等
お客さんにとって店内で最も重要な設備は、テーブルとイスです。
居心地の良いカフェ・レストランを目指す場合、快適なイスと広めのテーブルを備えるのが基本です。
洒落た雰囲気を演出したい場合は、席ごとに異なるテーブル、イス、またはソファを配置すれば、お客さんに楽しんでもらえるでしょう。
一方で、統一感を出したい場合は、テーブルクロスなどを使うと効果的です。
回転率を上げたい場合、カウンター席を多く配置し、イスの配置を若干狭めることをお勧めします。これにより、一度に入店できる人数が増え、お客さんに長居しないよう促せます。
またどんな業態でも、2人掛けのテーブルを多く用意することは重要です。
テーブルを繋げて使用できる環境を整えれば、お一人様から団体まで対応でき、無駄な空席の減少が期待できます。
店内の雰囲気を演出する最も重要な要素は、照明設備の照度です。
活気のある店内を目指すなら500ルクス以上を、カフェ等の落ち着いた雰囲気を店舗に与えたいなら5~50ルクス程度にするのがおすすめです。
スポットライトや間接照明を融合させて、ロマンティックムードある店内にするのもおすすめ。
費用面から、ランニングコストを抑えたいならLEDライトを取り入れるのも良いでしょう。
ただし、ホールでは照明の照度を抑えられても、厨房では必ず100ルクス以上の明るさが飲食店の営業許可の観点から必要な点には注意しましょう。
飲食店では、電話を多く使う場面が多数あるだけでなく、一つでも取りこぼしがあれば大人数の来店予約といったチャンスを失うことにも繋がります。
メールやウェブ予約なども普及してきたとはいえ、即時対応が可能な点で今でも「電話は必要なもの」としての認識がお客さんの間ではあります。
飲食店の電話対応では、050の「固定番号」を持つことがおすすめです。
固定番号があれば、お客さんに好印象を持ってもらえるだけでなく、FAXの送受信が可能であり、クラウドPBXというサービス等も追加で利用すれば、いつでもどこでもスマホでの内線や電話の受け取りが可能になります。
また、顧客管理システムとの連携で、お客さんの情報を記憶することも可能となります。
飲食店の開業は、自身のキャリアや資金をかけて行う
人生のなかでも有数の決断であり、チャレンジとなることでしょう。
いざ開業準備を進めるなかで、
「内装や設備はこれでいいのかな」
「専門家に聞かないと分からないことがある」
「設備や備品について相談できる相手がいない」
こんなお悩みはありませんか。
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