2023年4月4日
店舗物件を開業のために探す際は、どこからどうしていけばよいか分からないものです。
開業のどれくらい前から探していくのか。店舗物件探しでの一連の流れはどのような感じになるのか。「飲食店舗」ならではの視点で物件を探す際に気を付けることは何か。
前もって、正しい知識を持っておかないと、費用面や時間の面で損をすることもあり得ます。
本記事では、飲食店の新規開業を目指されている方に向けて、「物件探しはいつから始めるのか」についてから、賃貸契約までの流れまで解説していきます。
実は、住居の物件探しと店舗の物件探しはあまり違いがありません。
まず、出店・開業したい地域の不動産会社を訪問して条件を伝え、物件紹介を受けるのはもちろん、前もって不動産のウェブサイトで物件調べをするなどして、希望物件を発見します。
そこから、希望物件について不動産会社に問い合わせて内覧を行い、気に入れば申し込みをして、貸主審査を経てクリアすれば、無事賃貸借契約が締結されます。
このスケジュールの流れは、飲食店舗を開業する上でも純粋に住むための住居物件を探すうえでも変わりません。
ただ、この間に事業計画書作成や業者の選定など様々なことを平行で行わなければならないので注意が必要です。
開店予定日の3カ月前までに店舗物件を決めるというのが基本となっています。
例えば、4月にオープンしたいなら1月までに物件を決定しておく必要があります。
物件の決定は焦って行うものではないため、この「3カ月前」という目安にしたがって、事業計画書の作成などの副次的な作業を済ませてから物件を決める必要があります。
店舗ビジネスにおいて最も重要なのは物件です。
繁華街や駅に近いから等の理由でむやみに物件を探してはなりません。
あくまで、自店舗のビジネスが成り立つ可能性の高い物件で出店するのが基本です。
例) カフェを開きたい
・どんなお客さんをターゲットとするか
・出店の上でのコストが超過していないか
・理想に近い集客が図れるエリアはどこか
・設定していた売上計画を達成できそうか否か
・価格設定はお客さんの支持を集められる価格帯か
出店する側の考え方や計画に応じて、出店をすべき物件は異なってきます。
自身の事業計画やコンセプトから逆算して、物件に必要な諸条件の基礎固めがまず必要です。
開業を検討している業態や店舗が商売を持続する上で、まずどんな物件である必要があるか、絶対にこれだけは外せないと考える要件とは何かを考えることが重要です。
そのうえで、「予算・エリア・予算に見合う物件の質」を考え、現実の状況とほぼ同じ条件を考えていきます。
物件取得にかかる費用の目安としては、賃料のおよそ10カ月を想定するとよいでしょう。
物件取得費用の内訳としては以下の四種類に分けられます。
①敷金や保証金
保証金とは貸主へ預けるお金のことです。
解約後に、償却分以外のお金は返ってきます。
②仲介手数料
物件仲介の役割を持つ不動産会社に支払う手数料です。
目安として賃料の1カ月分と考えてよいでしょう。
③礼金
貸主に対して支払うお金のことです。
貸主側が上限を決めずに設定が可能です。
④前家賃
賃料に関しては前払いゆえ、契約時に初月分の支払いが必要です。
ここで重要なのは、物件取得費の中で大部分を占める「保証金」です。
1カ月賃料の何カ月分として定義されており、物件に応じて何カ月分かがそれぞれ変わってきます。
飲食店舗の保証金の標準は賃料の6~10カ月分です。
実は、保証金には減額してもらえる条件が存在します。
「家賃保証会社」へ加入したり、他の様々な条件と抱き合わせて交渉をしたりなど様々なやり方が存在しています。自身の物件取得予算と照らし合わせ、臨機応変に貸主側と対応していくことが重要です。
ちなみに、店舗物件でも居抜き物件の場合、造作譲渡料とその手数料がかかるので注意しましょう。
造作譲渡料= 内装・設備等の店舗の造作をを前のテナントから買い取るための代金
造作譲渡で関わる手数料= 居抜き物件の場合、紹介元の企業に造作譲渡のための手数料を払わなければなりません。
