飲食店開業における家賃相場と成功のコツ

2023年4月11日

飲食店開業における家賃相場と成功のコツ

飲食店の開業の上で物件の「家賃」は非常に新規開業者を悩ますものです。
10坪・20坪など坪数でどれほど違ってくるのか。立地条件でどう変わるのか。
家賃の負担を下げるためにはどれほどの売上を出すべきなのか。
というような悩みは尽きないものです。
本記事では新規開業者のこれらの悩みを解消できるよう、飲食店開業の際の「家賃」について解説します。

目次
  1. 1. 立地次第で異なる飲食店の家賃相場
    1. ・売上の10%以下が飲食店の家賃では理想
  2. 2. 坪数での家賃目安
    1. ・10坪の飲食店の家賃目安
    2. ・20坪の場合の飲食店の家賃目安
  3. 3. 飲食店が目標にすべき売上平均金額とは
  4. 4. 家賃負担率を下げるための確認事項4点
    1. ・営業時間を延ばす
    2. ・店舗の空き時間の活用をする
    3. ・家賃の交渉を行う
    4. ・フードデリバリーを積極的に行う
  5. 5. 飲食店の売上の伸びが悪い際の経費の削り方
  6. 6. 開業成功のコツは目標のシミュレーション
  7. 7. キャッシュを手元に残して開業する方法
  8.  

飲食店開業のために必要な4ステップについてはこちらで解説

1. 立地次第で異なる飲食店の家賃相場

立地次第で異なる飲食店の家賃相場

どの地域に出店するか、商店街・住宅街の中かなど、地域や立地によって飲食店の家賃相場は異なってくるため、正確な家賃相場を出すことはできません。

ただ、東京圏など人口が多く、かつ駅前や商店街の中など便利な立地であればあるほど家賃は高額になる傾向があります。

対して、地方都市や交通の便が乏しい立地であれば、同じ家賃でもより広く条件のよい店舗を借りることができます。

東京と大阪を比較するなら、東京都の渋谷駅の2016年の平均坪単価は「飲食店ドットコム」の調査によると30,043円となっているのに対し、「株式会社アイ・エス・オー」の2017年の調査によれば、大阪の天王寺エリアの平均坪単価は15,900円となっており、1年調査年度は違えども、半額以上の開きがあります。

売上の10%以下が飲食店の家賃では理想

売上の10%以下が飲食店の家賃では理想

飲食店の家賃は、一か月間の売上の中の「10%またはそれ以下」が基本的には理想とされています。
例えば、300万円の月次売上がある飲食店ならば、「30万円以下」が家賃の理想となります。

人材・食材・光熱費など飲食店経営の中ではあらゆる費用がかかります。
例えば、
食材費= 30% 人件費=30% 光熱費=10% それ以外の費用=10%
となるところに、家賃の10%を加えれば、残り10%が飲食店の売上利益になります。

売上というのは、あらゆる要因で変わる可能性があるほか、売上の低迷の際にもしっかり対応可能にするため、家賃比率は10%以下に抑えることが適切とされます。

2. 坪数での家賃目安

 坪数での家賃目安

飲食店の出店の際にはどうしても、「坪数」でどれくらいの家賃を考えればいいのかが悩みどころ。東京都など人口の多い地域で考えた場合、10坪・20坪なら以下のような家賃目安となるでしょう。

10坪の飲食店の家賃目安

10坪の飲食店の家賃目安

基本的に、飲食店を新規開業する場合に坪数として最も多いのは8~12坪程度の物件です。
日本政策金融公庫の資料によれば、開業費用の平均値は1,077万円となっています。

スケルトン物件等で一から10坪の飲食店を開業したい場合は、この数字と同じくらいの1000万円から1500万円程を目安として考えるとよいでしょう。
ちなみに、居抜き物件を利用して最小限で資金を抑えるならば5・600万円程度でも開業できるとされています。

例)10坪の場合の家賃目安

スケルトン物件の場合

初期費用=1200万円
⇒そのうちの物件取得や造作費用等=750万円程度

居抜き物件で費用を抑える場合

初期費用=600万円
⇒そのうちの物件取得や造作費用等=350万円程度

もちろん、出店する地域や売上の目安がどの程度かで変わってくる部分もありますが、この数字を目安として、考えていくとよいかもしれません。

20坪の場合の飲食店の家賃目安

20坪の場合の飲食店の家賃目安

もし、飲食店の開業を目指されている方が大規模な店舗で働かれてきた場合、20坪以上の広さを飲食店に求められるかもしれません。

20坪以上の広さで飲食店を考えるとなると、10坪の家賃の目安に物件取得費や内装工事費、採用費などを合わせた開業資金の700万円をプラスして考えるとよいでしょう。

ただし、20坪の場合その分のランニングコストがかさむことには十分気を付けてください。

3. 飲食店が目標にすべき一日の売上平均金額とは

 飲食店が目標にすべき一日の売上平均金額とは

月次の家賃の3分の1程度を一日のうちの売上の目標金額とすると良いでしょう。

例) 家賃=20万円 ⇒ 1日あたり70,000円の売上を目標にする

重ねて、飲食店の売上は物件の広さによって変わるため、一坪当たりの「坪売上」を計算して売上目標を考えるのも良いでしょう。

飲食店ならば、月次の坪売上の目標値は15万円程度で、最低でも10万円以上は必要だとされています。30日間で割って、一日当たりに直して計算するなら、5000円程度が理想的で、最低3000円程度の坪売上が必要とされます。

