出面表とは?手書きでの書き方やテンプレートも公開!

出面表とは

「出面表を手書き、あるいはエクセルで書きたい」

「建設業における『出面表』とは何かを知りたい」

出面表という言葉は建築・建設業において、よく頻繁に使われるワードです。

工事現場で、いつ・誰が・どのように働いていたかを示す表のことを出面表と言います。

ただ、出面表の書き方や労働基準法上の意味などについて、分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、業務上の意味やエクセルで作る際に役立つ関数まで、出面表に関して詳しく解説いたします。

日々、建設・建築業でがんばる皆さんのお役に立てれば幸いです。

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出面表DL

出面表について

出面について

出面表について考える前に、そもそも「出面」とは何なのでしょうか。

コトバンクの「精選版 日本国語大辞典」によれば

で‐づら【出面・出頬】

① 顔出しをすること。出席すること。また、その時。顔出し。出番。
② 日雇労働者の賃金。でめん。

という風に説明がなされています。

建設・建築の現場では、①の「顔出しをすること」の意味から派生して、

工事現場で働く作業員の1日あたりの人数を表す言葉として使われます。

また、②の通りに「日雇い作業員の日当」を表す意味合いで使われることも多いです。

出面と出面表

こうした意味から、「出面表」は

1日あたりの従業員数と日雇い労働者の日当を管理するために作られる、工事現場でいつ・誰が・どのように働いていたかを示す表のこと

という風に言えるでしょう。

出面表に必須の項目

建設業のイメージ

出面表では、工事現場でいつ・誰が・どのように働いていたかを明確にするため、以下の項目を必ず入れて作成するのが基本です。

出面表MEMO
  • 現場責任者名
  • 工事現場名
  • 従業員・社員名(氏名)
  • 勤務日・期間
  • 業務内容・職種
  • 労働形態

それぞれ詳しく見ていきます。

現場責任者名

出席する社員の名前と別に、出面表の上の方などに現場責任者が誰かをしっかり明示しておきましょう。

出面表に書かれた人物の中で、誰が責任者なのかが一目でわかり、第三者から見ても分かりやすい出面表になります。

工事現場名

建設・建築業では様々な工事現場で作業を行います。

多々ある工事現場の中でどの現場の出面表なのかをはっきりさせるため、工事現場名は必ず書くようにしましょう。

従業員・社員名(氏名)

出面表には日雇従業員に正規の社員、現場監督者まで、必ず当日出勤する従業員の名前を記しておきます。

この際必ず「氏名」で書くようにしてください。

というのも、同じ苗字の人がいて苗字だけだと混乱することがあるからです。

勤務日・期間

働いた期間・日付などを記入します。

基本的に、月間・週間単位で出面表は書かれる場合が多いです。

業務内容・職種

出面表では、どの従業員がどの職種・作業にたずさわったかを分かりやすくするため、細かく記載しておくのが基本です。

労働形態

建設・建築業では、通常労働だけでなく時間外労働や休日労働が発生することは多々あります。

したがって、こうした労働形態についても、必要に応じて書いておくようにしましょう。

出面表の目的とは

出面表の目的とは一体何なのでしょうか。

出面表には、先ほど説明した通り「工事現場でいつ・誰が・どのように働いていたかを示す」だけでなく、「労働基準法」といった建設・建築業での法令順守の意味合いもあります。

それぞれ、詳しく見ていきます。

出面表の目的①安全管理

出面表は、作業現場の安全管理に役立ちます。

具体的には、出勤・退勤時間や作業時間を記録することで、従業員の労働時間を把握することができます。

労働時間が適切かどうかを判断することで、過重労働や危険な作業の連続を防ぐことができます。

出面表の目的②労務管理

労務管理においても、出面表は活用されます。

労務管理とは、従業員の働き方に関する情報を管理する業務です。労務管理を行う際には、労働基準法によって、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿を作成することが義務付けられています。

出面表は、法定三帳簿と言われる上記3つの帳簿を作成するために必要な情報を記録するものであるため、労務管理において重要な役割を果たします。

出面表では、従業員の氏名や出勤・退勤時間、休暇の取得状況などの情報を記録します。

こうした情報をもとに、労働者名簿や賃金台帳を作成することができます。また、出面表は、従業員の労働時間を正確に把握するためにも活用されます。労働時間は、賃金の計算や労働基準法の遵守に必要な情報であるため、正確に把握することが重要です。

また、建設・建築業界では、下請負業者との契約形態に「請負契約」と「常傭契約」の2種類があります。

請負契約では、完成した仕事に対して報酬が支払われるのに対し、常傭契約では、決められた時間働いた分だけ報酬が支払われます。常傭契約を結ぶ場合には、出面表を用いて日当を計算することができます。