基本的には、譲渡金額の5~10%か、一軒当たり40万円程度のことが多いです。
業者や物件によって変わるため、逐次確認するとよいでしょう。
参考)「初期コスト削減に!居抜き物件の選び方と3つの注意点」
さらに、一部の家主では保証会社への加入を要求される場合もあり、その際は家賃の半月分か一か月分のお金を保証会社側へ支払うことが求められます。
家主との契約については、しっかりと注意する必要があります。
店舗の広さは、「運営コスト」に強くかかわってくる要素です。
店舗は広ければいいとお思いの方もいるかもしれません。ですが実際は、賃料や運営にかかる人件費は比例して高くなることに加え、店内オペレーションをうまく組めなければコストの上昇に陥り、利益が上がりづらい店舗と化す恐れもあります。
広さにこだわるよりも、まずは自身の考える店舗のあり方から逆算して考えるとよいでしょう。
例) 居酒屋
宴会などを開けるような活気ある店舗を目指す
⇒ 店舗は広めにする。
従業員はなくても、あるいは一人でもいいからカウンター越しの接客ができる飲食店舗にしたい
⇒ 5坪程度など店舗の大きさは狭くする。
というように、どういうコンセプトで店舗を開きたいかを考えつつ、それに沿った飲食店の広さを考えていくとよいでしょう。
ちなみにもし売上予測ができていて、そこから必要な広さを逆算して考えたいなら「席係数」を考えるとよいでしょう。
売上高は
坪数 × 席係数 × 回転率 × 座席稼働率 × 客単価
で成り立っているので、坪数以外の要素にそれぞれ代入して逆算すると、坪数が導き出せます。
「席係数」とは、1坪当たりに設置可能な席数を指します。
高級志向かつゆったりした店舗づくりがしたいなら「1」
カウンターなどで詰めて座るようにするなら「1.8」
平均的なお店なら「1.3~1.5」
くらいが目安となります。
「回転率」は1時間あたりでお客さんの入れ替わる回数のことです。
どれだけお客さんがその店に滞在するかで変わります。
ファストフード店舗なら、10分間滞在と考えて「6」
対して、カフェやバーなどゆったり過ごす飲食店舗なら
2時間滞在と考えて「0.5」
一般的な飲食店なら、30分間滞在と考えて「2」くらいと考えてよいでしょう。
「座席稼働率」とは、満席時にどれほど空席があるかの指標です。
4人テーブルに2人・2人席に1人だけなどの場合があり、満席時でも必ずしもすべての席が埋まることはありません。
基本的には、0.6~0.7。カウンター席が基本なら0.9~1を目安にするとよいでしょう。
これらの数値を、自身の考えるコンセプトから逆算してみて具体的な坪数を導き出すのも一つの手です。
開業・出店エリアは、自店のターゲット客層に加えて、店舗のコンセプトも考えて検討していきます。
立地には3つのパターンが存在します。
商業立地
池袋・渋谷といった商業施設の集まるエリアです。
平日や休日関係なく、遠方からでも人が集い商売がしやすい反面、競合店が多数存在し、賃料も比較的高額になりがちです。
住宅立地
地域住民が訪れやすいエリアです。
会話の場を求める主婦層をターゲットとしたり、地域に根差した店づくりを計画する方にとっては好立地と言えます。
ただし、遠方・地域外からの来訪が乏しい点や、地域世帯の所得・年代から考えて出店に向けて綿密な分析が必要な点はデメリットと言えます。
オフィス立地
ビジネスマンやOLが主な客層の、オフィス密集エリアです。
平日のランチ需要・夜の居酒屋需要はあるものの、オフィス休みの土日などは閑散として売上が伸びづらいなどの特徴があります。
もちろんこれらだけでなく、オフィス立地と住宅立地が半分ずつあるなど、各タイプが複合した立地もあるため、どんなタイプが自店舗のコンセプトやターゲット客層にあっているかを考えるとよいでしょう。
賃料を求める計算式は
広さ(坪数) × 1坪当たりの費用
で求められます。
基本的に、好立地な物件であればあるほど、坪当たりの費用は高額になります。
また物件の広さによっても坪当たりの費用は変わります。
一般的には小さな店舗であるほど割高となります。