4. 家賃負担率を下げるための確認事項4点

家賃負担率を下げるための確認事項4点

家賃の負担率を極力下げるためにはどのようにすればよいのでしょうか。

営業時間を増加させる
店舗の空き時間の活用をする
家賃の交渉を行う
フードデリバリーを積極的に行う

基本的には、上記の4つの方法があります。

① 営業時間を増加させる

営業時間を増加させる

営業時間を増やしたり、休日営業を行って営業する時間を増やしたりすれば、売上の増加につながります。

売上が増えれば増えるほど、家賃の負担率も下がります。もし経営上不安があるなら、予定の営業時間よりも増やせるかどうかを検討すると良いでしょう。

② 店舗の空き時間の活用をする

店舗の空き時間の活用をする

もし営業時間を増やすのが厳しいならば、店舗の空き時間の活用もおすすめします。

閉店の時間帯に店舗の予約貸し切りをしてみたり、イベントなどを実施してみたりすることで、営業外の時間でも売上の増加が見込めます。

もちろん集客効果もあるのでメリットは大変多い活用の方法です。

③ 家賃の交渉を行う

家賃の交渉を行う

家賃の負担率を下げたいならば、物件の貸主に家賃について交渉してみるのも良いでしょう。

飲食店物件の入居率は景気の動向により変わる面もあるため、アパートなど一般的な物件と比較して考えると、空室のリスクが高く、貸主側はこうしたリスクを避けたいと考えているケースが多くあります。

もしも大変人気で空室がすぐに埋まる物件でなければ、家賃交渉へ応じてくれる可能性は高いです。

④ フードデリバリーを積極的に行う

フードデリバリーを積極的に行う

フードデリバリーの実施を検討するのも、家賃の負担率を下げる一つの手段と言えるでしょう。
様々なフードデリバリーアプリの浸透と、新型コロナウイルスの影響から、フードデリバリーサービスの需要が高まりつつあります。デリバリーの実施で売上の増加が期待できるだけでなく、家賃比率を抑えることにも繋がります。

飲食店の売上の伸びが悪い際の経費の削り方

飲食店の売上の伸びが悪い際の経費の削り方

飲食店経営の中では、光熱費・水道料金や家賃などの固定費に加え、原材料・人件といった変動費用が発生します。
売上が伸び悩むようであれば、こうした経費をどう削れば良いか悩むこともあるでしょう。

こうした際は、材料費を抑えたり、仕入れ先と値段の交渉をしたり、在庫管理の徹底をはかるなどの手段を使って、「変動費」を削れないかを優先的に検討するとよいでしょう。

固定費は利益のない時でも自動的に発生してしまう費用のため、削るのは非常に困難です。
日常の業務の中から少しでも「変動費」を削る努力をするのがいいといえるでしょう。

ただ注意点として、変動費を削りすぎてしまえば、サービスの質の低下に繋がってしまう恐れも存在します。そうした負の影響のない範囲で努力を行ってください。

6. 開業成功のコツは目標のシミュレーション

開業成功のコツは目標のシミュレーション

飲食店の開業の成功のためには、毎月の売上の具体的なシミュレーションが重要と言えます。前もって、しっかりとシミュレーションしておけば、経営時のイメージの把握が可能となります。

先述したような、一日当たりに必要な「坪売上」などの各種数字をシミュレートしてみたりして、そこからひと月や半年、一年などの売上を考えていって目標を設定してみるなど、数字をしっかり使って、売上目標のシミュレートをするとよいでしょう。


7. キャッシュを手元に残して開業する方法

飲食店の開業において、最も重要であり、労力がかかるのは資金調達でしょう。

資金調達が計画通りに進まないと、

・希望の物件を逃してしまう
・開業までに時間がかかり、売上や収入が得られない
・多店舗展開に見合った資金調達が厳しい(数店舗分の与信枠が得られない)


など様々な問題を引き起こすことになります。

さらに、開業準備に自己資金の多くを費やしてしまうとキャッシュを手元に残すことができず
仕入れなど運転資金への不安が生まれます。

こんな悩みをお持ちの方におすすめなのが、
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《通常の出店》
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《店舗まるごとサービスを活用した場合の出店》
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従来の資金調達と異なり、「運営能力」「経験」「立地条件」を重視した審査基準となっており、決算書の内容には頼りません

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投稿日: 2023年04月11日、タグ: ,
カテゴリー: 店舗開業|飲食店開業
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