出面表は、労務管理においても欠かせないものです。正確に記録・管理することで、労働者の権利を守り、適切な労務管理を行うことができます。

出面表の目的③賃金管理

出面表は、作業現場の従業員の出勤・退勤時間や作業時間を記録するものです。

そのため、賃金計算の際は、出面表の情報をもとにして、従業員一人ひとりの労働時間や労働内容を考慮して賃金を算出します。

適切な賃金を支払うためには、出面表の記録が正確であることが重要です。

出面表の管理方法とは

出面管理方法3選

出面表の管理方法には大きく分けて3つ、

出面表MEMO
  • ①紙
  • ②エクセル
  • ③出面管理システム

があります。

本章では、上記3つのメリット・デメリットについても触れつつ、それぞれの方法について解説します。

出面表MEMO
  • 方法: 紙
  • メリット: 誰がやっても書ける
  • デメリット: かさばる・紛失すると大変・作成に保管まで手間がかかる

出勤管理を手書きで行う場合、従業員が少なければ実施可能ですが、他の手段と比較して労力と時間が必要になることがあります。

手書きによる記録は、誤記入や計算ミスなどの人的ミスを引き起こす可能性があるため、慎重に扱う必要があります。さらに、紙ベースの管理には、時間の経過と共に劣化したり、紛失するリスクも考慮することが重要です。

エクセル

出面表MEMO
  • 方法: エクセル
  • メリット: パソコン一台あればできる・一応自動集計もがんばれば出来る
  • デメリット: スキルが必要・エクセルが入ったパソコンも必要

建設・建築業では、マイクロソフトの表計算ソフトである「エクセル」がCADと同じくらいよく使われます。

エクセルの良い部分として、オフィスの入ったパソコンが一台あれば、テンプレートなどを使って記入ができる点や、「マクロ」という独特のツールを使えば一応自動集計も可能である点が挙げられます。

マクロに関しては「VBA」というプログラミング言語でエクセル上で開発しなければならない部分があり、多くの人にとっては難しいものです。

「関数」という足し算掛け算など基本的な計算を簡単に出来るソフト上の仕組みについては一般人でも操作が簡単なため、ここでは建設業での出面表作成に役立つエクセル関数を5つピックアップします。

1. SUM関数(合計)

SUM関数は、指定範囲のセル内の数値を合計し、作業員の勤務時間や日数の合計に使われます。使用例としては=SUM(A1:A10)と入力することで、A1からA10までのセルの合計が得られます。

2. AVERAGE関数(平均)

AVERAGE関数は、セルの平均値を求める関数で、作業員の平均勤務時間や出勤日数を計算するのに適しています。例えば=AVERAGE(B1:B10)を使うと、B1からB10までのセルの平均値が計算されます。

3. IF関数(条件付き)

IF関数は、条件を満たすかどうかに基づいて異なる結果を返す関数で、特定の時間以上働いた作業員への手当計算などに使われます。=IF(C1>8, “手当あり”, “手当なし”)と入力すると、C1セルが8より大きい場合「手当あり」となります。

4. VLOOKUP関数(縦検索)

VLOOKUP関数は、表から特定のデータを検索し対応する値を返す関数で、作業員のIDから情報を引き出す際に役立ちます。=VLOOKUP(D1, E:F, 2, FALSE)と入力すると、D1セルに基づいてE列とF列からデータが検索されます。

5. CONCATENATE関数(文字列の結合)

CONCATENATE関数は、複数の文字列を一つに結合する関数で、名前や日付などを一つのセルにまとめるのに使用します。=CONCATENATE(G1, ” “, H1)で、G1とH1の文字列が空白を挟んで結合されます。

これらの関数を使いこなすことで、建設業の出面表を効率的に作成し、管理することができます。また、これらの関数は組み合わせて使用することで、より複雑なデータの処理も可能になります。

出面表テンプレート

ちなみに、テンプレートについては様々なサイトで公開されています。弊社でも何枚か、出面表テンプレートを作成してみました。

簡単に関数も入れてあるエクセルのテンプレートになります。週間・月間/PDF・エクセルそれぞれでテンプレートを用意しているので、下のリンクからダウンロードしてみるとよいでしょう。

出面管理システム

前者2つを差し置いて、最もおすすめなのが「出面管理システム」です。

出面管理とは

建築現場には主契約者やサブコントラクター、さらには下請け企業からの人員が数多く出勤します。

出面表を作ったり書かせたりなど、従業員が現場に出入りする際の記録を取るためにする仕事が出面管理です。出面管理では、特定の人物がいつ、どのくらいの期間を現場で過ごしたかを追跡します。