個人事業主が扱いやすい20坪以下の広さの店舗は人気があり、それだけ賃料も上がってきます。
エリアごとに坪当たりの価格はある程度決められているため、物件サイトを逐一確認しつつ、出店希望地域の賃料の相場を知ることが重要です。
その相場と予算を照らし合わせることで、本当にそこで出店すべきかが分かってきます。
重ねて、賃料相場の把握により、物件を判断する上での指標を自分の中に持つことができます。
探した物件が、高いのか安いのかをすぐに考えられるなど、なぜこの価格になっているかの判断ができるようになります。
物件探しのやり方には、様々な方法が存在します。
各やり方で長所や短所があるため、自身のやり方にあったスタイルを模索するのはもちろん、あらゆる方法を駆使して探すのが良いでしょう。
出店エリアがすでにしっかりと決まっているならば、そのエリアの店舗物件情報にアドバンテージを持つ地場の不動産業者をつてに物件を探す方法がまず一つ挙げられます。
こうした不動産業者では地域独自のネットワークを持っていることが大多数です。
資金の調達やコンセプト策定、保証人の準備が済んでいる方ならば、ネットに出回らない情報を仕入れることが可能になります。
現在の世の中では、インターネットを駆使した物件探しが主流になりつつあります。
ネット上では、居抜き物件を主に取り扱うサイトや「不動産」のくくりの中から一部の店舗物件を取り扱うサイトなど、様々な物件サイトがあります。
賃貸物件では、複数のサイトでなく特定サイトのみで取り扱っている物件も存在します。
そうした物件をいち早く見つけるためにも、一つのサイトでなく複数のサイトを巡回するようにすると良いでしょう。
多くのサイトでは、新着物件が来た時にお知らせの発信をメール等で発信するようになっています。希望物件に近い物件を扱っているサイトがあるなら、そのサイトに登録をしておくと、自身の考える理想に沿った物件情報をすぐ手に入れられたりするので、こうした仕組みはしっかり活用するとよいでしょう。
もし出店する地域が決まっているなら、その周辺を自分自身で歩き回ることも重要です。
その途中で、「テナント募集」のポスターを発見することもあるでしょう。
そうした空きテナントの発見に加えて、実際に街並みや人通り、競合店の有無や繁盛ぶりなどを自分の足で見て回ることで、たくさんの情報が得られます。
こうすることで、住民のライフスタイルについての情報も把握することができます。
自身の周囲の人の中で、店舗物件を開業のために探していることや、どのような条件で考えているかを伝えることで、希望物件に当たることがあります。
自身が通っているお店のオーナーさんが高齢で後継者を探している状況だったため、自分が引継ぎをしたり、SNSからの紹介で物件を見つけられたりするようなケースが時として有ります。
あらゆる面でアンテナを貼りつつ、情報収集・発信をすることが似た物件を探す競合へ差を付けることにつながります。
気になる物件が見つかったら、実際に物件を見て検討を進めましょう。
足を運んで物件を見ることを、内見・内覧と言います。
興味深い物件を発見できたら、実際に足を運び「内覧・内見」をして検討していきましょう。
まず内見をする前に、本当に出店できるかどうか立地や経済条件を踏まえた上で判断をするとよいでしょう。
極力、物件の住所などから立地条件を確認した上で「下見」をまず行う方がいいでしょう。
下見を行って、「この立地なら自分の考えるコンセプトに合致しているな」と判断できるほど、事前に出店エリアを把握しているといいでしょう。
もし、入居希望店舗がまだ営業中なら、お客さんの一人として来店してみるのも良いかもしれません。もっとも、そうした際は店舗スタッフ側が後継テナント募集の旨を知らないこともあるので、過剰な従業員への声かけや写真撮影等は決してせず、マナーを守って下見をしましょう。
ただし人気物件等の場合、下見しているうちに競合に取られてしまう場合があるので注意しましょう。もし下見する余裕が無ければ、Googleストリートビューを利用して路線・駅や周辺の施設の確認をするとよいでしょう。
賃料や保証金に造作費用等も含めた初期投資の総額が果たして、物件に見合っているかどうか確認することが、「経済条件の確認」です。
減額交渉余地があるか
予定資金の増額の見込みが立っているか
そうした事項を確認した上で、予算が合うならば良いでしょう。
ただ、それよりもかけ離れた条件なら内覧をしても意味はないと言えます。
立地や経済条件を確認したうえで、「検討できる」と判断したら、物件情報元に内覧を希望する旨を伝えるとよいでしょう。
その際には、候補の日程をいくつか示しておくと調整が速やかに進みます。
物件が営業中の店舗の場合は、内覧可能な時間が制限されている場合もあります。飲食店なら14~17時くらいのアイドルタイムにのみ内覧が可能な店舗が多いことはおさえておくべきでしょう。
日程確認を終えるといざ内覧へと移ります。
事前情報に加えて、現地でしか収集できない情報を確認することが重要と言えます。
内覧の際同行する不動産業者に対して、周辺でトラブルがないか、雨漏りはしていないかなどの条件を確認することが可能なため、しっかり聞き込みをしましょう。
まず、現地で確認するのが物件の周囲の状況です。
内見の当日、現地での待ち合わせをする場合、極力早めの現地到着の上で最寄り駅~物件までを歩き、周辺状況の確認をしましょう。
通行量・ターゲット顧客層からアクセスの良さなどの状況を確認するとよいでしょう。
確認項目:
最寄り駅からの所要時間・道の分かりやすさ・利用者の数や属性
通行人の交通量
競合や近隣の店舗、周辺施設はどうか(営業時間や駐車場等も確認)
騒音や臭気はないか etc…
人目に付くか否かはこの後の集客に強い影響を持ちます。重ねて、第一印象を決める店舗の外観はコンセプトに合わせる意味でも重要です。加えて、看板や近隣テナントなどもイメージに影響を与えるので注意が必要です。
確認項目:
見たときの第一印象はどうか
視認性はあるか
間口は広いかどうか
看板を設置できるスペースやサイズはどうか etc…
一部の造作・厨房の機材に注目するのでなく、フロア全体を俯瞰するとよいでしょう。
確認項目:
レイアウトや接客動線、客席の数・座数、造作物や備品はどうか(居抜き物件の場合)
収納スペースはどうか
通路の幅については広いか
柱や梁の位置、天井の高さはどうか
休憩スペースやトイレについてはどうか etc…
飲食店では、引き込みの有無は当然のこと、使用する機器や業態で必要になる容量も変わってきます。新しく敷設する、容量の変更をする場合は配線・配管工事料金が高額になることもあるので確認が必須です。また、給排水設備は圧力への耐久度やつまり等もチェックしましょう。
確認項目:
ガス・電力・水道・インターネットの四つのインフラはどうか
引き込みの状況と容量、そして容量の引き上げは可能か
水圧への耐性はどうか
排水つまりや漏水へは対応があるか etc…
敷地内の駐車場はあるか
エレベーターについては(サイズ・収容人数など)
冷暖房設備はどうか
セキュリティについてはどうか
害虫・害獣等はいないか
近隣住民との関係はどうか
避難経路や災害時の対処はあるか etc…
ちなみに居抜き物件の場合は、スケルトンの物件よりも様々な確認事項が存在します。
引き渡し時にどんな機器類を譲り受けるか
譲渡される機器類はきちんと動作するか
内装の雰囲気はどうか
引き渡し時期はいつか
等の事項を確認します。
特に引き渡し状況の確認ができれば、この店舗物件で出店するか否かの判断が可能になります。
自身の飲食店舗の完成までに、どれほどの改装を必要とするかや、追加準備に必要なものはあるかなどの判断が可能となるためです。
また、備品・機器類の準備と異なり「改装」に関しては、内装会社から見積もりをもらう必要があります。
お世話になっている業者の都合が合っていて、内覧に同行してもらえるとなおよいでしょう。予算感も早めに出るため迅速な判断が可能となります。
内覧時の同行がかなわなければ、改めて内覧を不動産会社側へ設定をお願いし、現調を行います。