紙やエクセルなど、以前の出面管理手法では、複数の外部企業からの作業者たちがいる状況において、各人がどの現場で、どれだけの時間働いているかを正確に理解することが求められました。例えば、A社が10人の従業員を8時間働かせる契約を結んだ場合、実際の労働の現場で誰がどのように働いているかを知る必要があります。

しかし、現在多くの現場で行われている「紙での手書き」による出面管理は、現場責任者が現場で働く人々の正確な数を把握するのが難しくなりがちです。

作業者が入場時と退場時に名前や時間を記入しますが、表記ミスが生じたり、紙の出面表を紛失したりして正確な人数をつかめなくなる場合が多くあります。

その結果、実際の作業時間に基づかずに賃金を支払う場合がでてきます。

また、手書きで作成された出面表をExcelに転記する作業も発生することもあります。こんなことをしていると時間がかかる上に、間違いが生じないよう注意深く作業しなければならず生産効率が低下したり、無駄な残業時間につながることもあります。

出面管理システムでDX化することで得られるメリット

出面管理システムのメリット

出面管理システムとは、建築・建設業の現場における「出面管理」をITの力によって効率化するためのシステムのことです。勤怠管理システムの建設・建築業バージョンとも言い換えられます。システムを活用することで以下の様な業務の自動化が可能です。

出面表MEMO
  • 日報の自動化:プルダウンメニューとデジタル登録により、日報作成の時間短縮と手間削減を実現。
  • 労務管理の効率化:スマートフォンによる勤怠管理で、労務状況をリアルタイムに把握し、予算管理と利益の可視化を容易に。
  • 賃金管理の効率化:日報や勤怠データを基に、給与計算の自動化と支払い業務の簡素化を促進。
  • 出面表の自動出力:労働時間や出面、手当などをExcelで一覧化することで人員配分の最適化をしつつ、ミス低減。
  • 出面表集計の自動化:個別の集計項目を自由に設定し、情報の集計作業を自社に合わせて最適化。
  • コミュニケーションの円滑化:グループ別のコメント機能やデータ共有により、現場間のコミュニケーションを改善し、情報の共有を容易に。

一つシステムを導入するだけで、ここまでの業務の効率化が図れるため、近年では国土交通省の資料の中でも出面のシステム化について触れられている部分があったりと、注目を集めているのです。

多くの出面管理システムでは、ICカードを使うことが主流となっています。

ただ、ICカードを使うタイプのシステムでは、色々と問題が出てくることが多いです。

出面表MEMO
  • 作業員にカードを渡す際にどうするかを考え、実行しなければならない。
  • 落としたり紛失したりする可能性が高く、そうした場合のカバーが大変。
  • 工期ごとでICカードを入れ替える必要があるため、手間がかかる。

このような問題点から、実は導入しても費用対効果が悪くなることが「ICカードタイプ」では多いです。

そうした場合に、顔認証のタイプの出面管理システムなら

出面表MEMO
  • ICカードの紛失や「本人のなりすまし」を完全に防止できる
  • 一度顔認証登録をすれば、後期関係なくずっと利用可能
  • 体温も同時に図れるため、現場内での感染症防止にも貢献
  • 顔認証から出退勤打刻に集計・給与計算まで人手いらずで一括で出来る

といったメリットがあり、近年の職場情勢の変化もあり出面管理システムの中でも選ばれてきているのです。

出面管理(バルテック)

顔認証型の出面管理システムの中でもおすすめなのが、株式会社バルテックの顔認証型の出面管理システムです。

先ほど説明したメリットをしっかり網羅しつつ、他にも人事・採用管理や電子契約などのオプションもつけることもできるためおすすめなのです。詳しくは以下のリンクからどうぞ。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事の要点をまとめると以下のようになります。

本記事のまとめ
  • 出面表は建設業において、工事現場で働く従業員の出勤状況を記録するための重要なツールである。
  • 出面表には、従業員の名前、勤務日、勤務時間などの基本情報が含まれている。
  • 管理方法としては紙ベース、エクセル利用、出面管理システムの三種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在する。
  • エクセルでの管理では、SUM関数やAVERAGE関数などを活用し効率化を図ることができる。
  • 出面管理システムを用いることで、管理の自動化や効率化が実現可能となり、現場作業の効率向上に貢献する。

出面表を作り、それを管理するのは手書きやエクセルではかなり手間がかかります。

一番はシステムを使うことが良いでしょうが、とりあえずは紙やエクセルでやってみて、

「あ、これ手間結構かかるな。」

と感じたら、株式会社バルテックなどの顔認証システムを検討するといいかもしれません。

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