そこで内装会社に改装内容を正しく伝えて見積もりを手に入れられれば、出店費用の明確化が可能になります。
内覧が終わり、この物件で開業を希望するようなら、次に入居申し込みを行います。
入居申し込みは「書面」で行う必要があるため、若干重々しさを感じるかもしれません。
物件の申し込み用紙の書式は、不動産業者ごとで異なってきます。したがって、申込用紙はなるべく早めにもらうことをおすすめします。
ちなみに必要になる書類は、法人用書類と個人事業主向けの書類で異なります。
法人用書類
・連帯保証人になる予定の代表者の個人証明書=健康保険証や免許証などの身分を証明できるもの
・法人謄本
個人事業主向けの書類
・連帯保証人 + 借主の個人証明書=健康保険証や免許証などの身分を証明できるもの
※外国籍の場合は「外国人登録証」や「在留カード」を個人証明書の替わりに提出が必要
実は物件の申し込みそのものに費用はかかることはなくキャンセルが可能です。この点に関して、申し込みの書面提出に何か不安を抱える必要はないので安心してください。
入居時期についての相談や賃料について、保証金の減額についてなどの希望条件については、必ず相手方に伝えておく必要があります。
もし、「これだけは譲れない」というような希望条件がある場合は、ここでしっかりと意思表示をした方が良いでしょう。
ただし、家主自身が交渉を拒否していたり、ほかの候補者がいて減額交渉により成約の見込みがなくなるなど、賃料減額や条件交渉が100%不可能な物件や状況も存在します。
書類提出の前に、交渉が可能なのかについて前もって不動産業者側と相談しておくとよいでしょう。
融資という手段で契約時に必要になる費用を用意したいと考えている場合、申込書の提出の際に以下の二つの項目に関して不動産業者側に伝達する必要があります。
・融資確定しつつ契約を進めたい希望の意志
・融資実行までの具体的な予定
融資実行までにかかる時間は対象となる金融機関によって異なるため、入居申込書提出と同タイミングで金融機関側に報告し、融資を受ける手配に関しても始めておきましょう。
熟考した上で、物件への申し込みをしたいところでしょうが、申し込みの先着順で審査を行う物件も多数存在します。
迷っているうちに競合が先に審査を受けることになり、2番目になるリスクもあります。
好物件ならばそれほど、スピードが重要となってきます。
各種準備は必ず、物件探しの前に行うことを心がけてください。
不動産業者は入居申込書を受け取り、貸主に報告し、申込者の情報と信用を審査します。審査では、借主と連帯保証人の収入が賃料に見合うかどうかを確認し、個人事業主の場合は事業計画書を提出することも求められます。申し込み者が物件を借りることができるかどうかを判断するため、申込者の信用度やリスクを慎重に検討します。
審査の結果には、不動産業者や物件所有者の対応スピードによって異なる期間がかかります。返答が即日である場合もあれば、交渉や複数の申し込みがある場合は1ヶ月以上かかることもあります。
入居者としては、貸主の不安やリスクを減らし、安心感を与えるために、追加の情報や証明書類を提出することを検討する必要があります。経歴に自信がある場合は経歴書、ビジネスモデルが強みの場合は事業計画書、コンセプトに特色がある場合はコンセプトシートを提出することで、貸主が安心して物件を貸し出すことができるようにすることが大切です。
貸主からの審査を経て、「審査合格」を言い渡されると、次は賃貸借契約に移ります。
契約書への捺印と署名のみで賃貸借契約は成立しますが、
具体的な契約形態
契約年数と賃料
退去の際の原状回復内容
保証金の償却や解約予告期間について
など、しっかりと注意しなければならない項目は多数存在します。
端から端までチェックをして、理解の不可能な箇所や疑問のある箇所については、契約前にきっちりと確認しつつ、納得したうえで契約の締結をしなければなりません。
前もって、契約書を取り寄せて内容を確認することが必要不可欠と言えます。
不動産契約時に必要な「契約金」は、不動産会社から「精算書」という形で振込先の案内を受け取ります。
一般的に、契約日の前日までには入金が必要ですが、契約時や契約後に入金するケースもあります。
もし融資を受ける予定がある場合は、約束の期日までに振り込めるよう、融資を受ける金融機関との打ち合わせが必要です。
不動産契約の契約の際に必要となる書類には、以下のものが含まれます。
【法人の場合】
登記簿謄本
印鑑証明
連帯保証人分の書類
住民票
印鑑証明書
身分証明書
収入証明
連帯保証人承諾書
【個人の場合】
契約者の住民票(印鑑証明書)
身分証明書
収入証明
連帯保証人分の同様の書類
住民票
印鑑証明書
身分証明書
収入証明
連帯保証人承諾書
ただし、店舗物件ごとで必要な書類は異なるため、不動産業者へ確認を取る必要があります。また、必要な書類は役所で入手する必要がある場合も存在します。
さらに、火災保険や店舗総合保険が指定されている場合には、契約時に同時加入することが多いです。指定の保険がない場合でも、加入後すぐに保険証書の提出が求められることがあります。
居抜き物件では、前のテナントが所有する設備や装置を取得するため、造作売買契約を締結する場合があります。
内覧時に確認した機器や設備が契約書の譲渡対象リストに含まれているか確認することが重要です。
契約書に不明な点があれば、質問したり確認したりするようにしましょう。
通常、居抜きの造作売買契約では、売主は契約後の責任を負わないという内容が含まれます。契約書には、「瑕疵担保責任は負わない」と記載されます。
瑕疵担保責任とは、欠陥があった場合に売主が負う保証のことです。
したがって、契約後に不具合が発生しても、売主には責任を追及することができません。
内見時に動作確認に不安がある場合は、契約前に十分に確認するようにしましょう。
鍵を受け取った時点で、物件の引き渡しは完了となります。契約時に鍵を渡され、自分で初めて物件に入ったり、契約終了後に不動産業者と一緒に物件に入ったりするケースがあります。
一般的には、契約開始日=物件引き渡し日が基準となりますが、まれに契約開始前に鍵を預かり、物件に入ることができる場合があります。ただし、契約開始前は保険適用期間前であるため、注意が必要です。
スケルトン物件ではトラブルがあまり報告されませんが、居抜き物件では問題が明らかになることがあります。たとえば、予想していた機器や設備が欠けていたり、残されたゴミの処理に苦労したりすることもあるでしょう。
こうした問題を防ぐためには、事前に「造作売買契約」を結ぶ前に、引き渡しの状態を確認しておく必要があります。売主と買主がリスト化した譲渡対象の物品を共有し、お互いに認識が一致するようにすれば、トラブルの発生を未然に防げるでしょう。
・保健所と消防署への相談
飲食店の場合、保健所と消防署から許可を受ける必要があります。工事前にどのような工事を行うか相談して、指定基準を満たしているかどうか確認しましょう。なお、収容人数が30人以下であれば、消防署への届け出は不要です。
・インフラの手配
開業にあたり必要なインフラ(電気、ガス、水道、電話、インターネットなど)を開通させるために、手配が必要です。
飲食店の開業において、最も重要であり、労力がかかるのは資金調達でしょう。
資金調達が計画通りに進まないと、
・希望の物件を逃してしまう
・開業までに時間がかかり、売上や収入が得られない
・多店舗展開に見合った資金調達が厳しい(数店舗分の与信枠が得られない)
など様々な問題を引き起こすことになります。
さらに、開業準備に自己資金の多くを費やしてしまうとキャッシュを手元に残すことができず、
仕入れなど運転資金への不安が生まれます。
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手元にキャッシュを残した開業が可能になり、運転資金の不安を軽減します。
初期投資を抑えた出店で資金面での不安を減らすことはもちろん、
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